何が困るかって、この本はジャンル分けできない(^ ^;
ショートショートと言うほど短くもないのかも、ですが、
十八編も入ってると「短編集」というには多いような(^ ^;
まず、間違いなく面白い一冊であることは間違いない。
ただ一作ごとにテーマもジャンルもテイストも違うので、
「一冊通しての感想」が
...続きを読む語りにくい(^ ^;
共通しているのは「モヤモヤ感」か(^ ^;
スカッとした快刀乱麻の謎解き、みたいのは出てこず、
微妙な叙述トリックで「え、これって、もしや...」
みたいな印象のまま「ふつりと」終わる印象(^ ^;
あ、そうそう、全体を通して擬音も印象的。
擬音が豊富なのは日本語に特徴的なことだそうですが、
ぞくり、ざわり、ぶつり、ちょん、などなど、
随所に登場する擬音が独特の間を生み、
それが不安定なリズム感を呼び、読み手をざわつかせる。
また、短い文章の中で、的確な状況表現も助けている。
巻末の解説によると、「奇妙な味」という言葉が
ある一括りの小説群を指すために使われるそうで。
まさに「奇妙な味の一冊」と称するに相応しい本書。
モヤモヤ感がお好きな方には、ぜひお勧めです(^ ^