あらすじ
実業家として成功した光次郎は、造船業でも名をあげ、片やミサオは、戦時下のヨーロッパで子爵夫人の地位を守る。時を経て二人は再び出会い、光次郎はミサオの導きで精力的に絵画収集に乗り出す。夢を追いかける男、苦難を乗り越えた女。いまなお胸に秘め続ける、互いへの想いが遂げられる日は来るのか。二つの大戦のはざま、時代の波に翻弄されながらも、希望を失わなかった愛の絆。
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Posted by ブクログ
7年ぶりに読みました。
やっぱり、面白くてページをめくる手がとまりません。前は前半の方が面白いかとおもったけど、今回は7年という月日を経たのもあって、下巻で、二人が年を重ねてからの恋愛がうらやましいとさえ思ってしまった。
光次郎~、ナイスです。
Posted by ブクログ
面白かった~。夢中で読みました。ある女性の一代史。大正ロマン、時代を背負った船会社社長との運命の出会いと一生をかけた恋!面白すぎて、紹介分が実にありきたりになりましが、お勧めです~
Posted by ブクログ
日本とヨーロッパ、激動する時代の流れに翻弄されながらも強く生き抜くミサオと光次郎。
下巻は、何度も別れ、何度も再会する二人の苦しくてせつない恋が描かれている。なんと数十年越し…。生涯の大半をその人を想いながら、遠く離れて暮らし、背負っているものの大きさに、なにもかも捨てて結ばれることのかなわない恋人たち。流星の下での二人のダンスのシーンは、とても美しかった。楽しいから一緒にいたい、ではなくて、相手が苦しい時に寄り添っていたい、二人には、「好き」という言葉より「相手を想う」という言葉が似合っている。
恋だけでなく、その時代の背景を上手に絡めて描かれていておもしろかった。大河ドラマの名にふさわしい作品。児玉清さんのお墨付き!
Posted by ブクログ
上下巻合わせると1000ページ近い大作です。
明治17年から昭和8年ころの米国、日本、欧羅巴を舞台に時代の波に翻弄される二人の互いに対する想いが胸に迫ります。特にやっと二人がお互いの思いについて素直になったときは、ほっとしました。出会ってから40年後くらいでしたが・・
物語は、ミサオの養子で、姪の子でもある綾子が、ミサオが持っていたブローチを手に入れ、そのいわれを知りたいと、綾子を捜し出した木村万里子に対して、語り始めるという形で始まりますが、その内容はミサオが綾子に語ったと思われる語り口である関西弁で綴られています。
桜賀光次郎のモデルは松方コレクションで有名な実業家松方幸次郎氏だそうです。
今度、彼について書かれた本を読んでみようかと思います。
ミサオのモデルは、オーストリアの貴族に嫁いだというのは、クーデンホフ・ミツコ氏のようですが、決まったモデルはいないようです。
Posted by ブクログ
小説のモデルとなった、アンティークジュエリーの船の写真を見て、この小説を読みました。
第一次世界大戦の前後の日本女性の状況や、西欧との関係、恋愛の引き寄せられる熱い思いが、興味深かったです。参考文献の『火輪の海』『クーデンホーフ光子の手記』は、いつか読みたいと思いました。
矩子さんの家庭を思うと、複雑な気持ちになりました。盛り上がってる2人は良いかもしれないけど、あんまりだなと思いました。ミサオさんも自覚しているし、抗えなかったとはいえ、微妙だと思ってしまいました。小説の全体像の評価だと、星5つの満点かもしれませんが、ストーリーの展開における個人的な好みによって星を4つにしました。
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時代が2人の運命を狂わせたけれども、その時を生きた人の中では進んだ2人だったが、男女の中だけはそうはいかなかった。
関西人としては、とても読みやすいお話。
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夏休みに長い本を読んだ学生気分が懐かしい!ってなわけで『エデンの東』に続いて読みました。
『天涯の船』玉岡かおる
エデンよりは短いんですけど上下巻1000ページもあるし、明治大正昭和にわたり時代背景も長く、スケール大きく、波乱万丈盛りだくさんの物語でした。
はじめにきらびやかな宝飾品がミステリーに登場、お姫様の替え玉、米国留学(明治の初め鹿鳴館の頃ですぞ)、替え玉のミサオの苦労、オーストリアの子爵に求婚される、遠距離恋愛、禁断の恋と続いて、少女コミックも真っ青です。
玉岡かおるが3年もかけてお書きになった力作だし、明治からから昭和の歴史的人物(たとえば岡倉天心、新渡戸稲造、...吉田茂まで!)もばっちりはめ込んであっておもしろいのです。
わくわくドキドキ、ジェットコースターものがたりの興奮なんですが、うーん、やっぱりわたしには何か足りないんですよね。ああおもしろかったでいいんでしょうけどね。
Posted by ブクログ
激動の人生を綴った前編から、後編はメロドラマっぽい感じになりました。
「縁」というよりは、ご都合主義的な感じを受ける場面が多々あった。
そもそも、前編で光次郎さんが男気を発揮していたら、このすれ違い状態にならなかったんじゃないかと思うとすっきりしない。
光次郎さんは、それができる立場だった筈なので、余計にそう思う。
お互いに精神的には長年パートナーを裏切っていたわけで、個人的には奥様の矩子さんが気の毒だなと思ってしまうので、良かったねーと素直に思えない。
以前読んだ『クォーター・ムーン』もすっきりしない後味で、この作者さんとは感性が合わないのかなあ……。
Posted by ブクログ
下巻。
一転してなんというか……うん、恋愛ってすごいですね。
そして、今もなお、お勝さんが一番強そうっていう不思議さ。お勝さん魅力的だわー。というわけで私は上巻の方が好きなのでした。
Posted by ブクログ
その時代を生きたわけではもちろんないのだけれども、ノスタルジーを感じる作品。
もどかしいほどの主人公二人のやり取りも、時代背景をうまく取り込んでいるから、不自然ではない。設定がうまいのは、半ばノンフィクションだから?
華麗なる一族と同じ「匂い」がする。