玉岡かおるのレビュー一覧

  • 銀のみち一条(上)

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    明治の生野銀山を舞台にした物語。歴史小説でありながら、恋愛小説でもあり。日本が変わりつつあるなかで雷太が抱える負の部分はとうてい想像できないけど、どう彼が立ち向かうのか後半が気になるところ。

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    2012年03月17日
  • お家さん(下)

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    文庫本で上下巻だったのですが、先週末に途中でやめられなくなり一気に読んでしまい、寝不足に陥った本です。
    主人公の鈴木よねは明治、大正、そして昭和初期の日本において世界を股にかけた貿易で、当時の日本で一番の年商をほこった鈴木商店のオーナーです。三井、三菱・・などの財閥の名前は有名ですが、それに勝るとも劣らないすごい”商社”が他にあったとは!まずそれが驚きで読み進めていきました。
    神戸において夫が営んだ店を夫亡き後、未成年だった息子たちが成人するまでと優れた働きをする大番頭を中心に店を続けていく覚悟をした"よね"でした。
    日清日露戦争で勝利して世界の列強に仲間入りをしようとする

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    2011年09月24日
  • お家さん(下)

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    明治、大正、昭和を太くも短く駆けぬけた商社を通して、歴史と文化と日本人というものをしっかりと伝えてくれる、そんな本です。
    また、商売を行っていく中で、それぞれの人生にどのような意味を見つけ出していくのか、登場人物たちが力強く邁進していく様が熱く胸に突き刺さります。国益に一途のもの、会社を守るもの、家族を背負うもの・・・それぞれの生き様に心を動かされます。

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    2011年08月27日
  • お家さん(下)

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    読み応えがある作品。上巻から引き続き鈴木商店が一気に上りつめ、さまざまな苦境に立たされ、必死に抗おうとする姿が胸をうつ。
    さらによねと強いつながりのある一人の女性の人生が物語をさらに深みを持たせる。

    日本の経済が大きな転換期にさしかかった時代を体感できる絶対お勧めの一冊。

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    2010年11月28日
  • 天涯の船(下)

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    上下巻合わせると1000ページ近い大作です。
    明治17年から昭和8年ころの米国、日本、欧羅巴を舞台に時代の波に翻弄される二人の互いに対する想いが胸に迫ります。特にやっと二人がお互いの思いについて素直になったときは、ほっとしました。出会ってから40年後くらいでしたが・・

    物語は、ミサオの養子で、姪の子でもある綾子が、ミサオが持っていたブローチを手に入れ、そのいわれを知りたいと、綾子を捜し出した木村万里子に対して、語り始めるという形で始まりますが、その内容はミサオが綾子に語ったと思われる語り口である関西弁で綴られています。

    桜賀光次郎のモデルは松方コレクションで有名な実業家松方幸次郎氏だそうで

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    2009年10月04日
  • 天涯の船(上)

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    日本が近代化への道を急いでいた明治17年。下働きの西波あやねは、神戸からの米国ヘの留学船で、姫君三佐緒の身代わりに仕立てられていた。船酔いと折檻まがいのしつけ日々。逃げ出して神戸に帰ろうとした三佐緒が出会ったのは、運命の人・桜賀光次郎。

    米国上陸後、美しく成長したミサオは、青年光次郎と再会するが、光次郎の友人でオーストリアの子爵家の血を引くマックスに求婚される。紆余曲折を経て、彼女は欧州へ嫁いでいく・・

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    2009年10月04日
  • 天涯の船(下)

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    ネタバレ

    小説のモデルとなった、アンティークジュエリーの船の写真を見て、この小説を読みました。

    第一次世界大戦の前後の日本女性の状況や、西欧との関係、恋愛の引き寄せられる熱い思いが、興味深かったです。参考文献の『火輪の海』『クーデンホーフ光子の手記』は、いつか読みたいと思いました。

    矩子さんの家庭を思うと、複雑な気持ちになりました。盛り上がってる2人は良いかもしれないけど、あんまりだなと思いました。ミサオさんも自覚しているし、抗えなかったとはいえ、微妙だと思ってしまいました。小説の全体像の評価だと、星5つの満点かもしれませんが、ストーリーの展開における個人的な好みによって星を4つにしました。

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    2025年11月08日
  • 負けんとき(上)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    母の書棚にあった文庫本で、表紙絵もタイトルもまったく興味を示さなかったのだが、書棚の本を全部読み尽くすという目標だったので消化作業がてらに読んでみてびっくりした。
    大名がのちの子爵となった一柳末徳の娘満喜子とアメリカからの宣教師ウィリアム・メレル・ヴォーリズとの史実の物語で、ちょうどこの本の前に『秘色の契り』『大盗禅師』と江戸末期の話を読んだ後なので実に偶然にもその後の日本の話に繋がりすっと当時の時代に馴染めた。藩主の娘、すなわち姫然として育てられすべてに型通りに生かせようとする父に反発するもその才能を活かせずいじいじと社会にも恋路にも二の足を踏んでばかりで前に進めない”跪座”の状態の主人公の

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    2025年10月12日
  • 銀のみち一条(上)

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    芳野の妖艶な描写、
    雷太の頼もしい姿、
    咲耶子の艶やかな様子、
    志真の健気な振る舞い、
    それぞれの人物に、胸がキュッとなって次々にページをめくってしまいます。
    続き、どうなるの〜!?
    みんな幸せになって欲しい(><)

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    2025年09月22日
  • さまよえる神剣

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    ネタバレ

    源平合戦から承久の乱の後の西国という、なかなか尖ったシチュエーション。
    安徳帝の伝説をきれいにハマらせている。

    話の流れが難しいような気がしたが、読む時に私が酔っ払っていたからだろう

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    2024年08月25日
  • 帆神―北前船を馳せた男・工楽松右衛門―(新潮文庫)

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    工楽松右衛門を知らなかったが、すごく魅力的な人物だった。初めて男性に焦点を当てた作品ということだったが、メインは関わる女性について詳しく描かれていた。鎖国時代だったからこそとも言えるが、今も工夫を凝らすこと、アイデアで富を築くことができる。その先進的な考えを思い浮かべられる才能に嫉妬する。

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    2024年04月07日
  • 姫君の賦 千姫流流

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    大河ドラマで千姫を見た時に、「あ、確か姫路城に行ったときに千姫がいたな」と思い出しました。姫路城では幸せな時期があったと記憶していたので同僚に話したところ、この本を薦められました。
    大河ドラマでは大阪夏の陣の後は描かれていませんでしたが
    この本を読んでその後の千姫の生涯を知り、激動の時代をまざまざと感じました。また千姫のそばに幼少の頃から仕えるちょぼの視点から語りは読み手の視点とも重なり非常に感情移入ができました。

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    2024年01月26日
  • 帆神―北前船を馳せた男・工楽松右衛門―(新潮文庫)

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    僕は、今まで数百冊の時代小説を読んで、大概の歴史上の偉人の名前くらいは知っているつもりだったけど、まったくの自惚れだったことが、この作品を読んで思い知った。この工楽松右衛門という人は、とんでもなく凄い人ではないか‼️”あの”高田屋嘉兵衛の「師匠」ということは、極論すると、松右衛門さんがいなければ、函館という港はなかった、のかもしれないのだから。しかし、解説で高島礼子さんが書かれていた通り、この作品の本当の主人公は、松右衛門を支えた4人の女性なんだろう。

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    2023年12月11日
  • 帆神―北前船を馳せた男・工楽松右衛門―(新潮文庫)

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    玉岡かおるさんの本は女性主人公が活躍する話が多いですが、こちらも良かったです。
    近代の礎を築いたすごい人物なのに、あまり記録に残っていないとか。それを埋めながら一つの物語を作り出すのはさすがです。
    松右衛門さんの器の大きさにも惚れました。

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    2023年12月09日
  • 姫君の賦 千姫流流

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    大河ドラマを見ていると、いつも大坂の陣が終わると同時に出番も終了してしまうので、その後の千姫の人生を知ることができてよかった。
    辛いことがあっても「生きねばならない」と、懸命に人生を全うした千姫は、女性にとって憧れだ。

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    2023年03月29日
  • 負けんとき(下)―ヴォーリズ満喜子の種まく日々―

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    明治に生まれ、戦後まで、真っしぐらに生き抜いた女性・一柳満喜子。今とは比べ物にならないくらい女性の地位が低かった時代に、海外留学し、帰国後、宣教師として日本に来ていたアメリカ人・ヴォーリズ氏と結婚。ヴォーリズ氏は、近江兄弟社を起こし、関西学院大学や京都の中華料理店「東華菜館」などを建築。満喜子さんの生き方やヴォーリズ氏の建築物、ふたりの愛に満ちた人生、また今秋から始まる朝の連ドラ「あさが来た」の主人公・広岡浅子さんも出て来たりと、いろんな点で興味深く読めました。

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    2023年02月16日
  • 夜明けのウエディングドレス

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    戦前から現代まで激動の時代を生き抜いた女性の物語。想像以上の苦労があったはずなのに、たくましく夢を実現させていく姿は、勇気を与えてくれる。
    このような女性が日本にもいることが誇らしい。

    今自分自身が人生折返し地点で自分の人生を振り返りつつ、この先の生き様をどのようにしたものかと思案している最中。子どものことを話す場面は、自分とも重ね、同意すること多々でした。

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    2022年08月27日
  • タカラジェンヌの太平洋戦争

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    全体を通して読みやすく、面白かったです。
    戦争と宝塚に関することだけかと思いきや、小林一三がいかにして宝塚を創設したかなどの話から始まり、興味深かったてす。

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    2022年06月25日
  • 銀のみち一条(下)

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    面白かった。

    生野銀山って、そう遠くないし、聞いたことはあるけれど、ほとんど知らなかったけど、
    日本が近代化する時代に、こんなに活気がある所だったんだな。

    でも、女性には生き辛い時代だったんだな。

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    2022年05月12日
  • 銀のみち一条(上)

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    読み始めは少年達を含めた若者の成長の物語と思ったが、3人の女性の生き方を描くもののようだった。
    明治の時代に女学校から果ては東京まで勉強に出た金持ちの家の女性、男親に死なれて芸妓になった女性、お手伝いながら健気に生きる女性。(上)では、意に染まぬ結婚や町の有力者に無理矢理に落籍される芸妓とか不安な形で終わる。その女性達の心の中心にいるのが坑夫の雷太。(下)では、どのような結末を迎えるのか見当が付きにくい。読むのが怖いような・・?

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    2021年10月20日