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Posted by ブクログ
母の書棚にあった文庫本で、表紙絵もタイトルもまったく興味を示さなかったのだが、書棚の本を全部読み尽くすという目標だったので消化作業がてらに読んでみてびっくりした。
大名がのちの子爵となった一柳末徳の娘満喜子とアメリカからの宣教師ウィリアム・メレル・ヴォーリズとの史実の物語で、ちょうどこの本の前に『秘色の契り』『大盗禅師』と江戸末期の話を読んだ後なので実に偶然にもその後の日本の話に繋がりすっと当時の時代に馴染めた。藩主の娘、すなわち姫然として育てられすべてに型通りに生かせようとする父に反発するもその才能を活かせずいじいじと社会にも恋路にも二の足を踏んでばかりで前に進めない”跪座”の状態の主人公の、当時の女性特有の気苦労にやるせなくなってしまう。何度ものちの”運命の人”とのすれ違いがあり、期待させては肩透かしにあいながら、上巻は佑之進との恋が破れ小心のまま夢見たアメリカの大地へと旅立つ。恋や人生のライバル、また親元を離れた主人公の生活の面倒を見守る大阪商人のおかみさんからの「負けんとき」が、そのままタイトルとなり、その言葉が日本の女性の人権と社会進出を後押しすることになり、消化のつもりで読み始めた本がこれほど熱い物語だったとは反省するしかない。勢いそのまま下巻へ続く。
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