玉岡かおるのレビュー一覧

  • 捨て色

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    再読。こんなにも心震わす文体の集合だったとは!年配になってからのほうが深い味わいを感じさせる作品もあるものだと気づかせてくれた一冊。

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    2025年06月04日
  • 帆神―北前船を馳せた男・工楽松右衛門―(新潮文庫)

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    江戸後期に高砂の漁師から廻船問屋を営む海商に上り詰め、名字帯刀も許された工楽松右衛門の一代記。千石船の帆の改良に取り組み松右衛門帆を発明、蝦夷地択捉島では港を作りロシアの脅威から日本を守り、或いは瀬戸内海の港では浚渫する為の特別船を発明するなど“工夫”を“楽しむ”男を描く歴史小説。
    彼が居なければ蒸気船の登場まで長く使われた帆はなかったし、アイヌ人もロシアに取り込まれ、北方領土について領土問題も存在しなかったかもしれない。

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    2024年05月12日
  • ひこばえに咲く

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    ケンとフク。なんて魅力的な人たちなんだろう。
    芸術のことはまったくわからないので、芸術に明るく、それについて議論できる人たちを羨ましく思った。
    いつかりんごのなる季節の青森に行ってみたい。

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    2024年03月01日
  • 負けんとき(上)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    今まで玉岡かおるさんの著書を読んでこなかったのが悔やめれるくらいの傑作。激動の時代を誇りを持って生きた女性の姿にただただ感動しました。
    朝ドラでドラマ化してほしいです。

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    2023年10月08日
  • 負けんとき(下)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    ネタバレ

    終わった恋の相手が晩年また登場し、密かに亡くなった妻の名前で手紙のやりとりをしていたなんて、ドラマチックすぎて。下巻はもしかしたら物足りないかも…なんて思ってましたが登場人物が豪華で一気読みしました。

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    2023年10月08日
  • お家さん(下)

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    城山三郎「鼠」に次いで、久々に鈴木商店に触れた。
    奥州藤原氏や平家、織田信長のように、栄華を極めながら、消えていった伝説的な商店。金子直吉の縦横無尽の活躍も、時代という四次元軸への対応は見誤ったのか・
    改めて鈴木商店に触れてみて、私自身が、鈴木商店の流れを汲む会社に所属していたことを誇らしく思えた。その精神を見習いたいし、反面教師ともしたい。

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    2023年09月22日
  • お家さん(下)

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    何度も言うが、玉岡かおるが書く女性は本当に魅力的だ。お家さん、よねも同じで、大きなことに関わり成し遂げるが、すごく特別だったり、スーパーウーマンだったりするわけではない。むしろ身近にすら感じられるのは、彼女の感情の動きが細かく記されているからかもしれない。その動きがリアルで人間味溢れていて、よりその人を「人として」好きになれる。

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    2023年06月27日
  • 負けんとき(下)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    自分の人生の1冊とも言えるほど大切な本になった。自分もこうありたい、こんな風に考え生きたいと思える人が主人公のみならず出てきて、自分の生き方に反映していきたいと思った。

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    2023年02月02日
  • 負けんとき(上)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    一気読みした。自分に言い聞かせたいような、自分の人生に活かしたいような言葉がたくさん出てきて、大切な1冊になった。

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    2023年02月02日
  • 銀のみち一条(下)

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    これでもか、これでもかと繰り返されるたくさんの試練。ページをめくる手が止められなくなってしまった。

    人は持って生まれるものがあるのだと感じた。
    また、道は必ず「直利」ができるのだとも。

    すごいパワーがみなぎる感じが最後にあふれてきて、やっと何とか物語が終わったという感じ。


    何度か訪れたことのある生野銀山。すぐ近くに、これほどの歴史を持つ遺跡があることをとても誇りに思う。

    コロナが落ち着いたらぜひまた一度訪れたいと思う。

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    2022年04月04日
  • 花になるらん―明治おんな繁盛記―(新潮文庫)

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    玉岡さんの作品、これで何作目か…
    主人公のサクセスストーリー。史実とフィクションの接点が見え隠れする作風にしっかりはまってしまった。
    最近気づいたこと。
    主人公の晩年の過ごし方。
    この作品の主人公の御寮人さんは、晩年になって百貨店のベースをイメージして、それを手掛けた。この発想力、実行力に強い感動を覚えた。
    自分自身が仕事人としての晩年を迎えたからか、ことをなした人たちの晩年に強い興味を抱く。

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    2022年02月20日
  • 姫君の賦 千姫流流

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    オペラの題材になるとのことで手に取った
    よく知った懐かしい地名がたくさん出てきて軽くホームシックになった

    見知った風景を思い浮かべながら千姫やちょぼの気持ちになって読んだ
    幸せな時期の描写もつらい時期の描写も生々しく感じられた
    ほっこりしたり泣いたり感動したりとすごく充実した読書体験だった

    次の帰省で見る姫路城はちょっと違って感じられるかもしれない
    歴史小説もっと読んでみてもいいかもと思った

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    2021年11月29日
  • サイレント・ラヴ

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    読むたびにもどかしくせつなくイライラしたりしてしまうのに、何度も読み返してしまう物語。
    家のジンクスにとらわれて、幸せなシチュエーションを前にしても沈黙して動けなくなってしまう主人公に、片思いの経験がある人ならイライラしつつも共感する部分もあるのでは…と思います。

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    2020年05月11日
  • 花になるらん―明治おんな繁盛記―(新潮文庫)

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    現在でもよく知られている百貨店等で、幕末期までの商家が母体となっている例が見受けられるということは知られている。本作の「高倉屋」もそういう会社がモデルになっているというのは判り易いのだが、それでも飽くまでも「作中の店」である。ディーテールに関しては、作者の想像の翼が大きく羽ばたいて、様々な挿話が登場している。
    本作は、“御寮人”と呼ばれる立場の「勢田みやび」の回顧録という体裁で展開している物語である。勢田みやびが明治時代の後半の或る日に、若かった頃からの歩みを振り返り、娘に話して聴かせているという感じだ。
    この勢田みやびが生きた時代、「女性である」ということには、「或る種の制約」というようなモ

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    2020年05月08日
  • 姫君の賦 千姫流流

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    読みやすくて一気に読んでしまった。
    戦国時代から江戸時代へ移り変わる時代の流れに翻弄されながらも、”姫”として生き抜いた千姫の物語り。
    この時代の人物関係がややこしくて理解しきれてなかったのだけれど、この本を読んで千姫という人物の生涯がどのようなものだったかを知ることができた。

    また、千姫からの視点ではなく、姫の影として生きる侍女の視点から物語が進んでいくのだけれど、それがまた千姫という人を一緒に見守っているような気持ちに感情移入してしまい、涙ぐみながら読んだシーンもあった。

    「千姫流流」という副題の意味は読み終わって納得した。
    どの時代もやはり女性は強くて、たくましい。
    そんな女性に自分

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    2020年01月25日
  • 天平の女帝 孝謙称徳―皇王の遺し文―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    女性天皇がどれほど良い治世を治めていても、死後に貶められるという怖さと史実の限界を思い知る。やはり小説はノンフィクションよりフィクションの方が安心して読める。

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    2019年09月10日
  • 天涯の船(上)

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    ネタバレ

    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    日本が近代化への道を急いでいた明治17年。下働きの少女ミサオは、米国への留学船で、姫君の身代わりに仕立てられていた。船酔いと折檻まがいのしつけの日々。が、ある夜ミサオは、運命の人・光次郎に出会う。上陸後、美しく成長したミサオは、青年光次郎と再会するが、皮肉にもオーストリアの子爵家の血を引くマックスに求婚され、二度と日本に戻らぬ決意で欧州へ嫁いで行く。

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    2017年12月08日
  • お家さん(下)

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    ネタバレ

    最後は若干駆歩感があったが
    1つの家の栄華から没落までを書ききった
    凄く良い作品だった。

    今でこそ鈴木の名前は残っていないが
    鈴木の一員だった会社は
    事業主を変えて
    生き残り社会を支え続けている。

    何でも神戸製鉄では社章は当時のままとか
    (今は変わったかも)

    経営者一族って
    社員の事なんて何一つ考えず
    やりたい放題しているイメージがあったが
    (実際我が社はそうだけど)
    明治・大正・昭和
    時代も変わり、戦争をくぐり抜け
    大震災を経験した当時は経営者も
    労働者もお国のために働いたんだろうなぁ~
    だから経済大国日本があると
    改めて考えさせられた。

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    2016年12月12日
  • お家さん(上)

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    ネタバレ

    良い!
    凄く面白い。

    当時三菱や三井と並ぶ貿易商だった鈴木商店の話。
    私は経済に疎いので全く知らなかったが・・・。

    話は鈴木商店の総帥である女性、お家さんこと「よね」さんの目線で進んでいく。

    三国志でもそうだが、良い参謀を育てられるか?巡り会えるかでトップの運命は左右されるが、鈴木商店はその優秀な参謀で成り上がった会社と言っても良い。

    1度目の旦那の子供や、2度目の旦那の子供などが入り交じるがその人達をも取り込んで、ただただ参謀達を信じ会社を大きくしていく女性。下巻が楽しみである。

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    2016年12月09日
  • 負けんとき(上)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    女性が本来の姿で生きられなかった時代。その中で生きた人々の苦悩や姿勢にのめり込むようにして読み終えた。

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    2016年03月03日