内村鑑三のレビュー一覧
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岩波文庫青
内村鑑三
「ヨブ記講演」ヨブ記の講義録。ヨブ記の内容は 「苦難は罪の結果なのか」をテーマとした ヨブと三人の友人の論戦。
違和感ある宗教的な部分もあるが、全体的に「カラマーゾフの兄弟」を 想起させる論戦が面白い
ヨブ記から感じたのは、科学や経済は 人間の苦悩に関係なく進むが、宗教は 苦難の時に寄り添ってくれるかもしれないということ
ヨブの結論
*苦難は罪の結果ではない
*苦難=神が信仰を試すために与えた愛→来世への希望
*友に幻滅し、神を真の友とすることにより幸福と安心の絶頂に達する
ヨブ記から導き出した著者の結論
*ヨブが自覚した愛の神=キリスト→つまり ヨブ記= -
Posted by ブクログ
ついこのあいだ鈴木大拙の『禅と日本文化』も読んだ。こちらも、日本人が日本のことを紹介するために外国語で書いた書物を日本語訳したものである。
江戸時代から戦前あたりまで連綿と続いてきた、いわゆる日本的な文化の底流にある精神に接するにあたって、戦後生まれのわれわれにとってはむしろこのようなアプローチからの方がすんなり入ってくるような気がしないでもない。
この書物が外国の知識人に与えた影響は少なくないのではないかと思う。J.F.ケネディが上杉鷹山を尊敬していたというエピソードは有名だが、おそらくこの本を呼んでいたのではないか。
それにしても、内村鑑三は熱血漢だったのだろうか。文章からその心意気が -
Posted by ブクログ
日本人の優れている点を外国人に説明する場合、やはり同じ思想的土俵に立つことが近道・・ということで、キリスト教徒でもある内村鑑三が英語で書いた本の日本語翻訳が本書です。そして、代表的日本人の選定基準は人徳の有無のようです。
まずは、西郷隆盛、江戸幕府を無血開城させた官軍の功労者です。このことで、当時、日本を狙う列強に隙を与えず有能な人材を殺さずに済んだ点は、その後の日本の発展を考えれば妥当な選出でしょう。朝鮮問題の立場については賛否両論あるようですが、相手国から不当に扱われても平和路線にしがみつく軟弱外交への歴史的転換期、つまり日本人の中のサムライスピリッツの喪失がこの時点から静かに始まりました -
Posted by ブクログ
ユングの言うには、無意識状態のヤハウェは、ヨブが苦しみの中で至った正しさの高みに明らかに届いてなく、愛の神のイエスの必要さを発見した、と。
内村鑑三の言うには、ヤハウェは、ヨブをさらなる高みへ導くために苦しみを与えており、その苦しみのなかで、ヨブはキリストを見出した、と。
旧約にあって、キリストを予言してる書だというとこは、両者共有で、ただ、ヤハウェを是とする内村鑑三の正統と、ヤハウェの無意識状態を見つめるヨブを是とする異端的なユングと。
内村鑑三のほうが14歳年上
期待以上に綺麗な対比を見つけれたのと、予想外に共有してたキリストの萌芽
次は何読むかなー -
Posted by ブクログ
古本屋で見かけて読んでみた。明治27年に内村鑑三がキリスト教徒の集会で後世に何を残すかを講演した記録。わかりやすいし内容もすばらしい。
後世に残すものは、金、事業(土木工事)、思想ときて、結局は「勇ましい高尚なる生涯」こそが最大という結論。キリスト教徒だから信仰・伝道・隣人愛などの生涯かと思いきや、武士道・意地・義侠心の生涯を説いているのがおもしろい。
(p74から引用)
しかしそれよりもいっそう良いのは
後世のために私は弱いものを助けてやった、
後世のために私はこれだけの艱難に打ち勝ってみた、
後世のために私はこれだけの品性を修練してみた、
後世のために私はこれだけの義侠心を実行してみた、