中村融のレビュー一覧

  • アロウズ・オブ・タイム
    「直交」三部作完結篇。もっとひねった終わり方かと思っていたが、意外と素直に大団円を迎えた感じだ。今回は、私にはチンプンカンプンのサイエンス部分が少なく、三部作随一の読みやすさだった。これまで辛抱して読んできて良かったー。

    ま、理屈がわからないのは前作と同じなんだけど、今度は「未来からのメッセージ」...続きを読む
  • エターナル・フレイム
     『直交』三部作の第2。われわれの宇宙とは物理法則が符号がちょっとばかり違う宇宙。そのような宇宙を設定すると、われわれの相対論的宇宙と違って、時空をかなり簡単に図示できるのがメリットなのだが、この数学と物理学、私は十分わからないまま読んでいる。それでも物語は面白いと思えるからまあいい。それで挫けてし...続きを読む
  • エターナル・フレイム
    読んだぞ、とにかく。おもしろかったよ、そう言っていいのかどうかわからないけど。だって、サイエンス部分が前作「クロックワークロケット」をしのぐ難しさで、ほとんどチンプンカンプン。科学的な議論が始まると、そのくだりは無念無想の境地で字面だけ追い、人間ドラマ的部分(「人間」じゃないけど)にさしかかると我に...続きを読む
  • エターナル・フレイム
    青木薫訳『量子革命』を連想。これの架空世界版みたいな。プラス、過激なフェミ論争のネタ満載。その観点でも読書会したら面白そうだが、いやちょい怖いかも。
  • 猫のパジャマ
    なんというか物悲しさがブラッドべリの作品には漂っていて、特に「雨が降ると憂鬱になる(ある追憶)」がずしんと来ました。特別収録エッセイ「連れて帰ってくれ」でなんとなくその理由がわかったような気がします。挿画は長崎訓子氏。
  • 黒い海岸の女王
    『氷神の娘』
    雪原での戦い。戦いで傷ついたコナンが出会った少女と雪の巨人達の謎。

    『象の塔』
    ザモラ王国の都市シャディザールに立つ巨象の塔。巨象の塔に棲む魔術師ヤルの持つ宝を狙って侵入するコナン。塔の中で出会った盗賊タウラス。巨大な蜘蛛との戦い。塔の中に監禁されている生命体の秘密。

    『石棺のなか...続きを読む
  • 黒い海岸の女王
     小難しいと言うか、考えて読まなければならないファンタジーが
    続いた反動で、何も考えずに心底楽しめる本が読みたくなった。
    で、選んだのがコナンである。コナンと言っても名探偵でも未来
    少年でもないのでお間違いの無きよう(笑)。ヒロイックファンタジー
    orソード&ソーサラーの元祖とでも言える作品であり、...続きを読む
  • 90億の神の御名
    SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集その2です。
    宇宙時代が手の届きそうな身近な世界に感じられるお話、それより数歩進んだ時代の宇宙ロマンでドラマティックなお話、とびきりのアイディアが光る小品たち、などなどぎっしり盛りだくさん。
    中でも宇宙科学と宗教って相容れなそうなテーマを見事な短編に仕上...続きを読む
  • 何かが道をやってくる
    レイ・ブラッドベリの1962年発表のダークファンタジー。著者は短篇のイメージが強いですが、これは長篇。1983年にディズニーで実写映画化(映画自体は凡作との評価)。

    10月のある夜、田舎町に突然現れたカーニバル。親友同士の少年2人は、そのカーニバルの奇怪で異常な様子を覗き見てしまいます。やがて2人...続きを読む
  • 愛蔵版 英雄コナン全集1 風雲篇
    色々な剣と魔法の冒険が書かれているが、いささか物足りない。
    だけど、最後に収録されている「魔女誕生」は別。
    この話が面白かったので、星を4とした。
  • キャプテン・フューチャー最初の事件
    冒険小説は無条件に楽しい。

    スペース・オペラの大家エドモンド・ハミルトンの代表作〈キャプテン・フューチャー シリーズ〉は、1940年代に刊行された。

    これはその始まりの物語を2017年に完全リブート。

    悪人に両親を殺された遺児が、その存在を隠したまま特殊な才能の仲間に育てられ、やがて、自分の生...続きを読む
  • キャプテン・フューチャー最初の事件
    キャプテン・フューチャーは如何にして誕生したのか。原点回帰の作品。エドモンド・ハミルトン作、野田昌宏訳を読み耽ったSF小僧にはたまらない作品と言える。本作に登場するフューチャーメンはもちろん、敵役も現れて、今後の展開を期倒させる「始まり」の一作。
    原作ではスペースオペラのヒーローとして現れたが今回は...続きを読む
  • 愛蔵版 英雄コナン全集1 風雲篇
    期待していたより面白かった
    本の構成もうまく読みやすい

    話し的には同じようなパターンの内容なんだけれど
    一気読みせず一日1タイトルずつ読み進めたのもあって
    次巻も読んでみたい本でした。
  • 万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集
    SFやファンタジーよりも、文学に近い。訳にもよるかもしれないが、言葉選びや表現にハッとする。たまに難解でハァッ?とする。
    起承転結やオチがはっきりしないのもいい意味で文学。鬱展開あり、バカバカしいのあり、全体としてあまり暗くはない。
    万華鏡は名作。霧笛も好き。
  • エターナル・フレイム
    読んだ。なんとか読んだ。
    必死に文字を追っているだけの読書なのに、なぜか面白い。
    難しすぎて全然理解できないけど、それでも読もうと努力したくなる作品。
  • 黒河を越えて
    コナンシリーズはだいたいが、コナンが美女とてんやわんやする話ばかりですが、表題作はヒロインのいない男同士のコンビ物。
    ちょっと頼りないけど、それでもコナンのパートナーとして奮戦するバルトゥスの姿に応援したくなります。
    そんなバルトゥスの視点から見るコナンの超人ぶりも再確認出来る一篇です。
  • 太陽系最後の日
    ハヤカワ文庫収蔵の短編集、その第一巻。他の2巻よりも印象に残る短編がちりばめられている。「守護天使」は「幼年期の終わり」の原型になった短編。「太陽系最後の日」「地中の火」はショートショートのようなシニカルさが、「コマーレのライオン」はいまはやりのメタバースの未来を描くような設定。一読の価値あり。
  • 黒い予言者

    思い出の作品

    『風雲児コナン』のタイトルで出版された方でだけど、初めて読んだコナンシリーズなので、この【黒い予言者】が一番好きなエピソードでもあります。

    しかし表紙デザインが好みではないので、理不尽を承知で星-1の星4点とさせてもらいました。
  • Genesis 白昼夢通信
    なんか最近、アンソロジーばっか読んでるような…。
    2019年12月刊行の日本SFアンソロジー。短編7編とエッセイ2編が載っています。

    第1集の『一万年の午後』のレビューで書いたのですが、ちょっと良いレストランで頼む「おまかせコース」がまさにアンソロジーだと思います。
    「おまかせ」とは言え、オードブ...続きを読む
  • 猫は宇宙で丸くなる【電子書籍版/4篇収録】

    猫が好き

    猫が好きなので選びました。
    この手のストーリーは若い頃ハヤカワSFなど好きでよく読んでいたので、懐かしかったです。
    個人的にはもう少し可愛い猫が沢山出てくる物語が好みですが。