中村融のレビュー一覧
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な ん じ ゃ こ り ゃ(爆)
奇想のSF作家・ベイリーの面目躍如と言うべきか、良くも悪くもベイリー節満載。SF初心者は近づくな危険!(笑)
同じくベイリーの短編集「シティ5からの脱出」を読んだときとほぼ同じ感想なんですけど、ワン・アイディアを徹底的に突き詰めた、非常に純度の高いSence of Wonderが詰まっています。ただし、SFとしての純度の高さと、物語としての完成度は、別物です。物語の完成度を求めてはいけませんヽ( ´ー`)ノ「うひゃー」とか「どひゃー」とか言いながら、○○の一歩手前ギリギリまで暴投しまくるベイリーの奇想に気持ちよく酔いしれつつ読み進めるのが、ベイリー作品の楽し -
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短編集。SF。ファンタジー。ミステリ。ホラー。幻想。
多様なジャンルの作品を詰め込んだ一冊。
『火星年代記』収録の「イラ」「夜の邂逅」「やさしく雨ぞ降りしきる」は再読。初読のときより楽しめた。
好きな作品も嫌いな作品もあり。やはりSFが好き。ホラーもなかなか。
全体的な満足度は☆3くらいだが、「万華鏡」「霧笛」「やさしく雨ぞ降りしきる」が傑作だと思うので、気持ち甘めに☆4に。
「草原」ヴァーチャルリアリティ。オチが良い。
「歓迎と別離」切ないファンタジー。永遠の少年。
「メランコリイの妙薬」不思議な話。ちょっとイカれてる。
「イラ」火星。とある火星人のファーストコンタクト。
「小ねずみ夫婦」 -
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レイ・ブラッドベリの自選傑作集。
怪奇小説、SF、心温まるようなものまで。たんぽぽのお酒は、選り抜きとはいえ文庫で読めるのはこれくらいなんじゃないでしょうか。
レイ・ブラッドベリの入門に最適な一冊です。
私は今まで二冊程しか読んだことがないので、メキシコものを読んだのは初めてです。
特に気に入ったのは表題作の「万華鏡」です。宇宙船が砕けて、宇宙に放り出された乗員たち。推進器具もないので、全員がどんどん離れて、無線電話で届かなくなるまで会話します。極限の状態で人間としての差を見てしまい、一人っきりで悩みます。自分に何ができるだろう?そんな言葉と、最後のおちの文章でなんともいえない気分になります -
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英国の奇才バリントン・J・ベイリーの日本オリジナル短篇集は全10篇収録です。単行本初収録の作品ばかりなだけに、SF好きには待ちに待った一冊なのかもしれません。
解説曰く、「ワン・アイデアを極限まで拡大し、それを古いSFの設定に落としこむところがベイリー短篇の真骨頂」とのことで、常人においては到底考え付かないような奇抜な考えに溢れた短篇集でした。まさに「奇想、爆発」な一冊。
そんな奇想天外な10篇のなかでも、「空間の海に帆をかける船」(表題みたときに、コードウェイナー・スミスのあの作品を思い出しましたが、少しばかり似ているだけですね…)は、空間を高次の海と捉えたアイデアが刺激的で、アイデア傾注 -
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ネタバレ・レイ・ブラッドベリ「万華鏡」(創元SF文庫)に は「ブラッドベリ自選傑作集」とある。書名通り、表題作を初めとして、作者自選の「草原」「メランコリイの妙薬」「刺青の男」「霧笛」等々の26編を収め る。この中には「たんぽぽのお酒」や「火星年代記」のエピソードも含む。本当に作者選りすぐりの短編集である。特定のジャンルに偏ることもないので、ブ ラッドベリのさまざまな面を知ることができる。おもしろい。本書扉に、「天才作家の幅広い創作活動を俯瞰できる、最大にして最適の一冊。」とある。この先 にも、これだけの内容のブラッドベリの短編集は出ないだらう。たぶんこの一文は正しい。
・巻頭第一作「アンリ・マチスの -
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いいですねー!読み応え十分、SFならではのエレガントな短編集です。
地球人類以外の宇宙生物・宇宙生命をメインテーマに据えた日本オリジナルの短編集。雑誌掲載後に単行本されなかった幻の作品を敢えて取り上げるとの方針の下、なかなかお目にかかれない珍品が粒ぞろい。
いずれも1960~70年代のかなり古い作品ばかりです。が、21世紀の今読んでも、ほとんど古びていない確固たる世界観と生態系の構築。鴨の個人的な感触ですが、SFの本質とは「変容を描く文学」だと思っています。凡百の地球人類には想像もできないような、異質で、でもその存在を否定することはできないような世界の構築。そうした題材を描き出すキャンバスと -
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ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラークの第2弾は、解説の言葉を借りるならば「宇宙飛行の啓蒙的色彩が強い」作品が並びます。全16篇収録。
月面で働く父親のもとへ休暇に訪れたダフネが星々探求の大志を抱く「月面の休暇」や宇宙開発におけるさまざまなドラマが連作となった「月に賭ける」とその姉妹作「天の向こう側」は、そういった宇宙飛行の啓蒙的色彩が強く、とても惹きつけられる作品でした。
上述の作品は、宇宙空間での生活や宇宙開発の側面から、宇宙の魅力を存分に発揮しておりますが、それとは少し異なり、フロンティアを開拓する探究心や広大な宇宙に存在する未知なるものへの魅惑を感じる作品もちらほら。本書では「前哨 -
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ネタバレ『黒い怪獣』
古代の魔法使いトゥグラ・コタンの墓に忍び込んだ盗賊シェヴァスタ。南から進撃するナートク率いる軍隊の驚異にさらされたコジャの国の王女ヤスミナ。ミトラ神のお告げによりコナンをコジャ軍の指揮官に。ナートクとの戦い。
『月下の影』
アムトラ王からオリヴィアを助けたコナン。ヴェラット内海の島に流れ着く二人。無人の島で飛んでくる岩。島の中心の宮殿。鉄の像。ヒルカニアの海賊船を奪い脱出をはかるが逆に囚われるコナン。夜中に宮殿で起きる惨劇。
『魔女誕生』
妹であるサロメに幽閉されたコーランの女王タラミ ス。タラミスになり済まし愛人であるコンスタンチウ スと彼の部下たちを国内に引き入れたサロ -
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「人生とはこの男が調べようとしている水車である。水車が必要なのは粉をよく挽くためであり、人生もそれをよきものにするためにのみ、必要なのだ。(P20)」人生とは、それ自体が目的なのではなくて、粉を挽くために必要なもの。粉を挽くために与えられたもの。この考え方は私にとってはパラダイムシフトだった。ただ生きていることに価値があると、ぼんやりと認識していたが、人生はそれ自体に意味があるわけではなく、何かのためにあるのだという発想。人生をやり過ごしている感じがあった私は背筋を伸ばされた。ただ健康に長生きして人生をやりすごすのは、何の目的もない水車がただ回り続けているのと同じ。私は何をしたいのか。私はこの
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<ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク>第一巻は、1946年から51年にかけて発表された小説9編を収録。いわゆる初期傑作集となっているようです。初期といえど、第一級の作品として誉れ高い表題作や「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」など傑作揃い。
ちょうど一年ぶりのクラーク本です。以前読んだ「白鹿亭綺譚」がアイデア一辺倒の作品でして、本書では、そういった純然たるSFの典型である「かくれんぼ」がかなり面白い。こういった作品を読めるのがクラークの魅力のひとつですね。
クラークの魅力のもうひとつは、特有の未来視です。これまで読んできた「幼年期の終り」や「2001年宇宙の旅」、「都市と星」に見ら -
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SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集その3です。
中~後期の作品を集めた巻だけあって安定感はばっちり。ちょっとやそっとの想像じゃ追いつかない宇宙の壮大さを垣間見られるお話、逆にすぐ手の届くところに宇宙がある時代を感じられるお話、とどっちをとっても見事な出来映え……なのはいつも通りですが。笑
ただこの巻はSFにあまり絡まないエッセイやなんかの分量が多めで、そのへんへの興味が薄いとちょっと水増し感があるかも。
編集後記に「小咄めいた小品は省いてエッセイを入れた」ってあるんだけど、そういうSF掌編をこよなく愛する身としてはだいぶ納得いかないです。
そんなこんなで「SF短編集」としては星1つ -
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ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク最終巻。前の2巻に収められているものよりも更に短めの話が集められた短編集で、小話的なものが中心ですが、なかなか印象深い。「憎悪」:グレートバリア近くの海に墜落したソ連の宇宙船を、真珠とりのハンガリー人が見つけたことから生まれる復讐の物語。ダイビングにも熱中していた作者だけあって、活き活きとした水中シーンとソ連軍の占領下ではぐくまれた憎悪の念の対比が印象的。「ドッグ・スター」:犬がからむ、泣かせるエピソード。最近、家にも犬がやってきましたが、なかなかあの瞳で見つめられると弱い。「太陽からの風」:太陽風を受けて進むヨットでの月までのレースを描く。数Kmにおよ
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昨年からやたらとクラークを読んでいる気が・・・いや、これまであまり読んでなかったってだけなんですけどねヽ( ´ー`)ノ
表題作「太陽系最後の日」は、SF史上に燦然と輝く巨匠クラーク初期の代表作です。太陽の大爆発を目前にして滅びつつある太陽系に急遽派遣された異星人の救助チームが目の当たりにした、人類の取った行動とは・・・鴨も若い頃に一度何かの短編集で読んだことがあります。人類の無限の可能性とバイタリティを表現した、力強い傑作です。と、紹介したいところなんですが・・・この歳で読み返すと、「幼年期の終わり」同様に受けるイメージが全く異なるんですね。手放しの人類讃歌にそこはかとない違和感を覚えるんです