内村鑑三のレビュー一覧

  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    明治時代に活躍した聖書学者であり思想家の内村鑑三氏による講義録2編。
    「後世への最大遺物」では有用な遺物として金、事業、思想を順に挙げている。しかし誰でも後世に継げる最大の遺物として「勇ましい高尚なる生涯」を挙げる。ユーモラスな語り口とともに、日本人の精神をキリスト教的思想を以って説く様が印象的。
    その流れは「デンマルク国の話」にも繋がり、デンマークのダルガスの事業を例にとって信仰と不屈の精神の大切さを説く。
    内村氏34歳の講演というから視座の高さと鍛錬された胆力に驚かされる。一方、急に「源氏物語」に激高しディスりだす場面は狂気じみていて氏の人間らしさがあって個人的に好みのパート。

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    2025年09月17日
  • 代表的日本人

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    代表的日本人
    内村鑑三 1908
    鈴木範久 訳 1995

    元は1894年の日本を世界に紹介する本、ということでナショナリスティックな内容。明治当時の日本の懸命さが伝わる。

    全文はブログで
    www.akapannotes.com

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    2025年08月06日
  • 代表的日本人

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    遅ればせながら、「“名著“と呼ばれている本に取り組もう」と、意識して読むようにしています。
    しかしいざ読んでみると、自分の知識レベルが低くて理解できなかったり、文章を読むことそのものに苦労したりと、消化するのに苦労しています。

    それでも、「少しでも得られるものがあれば良い」と考え、チャレンジするようにしています。
    この本も以前から気になっていたので、岩波文庫版を読むことにしました。

    本書は1895年に、英語で書かれた文章が土台になっているようです。
    原著の著者、内村鑑三が“代表的日本人”として5名を取り上げて、それぞれがどのような人柄だったのか、どのような事を成し遂げたのかを書いています。

    最初に取り上げられているのは、西郷隆盛。
    亡くなってからまだ20年も経たない時点で書かれていることもあり、本人に接した人々による詳細なエピソードが複数、紹介されています。
    後年の、偶像化された西郷評を読むことが多かったので、本書で(実在の人物として)魅力的な人柄だったということを、知ることが出来ました。
    西郷の考えとして紹介されている、「文明とは正義がひろく行われることである」という言葉には、そうあるべきだ/そうであって欲しいと、深く共感しました。

    二人目は、上杉鷹山。
    三人目は、二宮尊徳。

    いずれも、財政的に苦しい状況にあった組織を、再建した人物。
    良い仕組みを導入したという面もありますが、推進者自らが徹底して道徳的に振る舞い、組織の規律を整えたという点が強調されていることが、印象に残りました。

    四人目は、江戸時代初期の教育者、中江藤樹。
    正直、この方のことは初めて知りました。
    江戸時代に行われていた教育がどのようなものであったか、知ることが出来ました。

    五人目は、日蓮上人。
    何を成し遂げたかということ以上に、困難に屈せず自分が信じることを続けたことを、著者が評価している点が印象に残りました。

    読み終えて、本書の著者は「日本ではどのような人が、周囲から尊敬を受けるのか」、「その人のどのような資質や振る舞いが、良いとされているのか」といったことを、欧米人に向けて発信したかったのかなと、想像しました。

    自らを律し、謙虚に振る舞うこと。
    我欲にとらわれず、正しいかどうか(天/神の意思にそっているか)で、自らの行動を選別すること。

    書かれてから100年以上が経ち、日本人の道徳観も、変化している部分があるかもしれません。
    しかし、この本が書かれた時代に好かれていた人、尊敬されていた人は、現在の日本でも同じような評価を受けるだろうなと思いました。

    人生を歩む上で、すべきこと/してはならないことをどう、定義するか。
    「道徳」という言葉の持つ意味について、考えさせてもらえた一冊でした。
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    2025年05月05日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    美しき地球に生まれたからには記念として
    金銭、事業、思想、文学、教育を残すべし。
    個人に少なくとも共通してできることとしては、勇ましい高尚なる生涯

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    2025年03月15日
  • ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか

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    タイトルの通り内村鑑三がいかにして(なぜではなく)キリスト教徒になったかを、自身の日記を追いながら補足的に当時の思考を追記していくというスタイルの文章です。

    情熱的で実直で、少し稚拙な感じすらする内村青年の思考の遍歴の話し。

    岩波文庫版よりも圧倒的に読みやすく、青春文学を読んでいるかのよう。一人称がぼくなのがイイ。

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    2025年01月07日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    後世に何を残していけるのか?を熱く語ったものと、デンマークの国民性を伝える2編の講演が読めます。より人間としての高みを目指すことが、結果的に後世に名を残すことにつながるのだなぁというのが、私なりの解釈です。

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    2024年11月09日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    最近、ようやく外の世界に対して何か作用を起こしたいと考えるようになってきた。今まではそんな余裕はなかった。自分個人の欲求を満たすことが精一杯だった。けれど次はその延長線上で何かを成したいと考えるようになってきている。より強めで具体的な思いと共に。

    そんな時にちょうどある人がこの本をおすすめしてくれたため、これだ!と思って10秒後にはポチっていた。

    後世への最大遺物は金、事業、思想(文学)、勇ましい高尚なる生涯の4つ。どれも崇高なものだが、今は欲張って全て遺せるような生を歩んでいきたいと思っている。全てを達成するには時間が必要。だからあと50年くらい生きたい。

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    2024年10月08日
  • 代表的日本人

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    内村鑑三がなぜ日本人を書いたのか。そこが面白く、そして謎に満ちた日蓮を1番最後に持ってくるのも面白い。

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    2024年06月09日
  • 人生、何を成したかよりどう生きるか

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    内村鑑三が1894年夏休みに箱根に若者を集め、講演した内容の書き起こし、「後世への最大遺物」。
    それを現代でもわかりやすい言葉遣いにし、登場人物等にふんだんに注釈を加えた前半。
    そして後半は元外務省主任分析官の佐藤優さんの解説。

    時は明治27年。日清戦争開戦の時代。
    黒人や女性軽視など、違和感のある部分もあるが
    致し方ないのかもしれない。
    内村鑑三の人間的な部分が垣間見える。
    欧米の事業家、思想家の名前もたくさんでてきて
    それに関する注釈を丹念に読むだけでも
    当時の世界の勢いとか情勢が浮き上がるきがする。

    生き方として
    まずお金を儲けなさい
    そして事業をしなさい(=働きなさい)
    それができなければ、教育に携わるか、本を書くかして、思想を残しなさい。
    それができないのなら、よりよく生きなさい

    善い行いをするよう心掛けた、弱者を助けた、
    こうした正義を毎日積み重ねましょうと。

    後半の佐藤氏の解説も秀逸。
    コロナ禍という特殊な状況で書かれたので
    ちょっと違和感を感じることもあるかもしれないが
    とても良い。

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    2024年03月03日
  • 代表的日本人

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    内村鑑三先生が5人の代表的日本人を題材に日本人の道徳観を説いた本。外国人向けに日本の思想を紹介した内容であり、偏ったバイアスがないのが良く、日本人が客観的に日本を学ぶのに優れた本である。

    以下、中江藤樹より備忘しておきたい一文。
    ・“学者”とは、徳によって与えられる名であって、学識によるものではない。学識は学才であって、生まれつきその才能をもつ人が、学者になることは困難ではない。しかし、いかに学識に秀でていても、徳を欠くなら学者ではない。学識があるだけではただの人である。無学の人でも徳を具えた人は、ただの人ではない。学識はないが学者である。

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    2023年10月31日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    孫泰蔵さんの冒険の書に、後世への最大遺物が紹介されており、その流れで、改めて手に取る。64歳の内村鑑三が31年前の講演(1897年@箱根芦ノ湖畔)を振り返る改版に附する序、から引き込まれました。講演を本に起こしたものですが、なんとも素晴らしい本であります。北海道農学校出身の内村鑑三が語る北海道開発案(デンマルク国の話)も捨てがたい内容です(今からでも、この案を生かす形で北海道を開発できないものでしょうか)、どちらも★四つであります。

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    2023年06月27日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    ネタバレ

    ■ひとことで言うと?
    信念を貫いて生きる姿勢こそ、後世への最大遺物である

    ■キーポイント
    - 後世に遺せるもの
    - お金・公的事業・思想(著述と教育):遺すためにはある程度の才能が必要
    - 勇ましく高尚なる生涯=生き様:どんなに不遇な状況でも遺せる最大遺物
    - 「勇ましく高尚なる生涯」の選択 → V.E.フランクルの「態度価値」に通ずる考え方

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    2023年06月08日
  • 代表的日本人

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    5人のうち、気になる所から読んでみてもいいかもしれません。
    私が1番印象に残ったのは、二宮尊徳。正直二宮金次郎像のイメージしかなかった私ですが、この本で彼の精神や生き方を学び、像への見方が変わりました。笑

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    2023年05月02日
  • 代表的日本人

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    ネタバレ

    新渡戸稲造の「武士道」、岡倉天心の「茶の本」と並ぶ内村鑑三が書いた、日本の文化や人物を西欧に紹介する著書。内村鑑三が書いた

    西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人について描かれている。

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    2023年03月19日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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     読書について、かつて私は興味のままに、片端から何でも読んでいましたが、ある時ふと何故かこんな風に考えました。

     いい年をして、いつまでも「乱読」ではないな。

     以降、もっぱら一番好きだった、近代日本文学を中心に読んできました。
     だからこの手の本は、最近あまり読んだことがないのですが、知り合いの女性にとってもいい本だと勧められて、読んでみました。

     なるほど、とってもいい本であります。
     まず、筆者内村鑑三についてですが、氏に対する私の知識はほとんど皆無であります。
    何となく知っていたのは、氏がキリスト教徒であることと、確か、何かの「不敬罪」と関係していたんじゃなかったか(本書を読んでいて少しずつ思い出してきたのですが、日露戦争時に反戦論を展開した方だったなとか)、という程度で誠にお恥ずかしい。

     ただ、近代日本文学をまとめて読んでいて私は経験したのですが、それなりに歴史に名前の残っている人の作品というものは、好き嫌いは別として、やはりかなり優れたものであるということであります。だから、内村氏のこの本についても、一種「安心」し「期待」しながら読んでいましたが、それに違わぬいい話でした。

     これは講演を文章にしたものであります。
     二つの講演ですが、話としては、二つ目の「デンマルク国」(いわずと知れた「デンマーク国」のことですね)の方が具体的で面白いです。戦争に敗れ、国力が落ちてしまったデンマルク国が、いかにして国家を立て直すに至ったかを書いた話ですが、今読んでもとっても納得してしまいます。(少しだけ内容を書きますと、国を富ませるために最も大切なものは植林だという話です。)

     でも今回は、一つ目の講演について、簡単に紹介してみますね。
     これもとても面白い話です。

     ある時、まだ青年だった筆者は、こうして世の中に、日本に生まれた以上、何とかして我が名を歴史に残したいものだと考えます。そして、親しい牧師さんに相談に行くのですが……。

     というところで、えー、すみません、次回に続きます。





     《第二回》





     前回の続きであります。
     内村鑑三の講演の文章であります。とっても面白いです。

     筆者内村鑑三がまだ無名であった若き日、ある日青年内村はこんな風に考えます。
     自分も一人の男子としてこの世に生まれた以上、何とかしてその名を後世に残したいものだ、と。
     そして、既にキリスト教徒であった内村青年は、親しくしていた牧師さんに相談に行きます。

     ところがこのことを打ち明けると、牧師さんからあっさり否定されてしまうんですねー。
     「クリスチャンは功名をなすべからず」とか何とかいわれて。

     うーん、と唸りつつ、内村青年は、しかし負けずに考えます。
     これは私の言い方が悪かったのだ、名を残したいと言ったのが良くなかった、私のしたいことは名を残すことではなく、少しでも世の中を良くしたいことだった、そしてその結果として名前が歴史に残ることを考えたのだった、と。

     なるほど、これならどこからも文句は出ませんよね。
     そこで内村青年は、自らの志についてさらに考えていきます。
     具体的にどうすればいいのか。
     後世へ我々の残すものの中にまず第一番に大切なものは何か、と考えます。

     ……えーと、すみません。この調子で書いていきますと、とても簡単には終わりそうもないので、以下、かなりまとめつつ端折りつつ、「マキ」で進んでいきますね。

     内村青年が考えた「後世への最大遺物」はこの順番で4つでした。

     (1)お金
     (2)土木的事業
     (3)思想(哲学・文学)
     (4)教育

     ……うーん、これはなかなか面白いランキングですよね。
     というところで、すみません、また次回に続きます。





     《第三回》





     上記の本の読書報告の第三回であります。とても面白い本であります。
     前回まで報告したのはこういう事でした。

     筆者の若かりし頃の青年内村君が考えた、「後世へ我々の残すもの」はこの順番で4つであります。

     (1)お金
     (2)土木的事業
     (3)思想(哲学・文学)
     (4)教育

     これはなかなか面白いランキングですよね。
     一番目のお金は、もちろんその富を社会に有効に用いるのですね。
     二つ目の土木的事業というのは、例えば大阪にある「道頓堀」みたいなものですね。ある人が頑張って土木的事業をしたことが後世の人々にどれほど有益となったか、というパターンであります。

     三つ目の思想もよく分かります。社会が劇的に変化したその背景に、優れた思想家がいたことは歴史上後を絶ちません。
     四つ目の教育というのもそのセットみたいなもので、自らが優れた思想をうち立てられないのなら、過去のそれを広く人々に知らしめる仕事としての教育であります。

     こうしてみると一つ一つについて、とても説得力がありますね。
     で、内村青年はどれを選ぶかというと(実は、1番目から考えていって、これはダメだからその次、と進めていったのですが)、自分はみんなダメだと思っちゃうんですねー。
     謙遜青年内村君であります。

     そうして内村君はとても失望してしまいます。
     自分は後世に何も残すことはできないのだと、悲嘆の念を発するのであります。

     しかしここから、内村君はなんと、コペルニクス的転回のような考えを編み出すんですねー。
     それは何かといいますと、……、あ、すみません、次回に続きます。





     《第四回》





     読書報告の四回目になってしまいました。いくらとても面白い本でありましても、そろそろ終わりにしなければ、顰蹙ものであります。
     がんばって終わらせます。

     さて、若き日の内村鑑三氏が、悲嘆を繰り返した後手に入れた考え方はこういうものでありました。整理して書いてみますね。

     まず内村青年はこう考えます。
     今まで挙げた「後世への最大遺物」は、実は「最大遺物」ではなかった。
     その理由は、まず、これは誰もが残すことの出来るものではないこと、次に、確かに有益なものではあるが、害も同時に伴っていること、の二点である。

     そして、このように続けます。原文を引用してみます。

      ---------------

     それならば最大遺物とは何であるか。私が考えてみますに人間が後世に遺すことのできる、ソウしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりがあって害のない遺物がある。それは何であるかならば「勇ましい高尚なる生涯」であると思います。これが本当の遺物ではないかと思う。他の遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないと思います。しかして高尚なる勇ましい生涯とは何であるかというと、私がここで申すまでもなく、諸君もわれわれも前から承知している生涯であります。すなわちこの世の中はこれはけっして悪魔が支配する世の中にあらずして、神が支配する世の中であるということを信ずることである。失望の世の中にあらずして、希望の世の中であることを信ずることである。この世の中は悲嘆の世の中でなくして、歓喜の世の中であるという考えをわれわれの生涯に実行して、その生涯を世の中への贈物としてこの世を去るということであります。その遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないかと思う。

      ---------------

     ……うーん、この辺の展開が、感動的といえば感動的であります。
     が、しかし、なんかいきなり闇夜で鼻を摘まれたようだとも感じちゃいますねぇ。

     ともあれ、この考えの基、内村青年は「勇ましい高尚な生涯」を送り、なるほど、後世に立派な名を残したのでありました。

     ……あのー、すみませんが、もしもお暇なら、この話題の第一回目に戻ってみてくださいませんかね。
     そうすると分かりますが、なんだか、「ねずみの嫁入り」、メーテルリンクの「青い鳥」みたいな話でありますね。

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    2023年01月17日
  • 代表的日本人 徳のある生きかた

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     内村鑑三によって、日本人を代表する5人(西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮)を紹介している。
     時代背景として、西洋人に向けて「聖書の教えに通ずる日本人がいたこと」を広めることを目的としているため、偉業を成し遂げた人というよりも、徳や正義に基づいて生涯行動し続けた人にスポットライトを当てている。だからこそ、現代人もその生き方に見習うべきポイントがあるように感じた。

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    2022年11月11日
  • 人生、何を成したかよりどう生きるか

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    ネタバレ

    内村氏の代表的日本人を読みたがったが、なぜか手に取ったのがこの本。
    最近全集でこれを同じ講演を読んだが難しく。この本を手に取れてよかった。
    佐藤氏の解説もよかった。講演当時と今の日本社会は似ていると書かれていて信憑性が増した。
    またこの解説では、いま何をしたらいいのかも書かれており、親切だなと感じた。

    内村氏の講演について。
    正直、お金の話をしてるのにびっくりした。表題より精神論をキリスト教に関連して講演されているものと考えていたので、お金が大切だと言われ、( ゚Д゚)。キリスト教的な思想はあまり感じられなかったが、聴講者がキリスト教関係者だったからかもしれない。

    まずはお金儲け、事業を起こす、出来なければ教育に携わるか本を書くかして思想を残す。できない人はまっとうな生き方をする。と内村氏は勧めている。自分はどれだろうか?

    内村氏について、キリスト教関係者、明治時代当たりの思想家、学校設立に関係している、英語ができて海外に日本人の特性を広めた人、ぐらいの知識しかなかったので。あと何冊か読まないとなと感じた。

    佐藤氏の解説について。
    現代の格差、医療・地域・学歴・情報・世代間・雇用・教育格差を上げられ、教育格差でリアルで学ぶことの重要性を説かれていた。コロナによるリモート学習の弊害から、誰と、誰から、どうやって学ぶか、ニュアンスや学閥での政治学などリアルに学ぶことの重要性が明らかになってきたと。キリスト教プロテスタントの生い立ちが書かれていて、とても勉強になった。お金は卑しくない。3年分の生活費をもつべき、夫婦の場合は別財布にするなど、具体的なことが書かれていて、少し笑った。学生中(時間がある間に)数学検定2級、漢字検定準1級もしくはIELTS。日商簿記2級を取ることも薦めていた。

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    2022年10月23日
  • ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか

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    ネタバレ

    題名だけ知ってて読んでみたかった本。訳のおかげもあって思ったより平易で読みやすく、面白かった。
    強制的な改宗から始まったものではあったが、その清廉な信仰のよろこびと苦悩、熱意には胸を打たれた。武家の息子として八百万の神と儒教思想の中で育ってきた人間が、自分の根本・世界の原理としてキリスト教を受け入れるために格闘する。ごりごりの儒教思想の御父上も改宗させたというのは本当にすごい。しかし日本では信仰の渇きを満たすことができず、アメリカにわたって様々な宗派と出会い、キリスト教国に対する幻滅も味わい、神学に疲れ、それでも自分なりの真理と呼べるものはつかみ取って帰国した。

    終盤にある、真理の話がとてもよかった。キリスト教は真理だ、と言い切りながら、真理を定義することはできない、とも繰り返す。
    「生命についての真の知識はそれを生きることによってしか得られない。メスと顕微鏡でわかるのはメカニズムだけだ。──真理もそうだ。ぼくらは真理を守ることによってのみ、真理を理解できるようになるのだ。理屈をこねたり、些細なことにこだわったり、こじつけをしたりしていては、真理から遠ざかるばかりだ。真理はそこにある。まぎれもなく、堂々と。そしてぼくらは自らそこまで行くしかない」
    自分で生き抜くことによってしか得られない、とはいかにも東洋的な哲学に感じるが、真理を得るためには自ら近づくしかない、というのはとてもキリスト教的だなと思う。儒教はいまだ自分の中で生きているというようなことを内村は言っていて、日本のこうした思想的土壌の上でキリスト教が豊かに育つことができるはずだという確信もあった。それを見事に示したのがこの真理についての話ではないかと思う。
    しかし解説の人が、定義と教義についてきっちり議論することなしに正統派キリスト教徒を気取るなぞおかしい、内村はキリスト教徒になり損ねたのではと書いていてこの本の何を読んだのかとびっくりしたが、あの悪名高い「ふしぎなキリスト教」の人だと気づいてなるほどねと思った。解説だけ取り替えてほしいなあ。

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    2022年03月22日
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話

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    内村鑑三 戦争の影響のなか、著者の事業観、国家復興論を中心とした名言満載の講演録

    「後世の最大遺物」は、社会をよくするために お金をどう使い、未来のために何の種を植えるのか、自分で考え、人々の反対に打ち勝って、それらを実行せよ というメッセージ

    「デンマルク国の話」は、戦争に負けても、善き精神を持った国民と未来のための事業があれば、国は亡びないというメッセージ


    お金と事業について
    *金は後世への最大遺物の一つであるが、遺しようが悪いと害をなす
    *金を使う力を持った人が必要〜事業とは金を使うこと
    *金を溜める人(金持ち)と事業家(金を事業に変ずる人)は別物

    思想と事業について
    *事業は 思想が世の中で実行されたもの
    *世の中で実行できないなら、思想を遺こすことにより、将来の事業をなすことができる

    文学は 国を改良するための戦争の手段と捉える点は かなり過激

    後世に遺す最大遺物とは
    *誰にでも遺すことのできる遺物
    *利益ばかりあって害のない遺物
    *勇ましい高尚なる生涯〜種々の不幸に打ち勝って大事業をなすこと


    デンマルク国の話 の結論
    *戦いは敗れ、国は削られ、国民は意気鎖沈し何事も手がつかないときに国民の真の価値は判明する〜戦いに敗れて精神に敗れない民が真に偉大なる民である
    *国を興さんと欲すれば、樹を植えよ、植林は建国である
    *善き宗教、善き道徳、善き精神さえあれば、国は戦争に負けても 衰えない








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    2022年03月21日
  • 人生、何を成したかよりどう生きるか

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    10代、20代の頃内村鑑三の一日一生と言う本に心身ともに支えられた。この本は前半部分を内村の伝説的講演を現代的に分かりやすく書き直したパートで成っている。とても読みやすく馴染みやすい文体で、言葉の一つ一つが心に染み、若い頃よりも今読むと、さらに自分の生き方やキャリアにヒントを与えられたように思う。お金、事業、思想を自ら生きた遺産として世に残すことを若いクリスチャンたちに勧める内容となっていて、その「何故か」の部分が信仰から生まれた思想でより重要となる。人がこの世の命を終えて天国に帰るとき、この世でかき集めたものは何一つ持って行くことはできない。だからお金を儲けるのは好ましくないというのが旧教的な考えであるがカルヴァンは資産を生み出すことの必要性を唱えた。内村の信仰はその思想の遺産を受け継ぐものだが、つまりお金も事業も与えるという愛の行為であることを信仰に基づき確信し自らの思想として伝えている。
    思想を遺せという言葉の通り、内村の信仰遺産はこれほどの時間が経過した現代も私たちを励まし続ける。

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    2021年12月17日