玉岡かおるのレビュー一覧
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現在でもよく知られている百貨店等で、幕末期までの商家が母体となっている例が見受けられるということは知られている。本作の「高倉屋」もそういう会社がモデルになっているというのは判り易いのだが、それでも飽くまでも「作中の店」である。ディーテールに関しては、作者の想像の翼が大きく羽ばたいて、様々な挿話が登場している。
本作は、“御寮人”と呼ばれる立場の「勢田みやび」の回顧録という体裁で展開している物語である。勢田みやびが明治時代の後半の或る日に、若かった頃からの歩みを振り返り、娘に話して聴かせているという感じだ。
この勢田みやびが生きた時代、「女性である」ということには、「或る種の制約」というようなモ -
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読みやすくて一気に読んでしまった。
戦国時代から江戸時代へ移り変わる時代の流れに翻弄されながらも、”姫”として生き抜いた千姫の物語り。
この時代の人物関係がややこしくて理解しきれてなかったのだけれど、この本を読んで千姫という人物の生涯がどのようなものだったかを知ることができた。
また、千姫からの視点ではなく、姫の影として生きる侍女の視点から物語が進んでいくのだけれど、それがまた千姫という人を一緒に見守っているような気持ちに感情移入してしまい、涙ぐみながら読んだシーンもあった。
「千姫流流」という副題の意味は読み終わって納得した。
どの時代もやはり女性は強くて、たくましい。
そんな女性に自分 -
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ネタバレ最後は若干駆歩感があったが
1つの家の栄華から没落までを書ききった
凄く良い作品だった。
今でこそ鈴木の名前は残っていないが
鈴木の一員だった会社は
事業主を変えて
生き残り社会を支え続けている。
何でも神戸製鉄では社章は当時のままとか
(今は変わったかも)
経営者一族って
社員の事なんて何一つ考えず
やりたい放題しているイメージがあったが
(実際我が社はそうだけど)
明治・大正・昭和
時代も変わり、戦争をくぐり抜け
大震災を経験した当時は経営者も
労働者もお国のために働いたんだろうなぁ~
だから経済大国日本があると
改めて考えさせられた。