中室牧子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『学力の経済学』読書記録(2026年8月)流し読み
よく教育系の動画に出演されているのを拝見しているが、そこで話されていることと共通することも多い。
全体的にエビデンスが書いてあるため結論が一見わかりにくい所はあったが、共感できる内容だった。
教育について「常識」ではなく、「データ(エビデンス)」で考えることの大切さを伝える一冊。
特に印象に残ったのは、幼児期への投資は人生で最も効果が高いということ。ただし、それは早期教育や詰め込み学習ではなく、子どもが安心して学び、遊び、挑戦できる質の高い教育環境への投資を意味している点が重要だった。
また、人生の成功には学力だけでなく、**非認知能力(やり抜く力、自己コントロール、好奇心、社会性など)**が大きく関わるというヘックマン教授の研究も非常に印象的だった。子どもには知識を教えるだけでなく、「知りたい」「やってみたい」という気持ちや、自分で学び続ける力を育てたいと改めて感じた。
ご褒美についても、「結果」ではなく「行動」に与えるほうが効果的という研究は納得感があった。テストの点数ではなく、本を読む、勉強する習慣を作るなど、子ども自身がコントロールできる行動を評価することが大切だと学んだ。
「勉強しなさい」と言い続けるよりも、勉強する環境を整えること、しつけは勤勉性や自己管理能力を育てるためのものであることなど、日々の子育てにもすぐ生かしたい内容が多かった。
全体を通して、「子どもを変えようとするのではなく、子どもが育つ環境を整えること」が教育で最も重要だというメッセージが心に残った。 -
Posted by ブクログ
2026/07/12 中室牧子「科学的根拠で子育て」☆
教育政策は様々あるが、その成果・効果の検証は少ない。
本書は「教育政策」における「エビデンスに基づく政策形成」を模索する。Evidence Based Policy Making : EBPM
日本の不得手なところ。おもんばかる・反省をしない
1.学校に必要な「手術室を1つ空けておく」余裕が潤滑油(258)
全体最適が個別の円滑化を図り、全体のパフォーマンスを高める
目先の一所懸命は逆効果 「合成の誤謬」
「優先順位をつける」←EBPM
2.2050年までに生産年齢人口はΔ20%減少する(257)
① 首都圏 生産年齢人口Δ10% 高齢者+30%
② 標準県 生産年齢人口Δ30% 高齢者±0%
③ 過疎県 生産年齢人口Δ50% 高齢者Δ30%
⇒セグメントグループに分ける=見通しと対策が異なる!
3.教育の「質」を測る(217)日本では不可能 質の差は評価できない
世界は「数値化」の努力をしてノウハウがある
幼稚園長の理念大きい ①基礎学力重視 ②関心・経験重視
4.「教員」こそが教育の核(246)
教員の指導力の改善・向上
=子どもたちの習熟度に合った指導
①学力②非認知能力の両方を伸ばせる先生は少ない(79)
5.子どもたちの未来へ①スポーツ②リーダー③非認知能力
6.目標設定 2タイプ
① インプットに目標を設定◎
② アウトプットに目標を設定✕
やり方が判らないと成果が出ない -
Posted by ブクログ
学校教育においては、しばしば教師の感覚や経験に依拠した実践が行われがちである。しかし本書は、教育経済学の視点から、エビデンスに基づいた方法論を提示しており、その前提を静かに揺さぶってくる。
特に印象的だったのは、日本では費用対効果の低い施策が継続されていたり、教育に関するデータが十分に公開されていなかったりと、他国と比較して「もったいない」状況が存在している点である。教育に対する熱意があるにもかかわらず、それが必ずしも効果的な形で活かされていない現実が見えてくる。
また、「褒める」という行為や、「良い教師」とは何かといった身近なテーマ、さらにはテレビゲームに関する議論についても、直感とは異なる角度からの知見が示されており、新たな視点を得ることができた。
教育に携わる者として、自分の実践や価値観を少し引き直して考えるきっかけになった一冊だった。