内村鑑三のレビュー一覧

  • 人生、何を成したかよりどう生きるか
    富や名声にとらわれる必要はない。ひたすらに自分と向き合い、生きることで、「生き方」が遺産となる。「なぜ生きるのか」より「どう生きるのか」に思いを巡らせよ。
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話
    後世への最大遺物
     本居宣長は「やまとごころ」を知るために、まず『源氏物語』を読むことを勧めた[柄谷行人『憲法の無意識』]のと対照的に、文脈が異なるけれども「後世への害物」であると一蹴したのは印象的に感じた。その文脈とは平野啓一郎氏が、小説を文字通り「小さく説く」ものと考えたように[平野『小説の読み...続きを読む
  • 代表的日本人
    新渡戸稲造 「武士道」、岡倉天心 「茶の本」と並ぶ、内村鑑三の、「代表的日本人」
    その特徴は、欧米人に向けに、外国語でかかれたものを、和訳したものを改めて出版したものである。
    「代表的日本人」は、日清戦争中に、Japan and the Japanese の題で、公刊された書物の再販です。

    5名の...続きを読む
  • 代表的日本人
    今回3回目くらいかと思うが、本棚への登録がなかったので、また再読した。

    内村鑑三さんは、民衆の心をつかんで、民衆のために尽くした人をセレクトしているように思う。日本人には、こんな立派な人物がいるのだと、誇らしげに伝えようとしている。

    ここに選ばれた、西郷隆盛、上杉鷹山、中江藤樹、二宮尊徳、日蓮の...続きを読む
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話
    「私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望が起ってくる。」「われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより世の中を少しなりとも善くして往こうではないか」
    ここの部分はすごく共感。...続きを読む
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話
    ありがちな人生論と思って読み始めたが、骨太な仕事論、そして現代の起業論にも直結する恐ろしく本質的な名講演だった。
    日清戦争の海戦直前という不安定な時代に、生きることの意味を、内村鑑三は「金→事業→思想」そしてさらなる最大遺物の観点から、ユーモア交えながら語り明かす。
  • 代表的日本人
    内村鑑三先生が奔流のように押し寄せる西欧文化の中で、どのような日本人として生きるべきかを模索した書です。
  • 後世への最大遺物

    わかりやすい

    人生の何に価値を置くか。キリスト教的な考え方を理解できずにいたが、この著書を読んで初めて、すんなりと頭に入ってきた。
  • 代表的日本人
    内村鑑三が英語で日本の文化・思想を西洋社会に紹介した名著
    西郷隆盛、上杉鷹山,二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人が記されている。
  • 後世への最大遺物・デンマルク国の話
    キルケゴールの国デンマークに、内村が自然な関心を寄せたことが想像できる。資源のない小国の偉大な物語に日本の姿を重ね合わせ大いに勇気づけられただろう。敗戦国は滅びない、必ずしも惨めではない、からしだねほどの信仰が有れば山をも動かすという内村のうちにあった神の啓示は、奇しくもその後の日本が辿る道をを予見...続きを読む
  • 人生、何を成したかよりどう生きるか
    こんな考え方もあるのか、と思った本。内村鑑三氏は、まずお金を儲けなさい、事業をしなさい、それが無理なら教育か本を書くかして思想を遺しなさい。それらが出来ない人は生き方を真っ当にしなさい、と言った。これらは全て、後世に残すためのものである。ただ、よりよく生きるとは、人の価値観、考え方によって違ってくる...続きを読む
  • 代表的日本人 徳のある生きかた
    内村鑑三による英語の著作。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の生涯が紹介されている。この5人に共通するのは「徳を大切にし、思いやりに満ちていた」こと「人づくりをしたこと」。「生涯を掛けてやってきたことを、次の世代が何かの役に立ててくれればいい」とそんな声が聞こえてきそうだ。
    ●西郷隆盛
    西...続きを読む
  • ヨブ記講演
    因果応報という固定観念からの脱却。因果応報に落とし込むことで、自分で状況をコントロールできるのではないかという錯覚をごまかせるから、そう思いたくなるのが人情。自分の非力と卑小さを自覚することから始まる。
  • 代表的日本人
    「同僚たちが立ち止まろうとしたところを、西郷は出発点とみなしていた」
    「その時できた膝のあざをそうっと眺めるのが常であった。これは尊師が私に残した警告である。これを見るたびに自分を省みて自己と民とに誠実であるかと問う戒めとしている。しかし、残念ながらあざは歳を取るごとに色薄れ、それに従い私の慎みも薄...続きを読む
  • 代表的日本人
    心の底にあって忘れかけていたものが掘り返される感覚を覚えた。日本人の勤勉性や誠実さは、後の国内情勢の中で都合よく利用された点は否めないが、今も心の底に残る美徳だと気付かされる。若い方が読んだらどういう感想を持つのか興味深い。
    「西洋」に対しての著者の、日本人の道徳心、利他的で謙譲な美意識を丁寧に説明...続きを読む
  • ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか
    渡米した内村鑑三は、
    自身が崇拝してきたキリスト教を根幹としたキリスト教国で絶望する。

    これが、キリストの教えを実践する国なのか?と。
    「山にとどまる者は、山を知らない」
    外へ出ることで始めて自分自身が何者かをよく知ることができると内村鑑三は言う。

    がっかりした内村鑑三は、
    欧米の宗教であること...続きを読む
  • 代表的日本人
    内村鑑三によって明治44年にもともと英語で書かれたもの。
    西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人を、標的日本人として外国に紹介している。本書は、英米やフランスなどの知識人の間で読まれたということである。

    5名は、道徳や公共心、揺ぎ無い信念などの精神をもって、私欲のためではなく国のために...続きを読む
  • 代表的日本人
    人物論。

    日本を代表する歴史の人物達。

    ・西郷隆盛
    ・上杉鷹山
    ・二宮尊徳
    ・中江藤樹
    ・日蓮

    日本人を代表する人物達の凄まじき、
    人間性に頭が下がる思い。

    日本には世界に誇れる人物が多くいた。
    世界の偉人の中でも傑出した真似できない日本ならではの特質を持った偉人達。

    これが日本文化を、育...続きを読む
  • ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか
    強制的に改宗させられたものの、一神教の素晴らしさに心打たれた鑑三。
    彼の宗教的ストイックさと、アメリカに渡って無数の宗派のどこにコミットしていいかわからずノイローゼになりながら、自らの信仰を見出していく日記に非常に共感。
    どちらかというと橋爪先生の解説の辛辣さに笑ってしまったが、
    明治期の新しい真理...続きを読む
  • ヨブ記講演
    カジュアルに評する類の書籍ではなさそうだが、「熱い!」という感想がやはりしっくりくる。「悪人が得をして、善人が不幸になるのはなぜか?」という、宗教・道徳上ある意味で最難関の問いに対して、ヨブ記という大古典を通して真っ向から立ち向かう内村鑑三、すごいなあと。100年前の講演録だけど、語り口も平易で今で...続きを読む