中室牧子のレビュー一覧
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内容的にはとても面白い。
今ピンポイントな課題ではないなあという観点から4点。
この本自体は大学在学中に経済学部界隈で話題になっていたので前から気になっていたもの。今回漫画化されているのを発見して購入。
「その教育にエビデンスはありますか?」
今まで曖昧な基準の中で行われてきた子供の教育を経済学で読み解いた一冊。
最近のあらゆるものがデータで読み解かれて行く流れはとても興味深い。
#コロンビア大学のミュラー教授の実験。
子供に対して「能力を褒める(あなたは良くできる)」グループと「努力を褒める(あなたは良く頑張った)」グループを作って検証したところ、努力を褒めたグループは長期的にIQテス -
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ネタバレ因果関係か相関関係か。
全くの偶然ではないか、第3の変数(交絡因子)が存在していないか、逆の因果関係(原因と結果が逆方向ではないか)。
反事実を証明できればいいが、実験できなければ不可能。
回帰分析で交絡因子の影響を取り除く=重回帰分析
事前実験と類似実験=偶然の出来事で生じた数値を活かす
ランダム化比較試験=対象をランダムに割り当てて実験する。
メタアナリシス=複数のランダム化実験を結果を統合する。メタとは、高次の、という意味。
統計的に有意=95%以上の確率で。表が4~5回連続で出る程度の確率。
健診に長生きとの因果関係はない。特定の検診は別。国立がん研究センターの「科学的根拠に基 -
Posted by ブクログ
印象に残ったのは、兄弟がいる場合は1番上がその後の成績や給与水準が高いという話。親が最も時間を多くかけているからという理屈では分かるんだけど、ちょっと意外な気もした。
男女で共学か別学かで男子は男子だけの方が競争心をあおられるから学力上がるとか。
偏差値の高い学校に無理して入ってもついていけないと逆効果で自分が上位水準にいる方がその後良い結果をもたらすとか。
最後に、こういった研究は再現できないことが多々あると元も子もない感じのことも書いてあったけど、まあ確かにそうなのよね。わかる。。。
とりあえず、一つのデータとして頭の片隅に置いておきたいなとは思った。 -
Posted by ブクログ
多様な視点、様々な経験、知識の幅(Range)を得ることがこれからの世を生き抜く上で大切になる。
そのための遠回りが実は将来的に人間の強みになると。その点は素晴らしい。ただ、著書は個人プレーヤーの事例が多く、チームプレイの事例がほぼない。さらにまとめがないのでまとまりにかける。
広い視野を持つことで、アイデア同士を結びつけ問題解決へとつながる。これは視野が狭いと出てこない。
どちらが良いのかってのは個人によるんじゃないですか。卵を1つに盛ったほうが良いと感じる人もいれば、卵を1つに盛らず分散させたほうが良いと感じる人もいる。ただ、自分の方向性に近い寄り道や試行錯誤は良い結果を生みそうだけ -
Posted by ブクログ
子育てに悩む人が読むと、かえって悩みが深まってしまうのではないか──そんなことを思いながら読んだ。
この本は、子育ての“正解”を提示するというよりも、むしろ「正解とは何か?」という問いそのものを投げかけてくる。だからこそ、読む人によっては戸惑いや混乱を覚えるかもしれない。個人的には普段から論文執筆に携わっており、専門的な文章を読むことにも慣れているので、この“論文あるある”の「結局、どっちが正しいんだ?」という曖昧さすら、もはや心地よく感じられた。もし子育てに悩んでいる人がこの本を手に取ったなら、どうかこの本のせいでさらに子育てに迷いすぎませんように…そう願う。 -
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Posted by ブクログ
「親に読んでほしかった本」の教育版って感じだ。
親がこの本を読んでいれば、自分はもっと優秀で、頭が良くて、いい仕事に就くことができて、より充実した人生を歩めたかもしれないのに・・・そんなことを思わせるような内容だった。
世界中のさまざまな実験結果やデータがたくさん紹介されており、とても興味深かった。「やっぱりそうか」と感じることもあれば、「これは意外だったな」と驚くことも。
「自分に子どもができたらどうするか」とつい妄想してしまうが、かつては正しいとされた教育、子育て法が今では変わっているのと同じように、今日流行りの子育て法や教育に良いとされているものもまた、いつか「実は正しくなかった」と覆