中村融のレビュー一覧

  • 万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集
    ・レイ・ブラッドベリ「万華鏡」(創元SF文庫)に は「ブラッドベリ自選傑作集」とある。書名通り、表題作を初めとして、作者自選の「草原」「メランコリイの妙薬」「刺青の男」「霧笛」等々の26編を収め る。この中には「たんぽぽのお酒」や「火星年代記」のエピソードも含む。本当に作者選りすぐりの短編集である。...続きを読む
  • 宇宙への序曲〔新訳版〕
    序曲、PRELUDEのタイトル通り、宇宙開発の
    夜明け前を描いていて、地味ともとれるけど
    1951年作品、月面着陸の約20年前で
    現代からすれば地味に感じさせるほどびっくり技術や
    不思議な力を使わない正当な月への第一歩。
    だけど、ところどころに見せる次への夢への一歩、
    エピローグで見せるロマンがたま...続きを読む
  • 狩人よ、故郷に帰れ
    いいですねー!読み応え十分、SFならではのエレガントな短編集です。

    地球人類以外の宇宙生物・宇宙生命をメインテーマに据えた日本オリジナルの短編集。雑誌掲載後に単行本されなかった幻の作品を敢えて取り上げるとの方針の下、なかなかお目にかかれない珍品が粒ぞろい。
    いずれも1960~70年代のかなり古い作...続きを読む
  • 90億の神の御名
    ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラークの第2弾は、解説の言葉を借りるならば「宇宙飛行の啓蒙的色彩が強い」作品が並びます。全16篇収録。

    月面で働く父親のもとへ休暇に訪れたダフネが星々探求の大志を抱く「月面の休暇」や宇宙開発におけるさまざまなドラマが連作となった「月に賭ける」とその姉妹作「天の向こ...続きを読む
  • 魔女誕生
    『黒い怪獣』
    古代の魔法使いトゥグラ・コタンの墓に忍び込んだ盗賊シェヴァスタ。南から進撃するナートク率いる軍隊の驚異にさらされたコジャの国の王女ヤスミナ。ミトラ神のお告げによりコナンをコジャ軍の指揮官に。ナートクとの戦い。

    『月下の影』
    アムトラ王からオリヴィアを助けたコナン。ヴェラット内海の島に...続きを読む
  • 人生論
    「人生とはこの男が調べようとしている水車である。水車が必要なのは粉をよく挽くためであり、人生もそれをよきものにするためにのみ、必要なのだ。(P20)」人生とは、それ自体が目的なのではなくて、粉を挽くために必要なもの。粉を挽くために与えられたもの。この考え方は私にとってはパラダイムシフトだった。ただ生...続きを読む
  • 太陽系最後の日
    <ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク>第一巻は、1946年から51年にかけて発表された小説9編を収録。いわゆる初期傑作集となっているようです。初期といえど、第一級の作品として誉れ高い表題作や「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」など傑作揃い。

    ちょうど一年ぶりのクラーク本です。以前読んだ「白...続きを読む
  • 猫のパジャマ
    タイトルに「猫」とあって、ブラッドベリとあれば
    なおさら買ってしまう。
    ブラッドベリときけばSF、ファンタジーと
    カテゴリー分けをしてしまいがちだが、
    短篇集を読むと、どうしようか悩んでしまう。

    今回は
    「さなぎ」「酋長万歳」
    「ふだんどうりにすればいいのよ」
    「用心深い男の死」「三角関係」
    「帽...続きを読む
  • メデューサとの出会い
    表題作が一番面白い!月、火星と生命の存在は否定されてきたが、木星はどうなのだろうか?我々の想像を超える世界に生命がいるとしたら、それはどんな生物なのだろうか?夢は尽きない。
    表題作の他だと、日系人がソロバンで軌道計算する(そんなバカな)という話が印象に残った。
  • 太陽系最後の日
    太陽系最後の日は、前哨、2001年のビーコン残した側の話で、ザ・クラークという話。面白いなぁ

    海に至る道は、晩年の作品っぽい
    久しぶりです、ずいぶん待ちましたよ、という挨拶は気がきいている
  • メデューサとの出会い
    宇宙メイン、あとは海、山

    こういう世界が待ってますというのが精緻に描かれている。説得力のお手本みたいな本

    話の筋は、宇宙で事故が起こって危機からの生還、というパターン。正直ワンパターン。
    だけど、舞台、事故にバリエーションがある。そしてバリエーションに説得力を持たせて各話違うものにしている

    ...続きを読む
  • メデューサとの出会い
    SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集その3です。
    中~後期の作品を集めた巻だけあって安定感はばっちり。ちょっとやそっとの想像じゃ追いつかない宇宙の壮大さを垣間見られるお話、逆にすぐ手の届くところに宇宙がある時代を感じられるお話、とどっちをとっても見事な出来映え……なのはいつも通りですが。笑...続きを読む
  • 太陽系最後の日
    SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集だけあって粒ぞろいの名作たち……と思いきや作風が思いの外幅広く、良く言えば「よりどりみどり」悪く言えば「当たり外れが大きい」って印象です。
    わたしはアイディア勝負のからっとした作風が好きなので「地中の火」「かくれんぼ」「時の矢」が大当たりでした。
    「幼年...続きを読む
  • メデューサとの出会い
    ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク最終巻。前の2巻に収められているものよりも更に短めの話が集められた短編集で、小話的なものが中心ですが、なかなか印象深い。「憎悪」:グレートバリア近くの海に墜落したソ連の宇宙船を、真珠とりのハンガリー人が見つけたことから生まれる復讐の物語。ダイビングにも熱中して...続きを読む
  • 太陽系最後の日
    昨年からやたらとクラークを読んでいる気が・・・いや、これまであまり読んでなかったってだけなんですけどねヽ( ´ー`)ノ
    表題作「太陽系最後の日」は、SF史上に燦然と輝く巨匠クラーク初期の代表作です。太陽の大爆発を目前にして滅びつつある太陽系に急遽派遣された異星人の救助チームが目の当たりにした、人類の...続きを読む
  • 90億の神の御名
    長編に比べるとクラークの短編ってつまらないという印象がありましたが、新訳のこのベスト・シリーズは何だが印象が全く違います。訳文でこんなにも変わるんですね〜。科学的事実を積み上げてここまで詩的に表現できる人が他にいるだろうか?いわゆるオチのある話より、オチもなんにもないオープンエンドの話の方が著者の特...続きを読む
  • 太陽系最後の日
    クラークさんは昨年亡くなっていますが、発表順に再編した短編集が最近でました。表題にもなっているデビュー作「太陽系最後の日」が最高。超新星化する太陽から人類を救おうと、銀河種族混成チームが地球にやってきますが・・・最後の一行で人類の苦い一面と可能性を見事に表現しているのではないでしょうか。その他、「幼...続きを読む
  • 黒い海岸の女王
    ハヤカワ文庫の方が絵も文もかっこよくて好きなんですが絶版ですって?!でも、こちらはオリジナルに忠実というから買います。剣と魔法の英雄ファンタジー物の原点。
    ムアコック作品といい、復刻が相次いでいるせいで10代に堪能した話を読み直す機会が多く、いいものは何歳になって読んでもいいと思う次第。
  • 猫のパジャマ
    途中まででタイムアップ。おしゃれで可愛くてこそばゆいお話がいっぱいだった。
    ラジオで、たまたまブラッドベリの名言を知り(一晩ぐっすり眠ること、十分間泣きわめくこと、チョコレート・アイスクリーム一パイント分、あるいはこの三つの全部、これがいい薬なんだ)、さらには気になっていた作家さんの名前の由来がまた...続きを読む
  • 死んだら飛べる
     スティーヴン・キング&ぺヴ・ヴィンセント編「死んだら飛べる」。飛行機に纏わる「恐怖」を描いた短編を編んだアンソロジーで、SF、ゾンビもの、怪談風のもの、リアルに怖い話からファンタスティックなもの、ミステリーまで、多種多様。そして、最後の一編は小説ではなく詩、というところが、一ひねり加わっていていっ...続きを読む