ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
内村鑑三(一八六一―一九三〇)は、「代表的日本人」として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。日清戦争の始まった一八九四年に書かれた本書は岡倉天心『茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と共に、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作である。読みやすい新訳。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
まさに日本人の精神のルーツを学べる教養書。ふせんを何十枚も貼り、何度も読み返した。 私は上杉鷹山の改革が特に気に入っている。身分を問わず礼節を重んじ、自ら節制を示し、教育に注力し、僅かな領土や資源をも最大限活用する。読み終えると、同じ日本人に生まれて何だか誇らしい気分にさえなる。
日本の偉人を海外に紹介した名著。中江藤樹や日蓮などは知らないエピソードも多く、あらためてその精神性や考え方に感銘し、同じ日本人として誇らしく感じた。
日本の歴史的名著の一つ。日本を代表する5人の偉人について、若干の著者の解釈や西洋との比較を交えながら描かれている。強い志や人間としての徳を持った人が歴史上で成し遂げてきたことを知ることができ、また、どんな考え方をしてどのように実行してきたかを知ることができ、勉強にもなる。その中には、事をなす前にまず...続きを読むは徳を持つことの大切さ、人に尽くす、世の中のために尽くすという信念を持って成し遂げてきた経緯を読むことができることから、弱い自分の心の戒めとして何度も読み返す価値のある本だと思った。 二宮尊徳の、最初に道徳があり、事業はその後にあるのである、後者を前者に先立ててはならない、という言葉は印象的であった。また、上杉鷹山の変革は、人の心や行動を改めて藩を立て直していったこと、医療や教育などさまざまな取り組みを行っていたこと、それを19歳に藩主となって若くして成し遂げていったことに強く尊敬を持つ。
新渡戸稲造 「武士道」、岡倉天心 「茶の本」と並ぶ、内村鑑三の、「代表的日本人」 その特徴は、欧米人に向けに、外国語でかかれたものを、和訳したものを改めて出版したものである。 「代表的日本人」は、日清戦争中に、Japan and the Japanese の題で、公刊された書物の再販です。 5名の...続きを読む特徴は、いずれも、貧乏な家庭に生まれ育ち、そこで、人から非難や抵抗をうけて、苦労して大成をなし、人をまとめ上げて和となし、死んでは聖人として称えられる。名や財を求めず、清貧にあるものを、内村鑑三は、代表的日本人と呼んだ。 それぞれ、気になったのは、以下です。 ■西郷隆盛 ・動作ののろいおとなしい少年であった西郷を変えたのは、縁戚の武士が自らの前で腹を切り、「命というものは、君と国とに捧げなければならない」を語ったこと。それを彼は生涯わすれることはありませんでした。 ・西郷に影響を与えた人物、それは、藩主の斉彬と、水戸藩の藤田東湖先生の2人であった。 ・機会を作るのも、それを用いるのも、人である。 ・西郷とは不思議な人で、ヨーロッパ文化というものにまったくの無関心でした。彼の度量が広く、進歩的な人物の教育はすべて東洋によっていました。 ・物事は、一度動き始め、進路さえきまれば、あとは比較的簡単な仕事である。その最初の指導者が西郷隆盛であった。 ・西郷と勝、旧友がいう、我々が一戦を交えると、江戸の罪のない人々が苦しむこととなる。西郷の情が動き、江戸は救われた。 ・強い人は、弱い人が相手でないとき、もっとも強い。西郷の強さの奥には、女性的な優しさがありました。 ・彼が掲げた「敬天愛人」とは、「天はあらゆる人を同一に愛する。ゆえに、我々も自分を愛するように人を愛さなければならない。」ということです。 ■上杉鷹山 ・変革とは他人を待つのではなく、まず自らが始めなければなりません。 ・鷹山の倹約はけちではありません。施して浪費するなかれ、 ・東洋思想の一つの美点は、経済と道徳を分けない考え方にあります。富は常に徳の結果であり、両者は木と実との相互の関係と同じです。 ・鷹山の優れたことは、改革の全体を通じて、家臣を有徳の人へ育てようとしたことである。 ■二宮尊徳 ・仁術さえ施せば、この貧しい人々に平和で豊かな暮らしを取り戻すことができる ・信念:ただ魂のみ至誠であれば、よく天地をも動かす ・利己心はけだもののものだ。利己的な人間はけだものの仲間である。村人に感化を及ぼそうとするなら、自分自身と自分のもの一切を村に与えるしかない。 ・尊徳にとって、あくどい手段で獲得した財産は本当の財産ではありませんでした。 ■中江藤樹 ・天子から庶民にいたるまで、人の第一の目的とすべきは、生活を正すことにある ・藤樹の理想とは、謙譲に徹することでした。仏陀はそれにかなう人ではなかったのです。 ・藤樹は、弟子の徳と人格とを非常に重んじ、学問と知識を著しく軽んじました。 学者というのは、徳によって与えられる名であって、学識によるものではない。 学識は学才であって、生まれつきその才能を持つ人が、学者になることは困難ではない しかし、いかに、学識に秀でていても、徳を欠くなら学者ではない 学識があるだけではただの人である 無学の人でも徳を備えた人は、ただの人ではない 学識はないが学者である ・先生は利益をあげることだけが人生の目的ではない。それは、正直で、正しい道、人の道に従うことである。とおっしゃいます ・藤樹によって謙譲の徳とは、そこから他の一切の道徳が生じる基本的な道徳でした。これを欠けば一切を欠くにひとしくなります ■日蓮上人 ・すでに「末法」が世に到来していること、新しい世をもたらすためには、新しい信仰が必要であり、その機会が到来していることを深く確信しました。 ・預言者故郷にいれられず、といわれます ・私はとるにたらぬ、一介の僧侶であります。しかし、法華経の弘布者としては釈尊の特使であります。それゆえ梵天は我が右に、帝釈天は我が左に合って私を守り、日天は私の先導となり、月天は、私にしたがいます。我が国の神々はすべて頭をたれて私を敬います。 ・日蓮の大望は同時代の世界全体を視野に収めていました。仏教はそれまでインドから日本に東に進んできましたが、日蓮以後は、日本からインドへ西に向かって進むと日蓮はいっています。 ・闘争好きを除いた日蓮、これが私どもの理想とする宗教家であります。 目次 凡例 はじめに 1 西郷隆盛 新日本の創始者 2 上杉鷹山 封建領主 3 二宮尊徳 農民聖者 4 中江藤樹 村の先生 5 日蓮上人 仏僧 ISBN:9784003311936 出版社:岩波書店 判型:文庫 ページ数:256ページ 定価:780円(本体) 発売日:1995年07月17日第1刷 発売日:2021年05月27日第46刷
内村鑑三先生が奔流のように押し寄せる西欧文化の中で、どのような日本人として生きるべきかを模索した書です。
内村鑑三が英語で日本の文化・思想を西洋社会に紹介した名著 西郷隆盛、上杉鷹山,二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人が記されている。
「同僚たちが立ち止まろうとしたところを、西郷は出発点とみなしていた」 「その時できた膝のあざをそうっと眺めるのが常であった。これは尊師が私に残した警告である。これを見るたびに自分を省みて自己と民とに誠実であるかと問う戒めとしている。しかし、残念ながらあざは歳を取るごとに色薄れ、それに従い私の慎みも薄...続きを読むれている」 「鷹山の産業改革の全体を通じて特に優れている点は、産業改革の目的の中心に家臣を有徳な人間に育てることを置いたところです」 「尊徳は伯父の怒るのはもっともと考え、自分の油で明かりを燃やせるようになるまで勉強を諦めました」
心の底にあって忘れかけていたものが掘り返される感覚を覚えた。日本人の勤勉性や誠実さは、後の国内情勢の中で都合よく利用された点は否めないが、今も心の底に残る美徳だと気付かされる。若い方が読んだらどういう感想を持つのか興味深い。 「西洋」に対しての著者の、日本人の道徳心、利他的で謙譲な美意識を丁寧に説明...続きを読むしようとする、文字で闘う気概を感じる。
内村鑑三によって明治44年にもともと英語で書かれたもの。 西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人を、標的日本人として外国に紹介している。本書は、英米やフランスなどの知識人の間で読まれたということである。 5名は、道徳や公共心、揺ぎ無い信念などの精神をもって、私欲のためではなく国のために...続きを読む人生をささげた先人の話である。上杉鷹山や二宮尊徳、中江藤樹などについては本書で読まなければ恐らく知ることが無かったであろう。 鷹山、尊徳の話は、平和ボケした民衆が田畑を耕すことを忘れ、国や地域が衰退しているところに赴き、徳と仁の心を以って人を動かし、立て直していく話である。一般的には、江戸時代の農民は常に重い年貢を課され自らの食い扶持にも事を欠くほど貧窮し、そのため度々起こる飢饉の際には一揆を起こすなど、社会の中でも虐げられた存在、というのが現代人の大方の認識であろう。しかし、これを見ると、江戸時代であってもそうした怠惰で愚かな農民の存在があり、そして改革を阻もうとする抵抗勢力がいた事が分かる。それがまた驚きでもあるとともに、結局いくら平等となって暮らしも便利になろうとも、世の中が抱える問題というのはいつも変わりが無いということを知らされる。
. 遅ればせながら、「“名著“と呼ばれている本に取り組もう」と、意識して読むようにしています。 しかしいざ読んでみると、自分の知識レベルが低くて理解できなかったり、文章を読むことそのものに苦労したりと、消化するのに苦労しています。 それでも、「少しでも得られるものがあれば良い」と考え、チャレンジす...続きを読むるようにしています。 この本も以前から気になっていたので、岩波文庫版を読むことにしました。 本書は1895年に、英語で書かれた文章が土台になっているようです。 原著の著者、内村鑑三が“代表的日本人”として5名を取り上げて、それぞれがどのような人柄だったのか、どのような事を成し遂げたのかを書いています。 最初に取り上げられているのは、西郷隆盛。 亡くなってからまだ20年も経たない時点で書かれていることもあり、本人に接した人々による詳細なエピソードが複数、紹介されています。 後年の、偶像化された西郷評を読むことが多かったので、本書で(実在の人物として)魅力的な人柄だったということを、知ることが出来ました。 西郷の考えとして紹介されている、「文明とは正義がひろく行われることである」という言葉には、そうあるべきだ/そうであって欲しいと、深く共感しました。 二人目は、上杉鷹山。 三人目は、二宮尊徳。 いずれも、財政的に苦しい状況にあった組織を、再建した人物。 良い仕組みを導入したという面もありますが、推進者自らが徹底して道徳的に振る舞い、組織の規律を整えたという点が強調されていることが、印象に残りました。 四人目は、江戸時代初期の教育者、中江藤樹。 正直、この方のことは初めて知りました。 江戸時代に行われていた教育がどのようなものであったか、知ることが出来ました。 五人目は、日蓮上人。 何を成し遂げたかということ以上に、困難に屈せず自分が信じることを続けたことを、著者が評価している点が印象に残りました。 読み終えて、本書の著者は「日本ではどのような人が、周囲から尊敬を受けるのか」、「その人のどのような資質や振る舞いが、良いとされているのか」といったことを、欧米人に向けて発信したかったのかなと、想像しました。 自らを律し、謙虚に振る舞うこと。 我欲にとらわれず、正しいかどうか(天/神の意思にそっているか)で、自らの行動を選別すること。 書かれてから100年以上が経ち、日本人の道徳観も、変化している部分があるかもしれません。 しかし、この本が書かれた時代に好かれていた人、尊敬されていた人は、現在の日本でも同じような評価を受けるだろうなと思いました。 人生を歩む上で、すべきこと/してはならないことをどう、定義するか。 「道徳」という言葉の持つ意味について、考えさせてもらえた一冊でした。 .
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
代表的日本人
新刊情報をお知らせします。
内村鑑三
鈴木範久
フォロー機能について
「岩波文庫」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
内村鑑三交流事典
内村鑑三の伝道論
寡婦の除夜
試し読み
寒中の木の芽
現代語新訳 世界に誇る「日本のこころ」3大名著 ──茶の本 武士道 代表的日本人
後世への最大遺物
後世への最大遺物・デンマルク国の話
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲代表的日本人 ページトップヘ