金田一秀穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半に置かれた1~3章では、コロナ禍を通して改めて認識された「気配」に関する論考が述べられる。
思っていたのと違うノリだったが、これはこれでなるほどと思う。
特に「机の上にコップが置いてあります」と「there is a cup on the desk」の対比で示す、日本語の中の気配は面白い。
英語ではそこに誰かが置いたかどうかは表現されないが、日本語ではそこに至るまでの過程を気配として扱い、言葉に組み込んでいるとのこと。
確かに気配がある。
4章は、その都度テーマとして掲げた言葉をめぐるエッセイ集。
これぞ期待していた形のもの!!
面白い!
新語が携えているこれまでになかった気配、何か本来 -
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「汚い」とはいったい何か。
見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か―。
「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。
自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。
学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。
[ 目次 ]
「汚い」のオリエンテーション
字義では視覚か、触覚か
触るという身体知
メタファーによって認識する
ことばの意味と使い方
相対と絶対のあいだ
文化と習慣から考える
所有と裁量から考え -
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Posted by ブクログ
ユーモアあり楽しい。
言葉は万能ではない。
言葉は不便なもので、自分の感じていること、触っていることの3割も表現できない。
言葉によって人は踊らされる。バーチャルなもの。実態がない。
人間は言葉に意味を求めすぎるが、あくまで道具。
よい言葉を心がけて使いたい。
ありがとうがいらない世界というのも良かった。して当然だから親切にされてもありがとうを言わない、モンゴルの遊牧民。
ありがとうは言った方も言われた方も得をした時の言葉。
すみませんは相手が損をしてその分自分が得をした時に使う言葉。
ごめんなさいは相手に損をさせた上、自分も得をしていない時の言葉。
つまり他者と自分の間で損得のバランス -
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