中村融のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・アンリ・マチスのポーカー・チップの目
・草原
・歓迎と別離
・メランコリイの妙薬
・鉢の底の果物
・イラ
・子ねずみ夫婦
・小さな暗殺者
・国歌演奏短距離走者
・すると岩が叫んだ
・見えない少年
・夜の邂逅
・狐と森
・骨
・たんぽぽのお酒
イルミネーション
たんぽぽのお酒
彫像
夢見るための緑のお酒
・万華鏡
・日と影
・刺青の男
・霧笛
・こびと
・熱にうかされて
・すばらしき白服
・やさしく雨ぞ降りしきる
読んだことのある作品もない作品も、通して読めばすべて懐かしいブラッドベリの作品になるのはなぜなんだろう。
これらの作品が書かれたころは未来はバラ色で、苦しみ -
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日本オリジナルの短編集。巻末の解説にもあるが、ベイリーの短編は一つのアイデアを著者の豊かな想像力で膨らませて、見事な作品に仕上げている。難しいアイデアではなく、もし◯◯が△△だったらというifを広げている感じだ。例えば、表題作は、もし神を殺せる銃があったらだし、「邪悪の種子」は、もし不老不死になったらを描く。希望がない作品が多いが、これはベイリーから人類への警告なのかもしれない。「蟹は試してみなきゃいけない」はその中では異色。蟹を通して人類の存在を茶化しているように感じた。人もやはり動物なのだと。単純に文字面を追って楽しむのもよし、深読みして哲学的なことを考えるのもよし、様々な楽しみ方がある本
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「直交」三部作完結篇。もっとひねった終わり方かと思っていたが、意外と素直に大団円を迎えた感じだ。今回は、私にはチンプンカンプンのサイエンス部分が少なく、三部作随一の読みやすさだった。これまで辛抱して読んできて良かったー。
ま、理屈がわからないのは前作と同じなんだけど、今度は「未来からのメッセージ」というワクワクする要素が中心なので、難解さが気にならなかった。もし現実にそういうことが可能な技術が開発されたとしたら、一体どうなるんだろう。ここの「孤絶」社会は、きわめて規模が小さく、外界とほぼ隔絶した特殊な状況にあるわけだが、その中で繰り広げられる議論や策動、各人の葛藤が身に迫って考えさせられる。 -
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『直交』三部作の第2。われわれの宇宙とは物理法則が符号がちょっとばかり違う宇宙。そのような宇宙を設定すると、われわれの相対論的宇宙と違って、時空をかなり簡単に図示できるのがメリットなのだが、この数学と物理学、私は十分わからないまま読んでいる。それでも物語は面白いと思えるからまあいい。それで挫けてしまう人にはお勧めできない。そして登場「人物」もまた人間ではない知的生物なのだが、彼らの惑星の未来への進行方向と直交方向から星団が飛んでくることがわかり、いずれ衝突して彼らの惑星は滅びてしまう。そこで山ひとつを世代間宇宙船〈孤絶〉にして、直交座標の横方向に高速で飛んでいくことにする。この宇宙の物理法則
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読んだぞ、とにかく。おもしろかったよ、そう言っていいのかどうかわからないけど。だって、サイエンス部分が前作「クロックワークロケット」をしのぐ難しさで、ほとんどチンプンカンプン。科学的な議論が始まると、そのくだりは無念無想の境地で字面だけ追い、人間ドラマ的部分(「人間」じゃないけど)にさしかかると我に返って熟読、ということの繰り返しだった。こういう読み方でも「おもしろかった」って言っていいですか?
いやまったく、出だしからガツンと「物語」にひきこまれて、「わからないにもほどがある(byバーナード嬢)」ところがどんなに多かろうが、読むのをやめようとはちっとも思わなかった。この第二作は、特異な出産 -
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ネタバレ『氷神の娘』
雪原での戦い。戦いで傷ついたコナンが出会った少女と雪の巨人達の謎。
『象の塔』
ザモラ王国の都市シャディザールに立つ巨象の塔。巨象の塔に棲む魔術師ヤルの持つ宝を狙って侵入するコナン。塔の中で出会った盗賊タウラス。巨大な蜘蛛との戦い。塔の中に監禁されている生命体の秘密。
『石棺のなかの神』
聖堂の警備兵アルスが見つけた死体。町の金持ちプブリコの遺体。付近で発見されたコナン。警備隊の尋問。殺人の容疑をかけられるコナン。何者かに依頼され聖堂に侵入したコナン。殺害直前のプブリコの行動の秘密。石棺に隠された謎。
『館のうちの凶漢たち』
王国の権力を握る〈紅の司祭〉ナポニドゥスに目をつ -
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小難しいと言うか、考えて読まなければならないファンタジーが
続いた反動で、何も考えずに心底楽しめる本が読みたくなった。
で、選んだのがコナンである。コナンと言っても名探偵でも未来
少年でもないのでお間違いの無きよう(笑)。ヒロイックファンタジー
orソード&ソーサラーの元祖とでも言える作品であり、シュワル
ツェネッガー主演で映画化もされたので知っている人も多いだろう
ファンタジー作品である。
他者を圧倒する巨躯に野生の獣のような俊敏さ。そして何物にも
屈服しない本能と意志を併せ持つ野蛮人。妖魔の存在を信じている
が、それと同時に倒せない妖魔などいないとも信じている男。
そのコナン -
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SFファンのみなさん!
SFの叙情詩人と謳われたレイ・ブラッドベリの至極の短編集『ウは宇宙船のウ』の新訳版が出てますよ!
うーん、素晴らしい
素晴らしい新訳ですよ中村融さん
だいたいさー
SFの叙情詩人よ?そんなん言われてる人の翻訳なんてごっついプレッシャーやと思うのよ
想像でしかないけど、普通の英文じゃないと思うのよ
それを訳すだけでもたいへんなところをさらに日本語でも叙情感出さなきゃならんのよ
そしてちゃんと出てた!
素晴らしい!
だがしかーし!
旧版の訳者大西伊明さんの業績にも触れたい
何がすごいって邦題よ邦題
原題ね『R Is for Rocket』なの
これさ、わいらみたいな -
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ネタバレブラッドベリのSFやホラーや幻想系の色んな短編が読めて大満足!毎日夜寝る前に1話ずつ読む楽しみにしてました。
特に好きだったお話は『ある老女のはなし』と『集会』の2つ。
『ある老女のはなし』
歌って踊るのが大好きで、毎日を楽しく生きてるおばあさんは、「死」を受け入れることはけしてしない。それでも死の世界からお迎えがやってきて、うっかり寝てる間に魂がぬけて体が死体仮置場に持っていかれても諦めなかった。普通は起こり得ないからと諦めず、自分の信念に基づいて、強く逞しく生き返ってしまう元気おばあさんの話は勇気がもらえた。
『集会』
吸血鬼やコウモリ男、翼を持つおじさん、他人の意識に潜り込める少女 -
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M・リッカート / エリザベス・ハンド / ショーニン・マグワイア / カルメン・マリア・マチャード / カッサンドラ・コー / ジョン・ランガン / カレン・ヒューラー / ベンジャミン・パーシィ / ジョイス・キャロル・オーツ / リチャード・キャドリー / ポールトレンブレイ / スティーヴン・グレアム・ジョーンズ / ジェフリー・フォード / ジェマ・ファイルズ / ジョシュ・マラーマン / ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン / レアード・バロン / ケリー・リンク / 新井なゆり / 市田泉 / 井上知 / 小野田和子 / 佐田千織 / 谷垣暁美 / 中村融 / 原島文世 / 渡辺庸子 / エレン・ダトロウ4.0 (1)
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ネタバレ中村うさぎさんが霧笛の話をしており、この本を読もうと思った。読み進めていくにつれ、私はどんよりとした海に呑み込まれる気持ちになった。霧笛は孤独を象徴していると思う。物語に出てくる頸長竜は仲間の声が聞こえたと思って、暗い海の底の底から長い時間をかけ、泳いできた。なのに、仲間の正体は灯台。結局、竜は大きな声で叫び叫び叫び、灯台を壊して、また海の底で眠りにつく。この孤独感は、今作の竜だけではなく、私たち人間も一生背負っていくものだ。いくら友達や恋人や家族がいても、孤独感は消えないと思う。でも、私たちはこの孤独を背負って生きていくのだと、頸長竜が教えてくれた。
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ネタバレとにかくめちゃ怖かった!
ハロウィンに古びた列車で街にやってきたカーニバルは、人々の負の感情を糧に永遠に続く悪夢のような存在。ターゲットにされた人間は時を巻き戻すメリーゴーランドにのせられ、何十歳も年を取り(または若返り)、日常での居場所が無くなり、カーニバルの一員になるしかなくなる。もう2度と戻れない日常に絶望する人間の感情はカーニバルを運ぶ列車の燃料となる。
仲良しな13歳の2人の少年がそのカーニバルに捕らえられそうになる話。
メリーゴーランドに乗ってぐるぐる回ることがこんなに怖い話になるとは…。鏡の迷路で、突然何十年も年を取った自分の姿を見る羽目になるのはこわい。
少年たち2人とも仲良 -
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レイ・ブラッドベリの1962年発表のダークファンタジー。著者は短篇のイメージが強いですが、これは長篇。1983年にディズニーで実写映画化(映画自体は凡作との評価)。
10月のある夜、田舎町に突然現れたカーニバル。親友同士の少年2人は、そのカーニバルの奇怪で異常な様子を覗き見てしまいます。やがて2人は、そのカーニバルの邪悪な秘密を知ってしまい、その魔の手から逃れようと苦闘して、父親も巻き込みながら物語は佳境に突き進んで行きます…という話し。
人々の弱点である人生における若さや老いを巧みについてくる、カーニバル座長のミスター・ダークと、少年2人や父親の心の動きの描き方が素晴らしく、物語に引き込