西永良成のレビュー一覧

  • 新訳 モンテ・クリスト伯 4

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    ネタバレ

    決闘のシーンでアルベールが歩いてくる描写で全て理解して泣いた。
    メルセデスに懇願されて受け入れたエドモンにも泣いた。
    復讐する中で、何故復讐するのかの根幹の部分にある人間らしさというか、根本の愛が出てきて感動してしまった。

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    2025年01月08日
  • 新訳 モンテ・クリスト伯 4

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    ネタバレ

    3巻半ばまで、丁寧に登場人物を深堀して書込み、将来の復讐譚としての伏線をしっかりと張り巡らすなかで、4巻、5巻と一気にたたみかけるカタルシス。まさに世界文学の中でも歴史に残る名作を存分に味わえた。復讐を果たす3人のうち、4巻では1名が対象となるが、もっと激しい責め立ての方がとも思ったが、これから始まる復讐劇の発端として置かれたものだろうか。4巻5巻は一気に読み通せるような素晴らしさ。

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    2025年01月06日
  • レ・ミゼラブル 第五部 ジャン・ヴァルジャン

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    ひさびさに小説を読んで泣いた。
    月並みな感想だけど、いろんなことに気付かされ、いろんな学びを得た。それが1番しっくりくる感想。
    ユゴーの望んだ社会が実現されますように。

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    2024年12月08日
  • 新訳 モンテ・クリスト伯 1

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    面白すぎる。読むのが止められなかった。
    物語としての完成度が高すぎる。
    各章で読みごたえがしっかりあった。
    メルセデスの名前が呼べないシーンはめちゃくちゃグッときた。

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    2024年12月03日
  • 新訳 モンテ・クリスト伯 1

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    発売日が今年の7月。新訳とあったが、なかなか難しい言葉が多く、フランス文学だからか表現が独特で…「苦しい」を何ページにも渡って表現していたり、1人1人が長くしゃべっていたりして、苦しい人には苦しいけど、おもしろさにもつながっていた。

    全5巻と聞いて、意識が遠くなっているが、この後どうなるのか、最後はどうなるのか…

    ただ、1巻は苦しい場面がほとんどずっとだった印象。それでも最後には復讐劇が予感されてきた。

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    2024年09月13日
  • 椿姫

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    ネタバレ

    想像以上に良かった。
    名作なだけあって色んな感情が一気に湧いてきた。
    アルマンのマルグリットに対する強い想いに発狂した時は、どうか落ち着いてと話を聞いてあげたくなった。
    マルグリットの立場もあり、凡庸な青年アルマンとの恋はあまりにも壁が大きくて高すぎた。
    それでもマルグリットがアルマンの強い想いに応えるように、持ち前の気高い性質の中で気品に溢れていく所と慎ましやかな女性になっていく所が哀しいと同時にあたたかさも感じる。
    アルマンが望む形にならなくて奔走し、お互いを犠牲にして二人だけの小さくても良いからという僅かな幸福と短い期間だけの素晴らしい暮らしに、その後の落ち方が辛かった。
    オペラも是非き

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    2024年03月13日
  • レ・ミゼラブル 第五部 ジャン・ヴァルジャン

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    流行りのファスト映画の発想とは真逆の、あらゆる細部を逃さずに徹底的書き込む「全体小説」。これでしか表現できないことがある。
    「なお、優れた『レ・ミゼラブル」論を書いたバルガス・リョサはこれに関して、この小説によってただちに社会が変わるといったことはないにとしても、「じぶんたちが生きている世界よりも正しく、理にかない、美しい世界」への郷愁と希求が個々の人のなかに植えつけられ、「人間の歴史が前進し、進歩という言葉に意味があり、文明がたんなる修辞的な偽装ではなく、野蛮を後退させる現実になる」という期待の弾みには確実になりうると述べているが、訳者はこの評言に全面的に賛成する。」(522頁、解説より)私

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    2024年01月21日
  • 笑いと忘却の書

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    クンデラの作品の魅力にチェコの歴史が持つ政治的困難さを背景とした恋愛劇という要素があるのだが、これが何より素晴らしいのは恋愛の様相がそのまま政治的メタファーとして機能していることだ。愛し合う二人にも決して対等な関係は成立せず、多くの場合はその力関係と駆け引きに右往左往するその姿は、大国と小国の関係性と何の変わりもない。そして、時に政治は恋愛以上に個人的なものとして現れる。そのような状況に陥った時、人は比喩の重要性に、反語の持つ力強さに、変奏曲の様な多層的語り口の可能性に気が付くのだ。ひたすらに胸を打つ。

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    2014年09月23日
  • ヴィクトール・ユゴー 言葉と権力

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    文人政治家としてのユゴーを、各時代の政治的立場や表現物から時系列的に解説している書籍。
    ナポレオン1世とユゴーの父レオポールの関係やナポレオン一族との関わり、ナポレオン3世との対立など。
    演説や詩、『見聞録』からの引用も多いが、『レ・ミゼラブル』からの引用も度々ある。
    要所要所でユゴー先生が褒め褒めされていて、なんかほっこりした。
    歴史的事件についての解説もほどよくあり、読みやすい。
    ユゴー略年表付き。

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    2025年11月23日
  • 新訳 モンテ・クリスト伯 3

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    ネタバレ

    復讐譚とは知っていたけど、読み始めて驚いたのは、当時のナポレオン失脚時からの歴史情勢が色濃く出ていて、歴史的背景がしっかり書き込まれていることで、大人レベルの優良小説だったということ。あと、モンテクリスト伯は裏切りに合うのも早く、長期入牢してはいるけれど、そこまでひどく書かれておらず、予想より早めに復讐譚が始まったことなど、全体に物語のテンポが良く、とても読みやすいということだった。違う読書もはさみながら、最後まで完走したい。

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    2024年12月19日
  • 新訳 モンテ・クリスト伯 1

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    ネタバレ

    何十年ぶりかの新訳が5冊完結で出るということで興味が出た。まず、この作品はもう少し若い時に読むべきだったと思うけど、そこまで手が回らなかった。子供の時の思い出としては、大阪万博か何かの紹介本で、赤塚不二夫のヒトコマで嵐の岩山で涙ぐむモンテクリスト伯に扮したココロの親分を見て、小説のイメージが刷り込まれ、読むのをためらっていたという不思議な記憶がある。継続して読みたい。

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    2024年12月19日
  • 緩やかさ

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    ネタバレ

     シュール。皮肉的で滑稽でさえある。でも不思議と、充実感のある満ち足りた小説であるように感じた。それまで一見バラバラに進んでいたいくつかの物語が、山場になってドミノ倒しのように連続して影響を与えているのが面白かった。
     クンデラ作品は存在の耐えられない軽さに続いて二冊目だが、もしかして作者は尻の穴がとてつもなく好きなのか...!?と困惑している。‘‘おどけ‘‘で、真面目な雰囲気をぶち壊すために入れられているのはもちろん理解しているのだけど、それにしたって、いや、...。ちょっと捉え方に困る。実はエロとみるかギャグなのか私の心が揺れてるだけなんだ。面白い。
     スペクタクル、というテーマは現代的だ

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    2024年07月08日
  • 小説の技法

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    カフカベタ褒め。
    役所を幻想的なものとして見たカフカはやっぱりどこかイカれてる。
    存在の耐えられない〜読みます。
    小説家らしく小説でしか表現できないものを追求してるその姿勢に、身を引き締められる。
    小説家は自らの実存を作品に見出す。
    テーマと物語のバランスが往々にして崩れている作品はよく見る。テーマ語りとは逸脱行為だということを自覚する必要がある。
    上手ければいいと思うけど。

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    2023年10月17日
  • レ・ミゼラブル 第一部 ファンチーヌ

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    小学生の頃、子供向けの「ああ無情」を読んで読書感想文を書きました。ただし途中までしか読まずに。
    神父さんがジャン・バルジャンに食器だけでなく燭台まであげる気持ちがわからなかったし、弟が捕まっているのにジャンのお姉さんがなんで知らんぷりなのかも分からなかった。
    マドレーヌという美味しそうな名前にクギヅケになった後、「パンを盗んで19年間も牢屋に入れられるなんてかわいそう」「神父さん、すごく優しい人」「ジャンバルジャンは力持ち」という内容を伸ばし伸ばし書いて提出したような気がします。
    なので映画の予告編を見た時、アンハサウェイは何の役???と思ったほどのお粗末さでした。

    まず、ミリエルは神父さん

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    2023年07月09日
  • 笑いと忘却の書

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    7部構成であったが、1部ごとに話が全く異なり、主人公も異なる。幻想的なストーリーがほとんどである。チェコの政治状況も少し含んで書いてある。

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    2021年06月11日
  • 別れのワルツ

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    本人がフランス語で書いた小説である。結末は簡単に推測できるので、推理的な面はない。訳者があとがきで記載しているのは、クンデラは小説にユーモアを入れたかったという。そこで、チェコのユーモアを読み取るためには良い素材であろう。

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    2021年05月27日
  • 小説の技法

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    ミラン・クンデラの小説を全て読んでから読む本であった。クンデラの小説を自分で解説しているからである。クンデラがフランス語で書いた本ということであるが、フランス語と英語の翻訳の小説は適当に部分を省略したり、文章をバラバラにしたりしている、と書いているが、チェコ語が読めないので仕方がない。クンデラについて卒論を書くためには必須の本であろう。

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    2021年04月30日
  • レ・ミゼラブル 第二部 コゼット

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    ネタバレ

    現地の教会事情とジャンバルジャンとコゼットが教会で過ごせる様になるまでの話し。
    今回の社会面で書かれてたのは、ある一戦についてとこの時代の教会の実態、闇についてだったから、読み進めるのが少し辛かった。

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    2021年02月14日
  • レ・ミゼラブル 第一部 ファンチーヌ

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    坂幸太郎さんのホワイトラビットの物語の中で
    出てきていたので気になって購入。確かに本筋と少しズレた話し(登場人物の人生についてや、その出来事があった社会背景など)がちょこちょこ挟まれるけど、私はそこが面白いなって思った。西洋美術が好きだから宗教的な話しも違和感なかったし、思いの外読みやすかった。なにより淡々と物語が進んでいくと思っていたけど、割と山あり谷ありの物語だったから飽きずに読めた。第2部も期待しかない。笑

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    2021年02月12日
  • 別れのワルツ

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    テンポよく読めるけれども、テーマはそこまで軽くない。トランペット奏者は話のきっかけなのであってどんどん存在感がなくなっていく。亡命を計画しているヤクブが主人公に近いのか、ラスコリニコフと自分の比較をする部分は面白かった。にしても医者スクレタ、グロテスクすぎる。

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    2017年03月22日