秀香穂里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
成熟した大人の恋でした。題名が「恋に堕ちた翻訳家」なので、翻訳家の高田目線かなあと思っていましたら、トップモデルの永井の語りですね。モデルであり、自分がどう見られるかも十分承知している永井がある日偶然出あった高田に惹かれて、次に会う約束をねだる。年上で自分の周りにいないタイプの高田に急速に惹かれていくがある日、高田の背負う重い過去を明かされる。大人の恋とは身体の繋がりだけではなくて会う度に募っていく気持ちが切ないくらいに感じられるしっとりとした作品でした。若いしモデル柄押しも強い永井に対して、良識ある大人で流されない高田でしたが、いざセーブしていた気持ちを解放したら、飛行機で宮古島まで追いかけてしまう様な情熱的な男だったんですね。素晴らしい☆〜
それから秀先生の言葉遣いって丁寧で美しいんですね、とても心に響きました♪〜 -
Posted by ブクログ
静かに熱く進行する大人のラブストーリーです。主人公のモデルが仕事の永井くんは25歳、その一目ぼれした相手の翻訳家高田は32歳で、若くもないけど、まだすごい大人って感じでもない。もっと年の差があっても、この話ならいいと思うんだけど。
高田には胸に秘めた苦く激しい恋愛経験があって、なかなか永井のアタックを受け入れてはくれません。
永井はどうしてもこの恋を手に入れたくて、相手のことを大切にして、誠実に自分の想いを伝えようと努力します。それが、とても初々しくて、素直で、気持ちに嘘がないのがいい。それにほだされていく高田も大人の男の魅力充分。
二人は出会ってから少しずつ互いの間にある溝を埋めて、ひとつひとつ前進していく不器用ともとれる恋を実らせていきます。
待ち合わせを約束して食事とか、買い物とか、そういうことから始める胸のときめきがあちこちに散りばめられていて、胸がキュンとします。大人の男がやってるのが、またいいのよね。
モデル業で華々しく活躍する永井の業界での人間関係や、心のうちに抱える将来への不安や次へのステップなど、お仕事ものとしての部分もきちんと描かれていて読み応えあります。
で、タイトルどおりの結末になってます。面倒で、厄介で、鬱陶しいと自己申告してるように高田は恋をすると豹変しますが、永井同様、むしろそういうの大歓迎です。絡みシーンはじっくりと熱すぎるほどです。愛を感じまくり。
しっとり美しい文章もよかった。 -
Posted by ブクログ
CMプランナー&ディレクターの保坂は営業から転身した経歴を持つものの、業界では賞を三冠続けて取るなど飛ぶ鳥を落とす勢い。そんな保坂が気になる同僚・風間は保坂と全く違う硬いCMが評判。タイプの違う風間といろいろ話したいと思っているのに、風間はいつも嫌味を言って神経を逆なでする。しかも何故か隣の部屋に越してきて。
チャラい受けと武骨なノンケの組み合わせ。
CMのコンペを通してのやり取りなどリーマン物らしくて良い。
結局、突っかかってきたのも風間が実は保坂を好きだったからで。雰囲気に流されて身体を繋げてからもそれが何回にも及ぼうとも今までチャラい生き方したして来なかった保坂は自分の気持ちを見つめない。というか分からないのかな。
でもそのスタンスという壁を乗り越えようとしてくれた風間に惹かれていってる事をやっと自覚した時は、コンペも佳境に入っていた。
保坂の気持ちの揺らぎが丁寧に書かれてあって良い。寝たからといって気持ちが即対応する訳じゃないよね。
絵は宮本佳野先生。偶然にもつい最近、中原先生の作品で宮本先生を知り、柔らかい中にも独特な雰囲気がある先生だなと思いました。
P.159の挿し絵だけど小説の中では座っている場面なのに何故か立ってる構図だったのが解せない。挿し絵って文章を補完するものだから基本、齟齬のない構図をお願いしたい。 -
Posted by ブクログ
読む人を選ぶ1冊だなあと。
監禁モノのBLなんだけど、よくあるBLとしてのこのジャンルの
萌えは一切期待しない方が良いかな。
というのも、攻めは根本的に狂っております。
受けに対しての思いや行動は、彼がひかれて止まない
「幸福な過程にごく当たり前に育った人間の強さ」であり
結果としては、彼に惚れてるんだとは信じたいが
最後の最後まで、そこんところははっきり書かれない。
受けの感情の流れを見ながら、ラストの彼の選択を読むと
ああ、堕ちたなあ・・・2人でどこまでも堕ちるのだなあと
ある意味ハッピーエンド、ある種のダークエンド。
2人の未来は彼ら自身の中では幸せなんだと思うけど
通常の目線で見るとやっぱり狂ってるなあ。
その狂いが「究極の愛のひとつ」なのかもしれません。
秀さんが「実験的に書いた」とあとがきに書かれておりましたが
そういうものを読む覚悟が、入る作品です。
タイトルの『堕ちゆく者の記録』。まんまだもの。
ハッピーエンドや、監禁モノの「最後には愛がある」の王道展開を
求める人には絶対に薦めません。
あ、高階佑さんの挿絵はハズレなしで萌えますけどね(笑。