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Posted by ブクログ
単なる有名な米国人建築家と、華族のお嬢様の国際結婚のお話と思うなかれ。長年日本に暮らし、日本や日本人の精神を熟知したアメリカ人として、終戦後、マッカーサー副官のバーレット少佐に、「天皇陛下は国民の象徴である」と進言したのが、メレル・ヴォーリズその人である。その後、日本は天皇陛下を現人神ではなく象徴として、奇跡の復興を遂げ、先進国へと躍進する。昔からよく使っていたメンソレータムや出身校のカレッジソングにメレル・ヴォーリズが関わっていたと知り、とても身近な人物に感じたが、小説後半でこのヴォーリズ・ファイルと呼ばれる会談のことを知り、日本に多大な貢献をした人物だと驚きと感銘を受けた。
メレルのパートナーである満喜子も、華族のお嬢様として生まれながらも、新たな時代を切り拓くさまざまな挑戦をし続ける。その満喜子を、満喜子の兄の義母にあたる廣岡浅子が、良き理解者として支える。廣岡浅子が満喜子に伝える言葉もとても印象的である。
メレルも満喜子もすごい。そして、浅子も。
私は浅子のように若い人を励ますことができる人になりたい。
Posted by ブクログ
おマキさまは本当にこれで幸せだったんだ…というのが率直な感想。私は佑之進の胸の内がせつなくて、佑之進への気持ちを超えるメレルへのおマキさまの思いがつかみかねた。絹代さえ気づいていた思いに、当の本人が気づかないはずはないのでは…?それを押し殺してもなお余りある幸せをメレルは与えたというのか?国籍を奪われ、日本人でありながらメレルの妻となれたにもかかわらず近江八幡の民に受け入れられず、最後は兄弟と信じた者たちからも追放され、逃れた軽井沢で結局病を得たメレルの看病に明け暮れた…苦難に向かえば向かうほど、負けんときと自分を奮い立たせて自分の気持ちで乗り越えていきながら、これが望んだ幸せだと言う。共感できない…それが心残り。。。
それと、絶対避けられない『戦争』の悲惨さ。なんで日本はあんな戦争をしたんだと、しかも戦前にヴォーリズ夫妻はそれを阻止するために渡米して講演して回っていたなんて…知らなかった。悲しすぎる。
Posted by ブクログ
上巻からずいぶん間が空いたことw
間に読む本が重なりほぼほぼ一か月開いていながらも内容を全く忘れていないくらいみっちりした構成なのが素晴らしい。歴史小説を読んでいて思うのはほんと昔の日本を作り支えてきた人たちは皆偉大過ぎて、今の日本人っていったいなんなん?って思えてしまう。起坐からなかなか動けなかった満喜子がメレルと結婚を決めてからの開花が凄まじく、これまで障害となっていた貴人としての鎖から解放されるも今度はパスポートが取れない新たな枷を負い、アウェイさながらの近江で自分の居場所を築き始める姿は読んでいてほれぼれする。幼馴染であり初恋の相手は至難ですれ違っていくも時を経てまた再開した時の揺れ、そして明治から大正と移り変わりどうしても避けられない昭和の太平洋戦争。明治大正時代の物語を読むと必ず戦争が待ち構えているのをわかっていながら読むからほんと辛い。またそれを乗り越えて立ち上がるから偉人物語の醍醐味なんだけどね。読むまで知らなかったヴォーリズ納骨堂、ふーんって読んでいたけどググってみたら今もあるどころか学園まで継続されているんだね、びっくりした。そうそう、メンソレータムもこのヴォーリズ・メレル氏が持ち込んだものなんだね。
多分普通ならなかなか手にしないような本だけど、亡き母の書棚から出てきて手にした本がこんな素晴らしいものだったとは、と感慨深い。
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