あらすじ
美貌の高級娼婦マルグリットはパリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた。だが、青年アルマンに出逢い、彼女は初めて「愛」というものを知る。パリ近郊の別荘に駆け落ちした二人だが……。
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Posted by ブクログ
想像以上に良かった。
名作なだけあって色んな感情が一気に湧いてきた。
アルマンのマルグリットに対する強い想いに発狂した時は、どうか落ち着いてと話を聞いてあげたくなった。
マルグリットの立場もあり、凡庸な青年アルマンとの恋はあまりにも壁が大きくて高すぎた。
それでもマルグリットがアルマンの強い想いに応えるように、持ち前の気高い性質の中で気品に溢れていく所と慎ましやかな女性になっていく所が哀しいと同時にあたたかさも感じる。
アルマンが望む形にならなくて奔走し、お互いを犠牲にして二人だけの小さくても良いからという僅かな幸福と短い期間だけの素晴らしい暮らしに、その後の落ち方が辛かった。
オペラも是非きいてみたい。
Posted by ブクログ
高級娼婦マルグリット・ゴーティエと青年アルマン・デュヴァルの恋愛小説。
お互いがお互いを想うあまり、すれ違いや仲違いをくり返す。最後のほうは、マルグリットが可哀そうで切なくて胸がしめつけられた。
Posted by ブクログ
本編もさることながら、訳者解説に興味を引かれてしまった。
デュマ・フィスとマリー・デュプレシーの馴れ初めである。
妻であり自身の二人の娘を産んだ妻よりも、かつての恋人マリーの墓の近くへの埋葬を求めた、なんて未練たらしいことだろうか。
つまり、デュマ・フィスをモデルにしたとされるアルマンの後日譚があるとすれば、マルグリットのことが忘れられず、死ぬまでその影を求め探し続けるのだろう。
アルマンの父はマルグリットを去らせることで娘の幸せは守れたが、アルマン自身とその妻の心の平安や満ち足りた幸せは残念ながら死ぬまで失わせたのだ。