内村鑑三のレビュー一覧

  • 代表的日本人

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    明治時代、日本のキリスト教思想家である内村鑑三が「Representative Men of Japan」として英文で著した本書は、5人の気高い日本人の姿を通して、西欧社会に日本の文化や思想を啓蒙しようとした書物でもあります。
    藤原正彦先生の「名著講義」でも取り上げられていた本書は、日本語訳が素晴らしいこともあり、格調高さと高潔さに溢れています。

    西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮が代表的日本人として紹介されており、この5人からは「徳」「志」「信念」といった共通のキーワードが想起されます。
    二宮尊徳にピューリタンを、日蓮にルターを重ね合わせたのも、キリスト教徒の内村ならではのユニー

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    2025年09月17日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    内村鑑三はキリスト教の人というイメージがあったが、(歴史で2つのJと習ったため)、そんなに宗教の匂いはしない。

    講演が上手かったということがテキストからも何となく分かる。

    自分の人生を最大限に使って生きること、それ自体が後世に遺すことができる最大の遺物なのである。という考えにはかなり胸が熱くなる。

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    2025年08月05日
  • 代表的日本人

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    上毛かるたの「こ」
    「心の灯台内村鑑三」
    群馬県出身でありながらその著書を読んだのは初めてだった。海外に向けて優れた日本人を紹介した本書。

    日本人として誇らしい五名を紹介している。
    二宮尊徳が特にお気に入り。誠実であること、その素晴らしさを身をもって証明した人物であると感じた。

    「尊徳からみて、最良の働き者は、もっとも多くの仕事をする者でなく、もっとも高い動機で働く者でした。」p89
    常に志を高く持ってことをなすことは難しい。今、していることは何の意味があるのか考える。そういうとき、強い意志があるものには到底敵わない。己の軸は曲げたくないと心から強く思った。

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    2025年07月31日
  • 代表的日本人

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    感想


    謙虚な心を持ち、信念を貫く。


    そんな姿勢が、本書に描かれている5人の人物からは感じられる。


    5人はそれぞれ環境は違うものの、みな広い視野を持って、「この国を良くしよう」と人生を賭けて動いている。


    また、そのために自身の身なりや家は質素にして、人に施すことを忘れない。


    自分の周りにいる家族や親せき、その他の人を大切にする。


    言葉にすると簡単だが、実践し続けることは難しい。


    西郷隆盛は身の回りのことは自身で行い、人をとがめず、自力で状況を切り開いた。


    上杉鷹山は藩の財政を立て直すため、自身の実入りを極度に減らし、先を見通して産業を育て、見事に藩を復興した。

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    2025年06月18日
  • 余はいかにしてキリスト信徒となりしか

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    自分や他人や国に対して責任感を感じる不器用な人が、キリスト教を頼りに一生懸命に生きたのだろうなと想像しました。

    アメリカやキリスト教を美化し、実際にアメリカに渡り挫折し、それでも養護院や大学での授業を素晴らしい人と出会い回心し、神学校では神と真剣に向き合わない職業的な教えに失望し、とその時の心情が目まぐるしく変わりますが、それでも決して信仰を諦めない姿はある意味壮絶なものを感じました。

    「真の寛容とは自分自身の信仰に揺るぎない確信を持ちつつも、他のあらゆる誠実な信仰に対して許容して認める事。ある真理を知っていると確信しつつも、全ての真理は知る事は出来ないと理解する事。」とあるように、神にす

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    2025年05月24日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    自分はつねづね、生きている人・死んでいる人を掛けて
    人間には4パターンあると考えています。

    生きていて、生きている人
    生きていて、死んでいる人
    死んでいて、生きている人
    死んでいて、死んでいる人

    ここで具体的に持論の内容を展開するのは意味のないことなので
    必要のない箇所の説明までは省きますが、
    この作品を指す意味では3番目の『死んでいて、生きている人』
    に対する掘り下げがなされているとイメージできました。

    いわゆる、自分の肉体がなくなっても意志が人々に受け継がれ、
    後を生きる人たちの心の中に『存在』が生き続ける、
    イエス・キリストは言わずもがな、一部の歴史的な偉人は
    それを信じるものの心

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    2025年05月17日
  • 代表的日本人

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    まさに日本人の精神のルーツを学べる教養書。ふせんを何十枚も貼り、何度も読み返した。
    私は上杉鷹山の改革が特に気に入っている。身分を問わず礼節を重んじ、自ら節制を示し、教育に注力し、僅かな領土や資源をも最大限活用する。読み終えると、同じ日本人に生まれて何だか誇らしい気分にさえなる。

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    2024年12月10日
  • ヨブ記講演

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    「自己の体験として」ヨブ記を読んだ内村鑑三の、胸が熱くなる講演録です。この本によって、難解なヨブ記をようやく読み通すことが出来ました。
    本書では、ヨブの苦難は「贖い主」すなわち「キリストを知らんため」であったとします。そこに至るまでには友との長い論戦と、一進一退するヨブの苦悩があります(本当に遅々とした歩みでありうっすらとした光明が浮かんでは消えを繰り返します。本書ではポイントとなる章節を指摘して注目させます)。そして19章25節の「我れ知る我を贖う者は活く」をクライマックスとします。
    さらに、これに続く神との対話において、ヨブは天地万有を神の所作物として見るようになり、それゆえ「大なる謙遜に

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    2024年09月15日
  • 代表的日本人

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    日本の偉人を海外に紹介した名著。中江藤樹や日蓮などは知らないエピソードも多く、あらためてその精神性や考え方に感銘し、同じ日本人として誇らしく感じた。

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    2024年06月08日
  • 代表的日本人

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    日本の歴史的名著の一つ。日本を代表する5人の偉人について、若干の著者の解釈や西洋との比較を交えながら描かれている。強い志や人間としての徳を持った人が歴史上で成し遂げてきたことを知ることができ、また、どんな考え方をしてどのように実行してきたかを知ることができ、勉強にもなる。その中には、事をなす前にまずは徳を持つことの大切さ、人に尽くす、世の中のために尽くすという信念を持って成し遂げてきた経緯を読むことができることから、弱い自分の心の戒めとして何度も読み返す価値のある本だと思った。

    二宮尊徳の、最初に道徳があり、事業はその後にあるのである、後者を前者に先立ててはならない、という言葉は印象的であっ

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    2024年12月30日
  • 人生、何を成したかよりどう生きるか

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    富や名声にとらわれる必要はない。ひたすらに自分と向き合い、生きることで、「生き方」が遺産となる。「なぜ生きるのか」より「どう生きるのか」に思いを巡らせよ。

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    2023年12月20日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    ネタバレ

    後世への最大遺物
     本居宣長は「やまとごころ」を知るために、まず『源氏物語』を読むことを勧めた[柄谷行人『憲法の無意識』]のと対照的に、文脈が異なるけれども「後世への害物」であると一蹴したのは印象的に感じた。その文脈とは平野啓一郎氏が、小説を文字通り「小さく説く」ものと考えたように[平野『小説の読み方』]、誰もが書きたいように《着飾ることなく》かいた文を文学として理解しているのだと感じた。
     根底には、すべての人にとって後世に残す「最大の」ものとは生涯そのものとする考え方がある。成果を《物》として残せる者も残せない者も、どんな生き方をしたかに勝る偉大なものはないという主張は説得的であると同時に

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    2023年10月14日
  • 代表的日本人

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    新渡戸稲造 「武士道」、岡倉天心 「茶の本」と並ぶ、内村鑑三の、「代表的日本人」
    その特徴は、欧米人に向けに、外国語でかかれたものを、和訳したものを改めて出版したものである。
    「代表的日本人」は、日清戦争中に、Japan and the Japanese の題で、公刊された書物の再販です。

    5名の特徴は、いずれも、貧乏な家庭に生まれ育ち、そこで、人から非難や抵抗をうけて、苦労して大成をなし、人をまとめ上げて和となし、死んでは聖人として称えられる。名や財を求めず、清貧にあるものを、内村鑑三は、代表的日本人と呼んだ。

    それぞれ、気になったのは、以下です。

    ■西郷隆盛
    ・動作ののろいおとなしい

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    2023年08月26日
  • 代表的日本人

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    ネタバレ

    今回3回目くらいかと思うが、本棚への登録がなかったので、また再読した。

    内村鑑三さんは、民衆の心をつかんで、民衆のために尽くした人をセレクトしているように思う。日本人には、こんな立派な人物がいるのだと、誇らしげに伝えようとしている。

    ここに選ばれた、西郷隆盛、上杉鷹山、中江藤樹、二宮尊徳、日蓮の5人は、内村鑑三さんの心底惚れぬいた人物、心底尊敬している人物であることが、文面から強く伝わってくる。

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    2023年07月25日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    ネタバレ

    「私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望が起ってくる。」「われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより世の中を少しなりとも善くして往こうではないか」
    ここの部分はすごく共感。こういう人生を送りたい。

    「では何を遺すか、遺しやすいことは、お金<事業<思想(文学・教育)<勇ましい高尚なる生涯」

    ここから受け取ったのは、お金・事業・思想も大事だけど自分では100%コントロールできないが、「勇ましさ」は、自分でコントロールできることなのでここにフォーカスすることが大事という

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    2023年07月17日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    ありがちな人生論と思って読み始めたが、骨太な仕事論、そして現代の起業論にも直結する恐ろしく本質的な名講演だった。
    日清戦争の海戦直前という不安定な時代に、生きることの意味を、内村鑑三は「金→事業→思想」そしてさらなる最大遺物の観点から、ユーモア交えながら語り明かす。

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    2023年03月22日
  • 代表的日本人

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    内村鑑三先生が奔流のように押し寄せる西欧文化の中で、どのような日本人として生きるべきかを模索した書です。

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    2023年03月14日
  • 後世への最大遺物

    購入済み

    わかりやすい

    人生の何に価値を置くか。キリスト教的な考え方を理解できずにいたが、この著書を読んで初めて、すんなりと頭に入ってきた。

    #感動する

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    2022年05月10日
  • 代表的日本人

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    内村鑑三が英語で日本の文化・思想を西洋社会に紹介した名著
    西郷隆盛、上杉鷹山,二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人が記されている。

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    2022年02月12日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    キルケゴールの国デンマークに、内村が自然な関心を寄せたことが想像できる。資源のない小国の偉大な物語に日本の姿を重ね合わせ大いに勇気づけられただろう。敗戦国は滅びない、必ずしも惨めではない、からしだねほどの信仰が有れば山をも動かすという内村のうちにあった神の啓示は、奇しくもその後の日本が辿る道をを予見していたかのようだ。

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    2021年12月30日