内村鑑三のレビュー一覧
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ネタバレこんな考え方もあるのか、と思った本。内村鑑三氏は、まずお金を儲けなさい、事業をしなさい、それが無理なら教育か本を書くかして思想を遺しなさい。それらが出来ない人は生き方を真っ当にしなさい、と言った。これらは全て、後世に残すためのものである。ただ、よりよく生きるとは、人の価値観、考え方によって違ってくる。自分の人生を後世に残すというのが自分の頭にはなかったこと。今まで、死ぬ瞬間にいい人生だったといえる人生を過ごそうと思ってたが、この本を読んだり、自己分析したりして、周りの評価も自分の人生に大きく関わるなと思った。自分が結果を出して、周りに評価され、後世に残すものが増える人生が現時点で考えた、いい人
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ネタバレ内村鑑三による英語の著作。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の生涯が紹介されている。この5人に共通するのは「徳を大切にし、思いやりに満ちていた」こと「人づくりをしたこと」。「生涯を掛けてやってきたことを、次の世代が何かの役に立ててくれればいい」とそんな声が聞こえてきそうだ。
●西郷隆盛
西郷を語る上で欠かせないのが「陽明学」。「陽明学」はがキリスト教と似ている点が多く、崇高な良心、厳しくも慈悲深い天の教えを説く。革新的で可能性に富んだ教えだ。一方江戸時代の正学「朱子学」は保守的であり、支配層は陽明学がキリスト教に近かったために弾圧したとする。
西郷よりも優れた人物はいた。木戸孝允や大 -
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渡米した内村鑑三は、
自身が崇拝してきたキリスト教を根幹としたキリスト教国で絶望する。
これが、キリストの教えを実践する国なのか?と。
「山にとどまる者は、山を知らない」
外へ出ることで始めて自分自身が何者かをよく知ることができると内村鑑三は言う。
がっかりした内村鑑三は、
欧米の宗教であることを根拠にキリスト教を擁護することを止めることを決意。
まさに自身の頭で考え、自身の心で感じることこそが、根拠となりうるのであって、
欧米であるという外的証拠などでは、足元はグラグラだということを痛感したからである。
内村鑑三は、正しい道徳と正しい行為のためには、身体が正しい状態でなければならな -
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強制的に改宗させられたものの、一神教の素晴らしさに心打たれた鑑三。
彼の宗教的ストイックさと、アメリカに渡って無数の宗派のどこにコミットしていいかわからずノイローゼになりながら、自らの信仰を見出していく日記に非常に共感。
どちらかというと橋爪先生の解説の辛辣さに笑ってしまったが、
明治期の新しい真理に触れた鑑三がいかに、西洋の真理と日本の真理を接木しようと格闘しようとしていたかがわかる。
ただ、神道や仏教の真の価値をー江戸、明治を経て形骸化していたとはいえー見いだそうとしない鑑三の態度にはぼくは批判的である。
まだ、日本のキリスト教は始まってすらいないのが現状であると思う。 -
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100ページ程の本で、すぐに読めてしまう本ですが、書いてあることはとても深いです。
澤地久枝さんか、大江健三郎さんかどちらかが、この本のことに触れていたので、読んでみました。
「私は何かこの地球にMementoを置いて逝きたい、私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい、私が同朋を愛した記念碑を置いて逝きたい。」
と内村鑑三は言います。では、それは何か。
お金か、事業か、思想か・・・。
誰にでも達し得る最大遺物は
勇ましい高尚なる生涯。
では、その「勇ましい高尚なる生涯」とはどのようなものか。
この世の中はこれはけっして悪魔が支配する世の中にあらずして、神が支配する世の中であるということ -
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内村鑑三にのよる日本の偉人を海外に発信するために英文で書いたもの。それの日本語訳。新渡戸稲造の武士道とかも同じように英文が原文ということを全然知らなかった。
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人を紹介。
西郷隆盛は明治維新の立役者でありながら、最後の悲劇的な終わり方、人柄などスター性があるような感じがした。能力だけなら大久保、木戸などが上なのかもしれないが、スターは西郷なのかな
ある一文に「千代に八千代に」いきたい・・・という箇所があり、国歌の一部だと思って調べると、古今和歌集からとっていることを知った。無名の歌人が1000年前に歌ったことが、今の国家に使われている面白さを -
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内村鑑三の講演を文章にしたものだそうで、わかりやすく、内容がスッと入ってきました。私がこの本を読むのは2度目です。
2回に分割して読んだので、感想を書くのは『デンマルク国の話』だけにします。
ここからネタバレになりますが、『デンマルク国の話』はダルガスというユグノーの男が、第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争に敗れたデンマークを立て直すために奮闘する話でした。
ダルガスは剣で失ったものを剣で取り返そうとはせず、不毛な国土を田園にして補うという考え方の持ち主でした。具体的に彼がどうやってデンマークを発展させたかは実際に本を読んでもらうとして、ダルガスの思想、彼を取り上げた内村鑑三の -
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明治時代に活躍した聖書学者であり思想家の内村鑑三氏による講義録2編。
「後世への最大遺物」では有用な遺物として金、事業、思想を順に挙げている。しかし誰でも後世に継げる最大の遺物として「勇ましい高尚なる生涯」を挙げる。ユーモラスな語り口とともに、日本人の精神をキリスト教的思想を以って説く様が印象的。
その流れは「デンマルク国の話」にも繋がり、デンマークのダルガスの事業を例にとって信仰と不屈の精神の大切さを説く。
内村氏34歳の講演というから視座の高さと鍛錬された胆力に驚かされる。一方、急に「源氏物語」に激高しディスりだす場面は狂気じみていて氏の人間らしさがあって個人的に好みのパート。 -
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遅ればせながら、「“名著“と呼ばれている本に取り組もう」と、意識して読むようにしています。
しかしいざ読んでみると、自分の知識レベルが低くて理解できなかったり、文章を読むことそのものに苦労したりと、消化するのに苦労しています。
それでも、「少しでも得られるものがあれば良い」と考え、チャレンジするようにしています。
この本も以前から気になっていたので、岩波文庫版を読むことにしました。
本書は1895年に、英語で書かれた文章が土台になっているようです。
原著の著者、内村鑑三が“代表的日本人”として5名を取り上げて、それぞれがどのような人柄だったのか、どのような事を成し遂げたのかを書いていま -
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最近、ようやく外の世界に対して何か作用を起こしたいと考えるようになってきた。今まではそんな余裕はなかった。自分個人の欲求を満たすことが精一杯だった。けれど次はその延長線上で何かを成したいと考えるようになってきている。より強めで具体的な思いと共に。
そんな時にちょうどある人がこの本をおすすめしてくれたため、これだ!と思って10秒後にはポチっていた。
後世への最大遺物は金、事業、思想(文学)、勇ましい高尚なる生涯の4つ。どれも崇高なものだが、今は欲張って全て遺せるような生を歩んでいきたいと思っている。全てを達成するには時間が必要。だからあと50年くらい生きたい。