あらすじ
「汚い」とはいったい何か。見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か――。「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「汚い」とはいったい何か。
見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か―。
「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。
自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。
学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。
[ 目次 ]
「汚い」のオリエンテーション
字義では視覚か、触覚か
触るという身体知
メタファーによって認識する
ことばの意味と使い方
相対と絶対のあいだ
文化と習慣から考える
所有と裁量から考える
なぜ「汚い」を恐れるのか
中心と周縁の境界線上にて
アナログからデジタルへ
「汚い」の起源と日本人
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
・途中までおもしろいなと思って読んでたら後半飛躍しまくって、それはそれでおもしろかったんだけど、ちょっと頭の良い友達と大騒ぎしてバカ話した後みたいな感じ。
・何に対して人は「汚い」と思うのか、ってのは大変おもしろかった。汚い、と汚らしい、の違いとか。
Posted by ブクログ
【内容】
「汚い」とはいったい何か。見た目か匂いか、触った具合か、それとも文化か慣習か――。「鼻くそ」からはじまって、金田一先生の授業は言語学から文化人類学、精神病理学に構造人類学等を経て、人類の起源そのものへとさかのぼっていく。自由自在にさまよい、動いていく思考の軌跡が、ひとつの日本語がたどって来た壮大なドラマを解き明かす。学識とユーモアにあふれた、世界一汚い、そして面白い言語学講座。
【メモ】
◆辞書に、そんな立派なことが書かれているはずがない。人生とは、愛とは、認識とは。そんなことの答えを辞書に求めてはいけない。人類発祥の時から悩んできた問題についての解答が、国語辞典上に数行で書かれているはずがないだろう。
◆日本には美学はあって、哲学がない。
Posted by ブクログ
なぜ人は汚いと思うのか、汚いとはどういうことか、何が汚いものとして捉えられるのか、といった「汚い」という概念について様々な文脈から検討したもの。「小汚い」「不潔な」といった類語との比較や、箸の使い方などの文化的な側面、潔癖症の人の心理、さらには人類に普遍的な「汚い」ということについての概念に関する考察を通して、著者の思考を辿ることができる。
特に7章以降が印象的で、いかに人間が「汚い」ということを後天的に学習するものなのかを認識するのかということや、中心と周縁の「境界」に対する「恐怖」が「汚い」という概念に結びつくことなどが興味深い。最後の章の「汚い」にまつわる日本人の意識や日本人の美学について、「雪」の話が面白く、もう少し深い考察があれば良かったと思った。(10/02/22)