中室牧子のレビュー一覧
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ネタバレ「因果関係」と「相関関係」を混同しないようにしましょう、という本。
それを明らかにするために必要になるのが「因果推論」
本書は個別具体的な因果推論の方法について、数式などは用いずに説明をしてくれている。
○因果関係を確認するための3つのチェックポイント
1 「まったくの偶然」ではないか
2 「第3の変数」は存在していないか
3 「逆の因果関係」は存在していないか
○因果推論の方法
ランダム化比較試験、自然実験、差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法、回帰分析
○因果推論の5ステップ
1 「原因」は何か
2 「結果」は何か
3 3つのチェックポイントを確認しよう
4 反 -
Posted by ブクログ
読みやすくて興味深い内容が多かったです。
努力を評価することと非認知能力を育てるという部分が重要だと思いました。
他のマンガでわかるシリーズと比較すると少し密度は薄いかも(でもすんなり読めてよかった)
[要約メモ]
・結果ではなく努力を評価する
・認知能力だけではなく、非認知能力を育成することが大事
→やり抜く力と自制心を育てることが大事
・相関関係と因果関係を意識して教育する(相関関係のものを因果関係だと思って教育しない)
・男女共学より別学の方が学習度が高い
→男女で教え方が異なるから、男子は競争させて、女子は1人で自己目標を達成した方が良い傾向にある
・クラスの中心人物の人柄で周囲の -
Posted by ブクログ
「データを利用して分析する」なんて誰でも思いつく発想ですが、その「分析」とはの部分を深く考えるきっかけになれる良い本だと思います。
この本でも紹介されましたが、因果関係と相関関係をごっちゃにしている事例は多々ありますね。
それがテレビとかのちょっとした話題で取り上げるならまだ良いですが、政策を打ち出す時、企業が事業としてお金を使う時にこの2つの関係を理解せずに動くと大きな損失になることを学びました。
反事実というのが個人的には興味深かったです。
今はマーケティングのような部署に所属しているのですが、「もし」をたくさん考える機会が多く、この本を読んでいて非常に楽しかったです。 -
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ネタバレ◯まとめ
①幅広な学び、他領域の経験を重ねることで、優れた結果、成績を残すことができる(スポーツから学術領域まで)
②専門に特化すると、得意な領域に関する知識、経験のみで判断する近視眼的思考に陥りやすくなる。結果、誤った結論が導かれることがある。別領域の観点から物事を俯瞰するアナロジー思考によりたどり着く答えもある
③科学や企業活動におけるブレイクスルーの元となるアイデアは、専門外の別領域との掛け合わせで生まれる(グラフェンや枯れた技術の水平思考の事例)。それらを起こすには、分野同士の接点を増やす機会を増やすことが必要。
◯意識の変化
早期に専門特化をしなかったことによる「遅れをとった」とい -
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はじめに タイガー・ウッズvsロジャー・フェデラー
第1章 早期教育に意味はあるか
2009年に、カーネマンとクラインは通常はあまり見られない手段を取った。それは、論文を共著し、それぞれの見解を述べて、意見が一致する点を探るという方法だった。そして二人は、「経験が専門的な能力につながるかどうかは、それがどんな領域かによる」という点で意見の一致を見た。経験はチェスやポーカーのプレーヤーや消防士の能力向上には効果があるが、金融や政界のトレンドの予測、従業員や患者の能力の予測では効果がなかった。
クラインが研究した領域は、直感的なパターン認識が強力に働く領域で、心理学者のロビン・ホガースが「親 -
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専門性に特化した教育vs多様性の教育
経験が役に立つ分野では
専門性に偏る意味はあるかもしれないが、
世界のほとんどは急速に変化していて
新しいアイデアを結びつけたりする必要がある。
経験が役に立たないから多様性の方が大切。
やり抜く力が強すぎると
多様性は身につかず専門性だけ高くなる。
選択肢を全力で試し、それが自分に合っているか
できるだけ早く知ろうとしないといけない。
ゴッホみたいに何度も職種を変えていくのが例
早く学ぶ方法では、
誰もができることを人より早くできるように
なるかもしれないが
それは遅いか早いかでみんなできる。
大切なことを学ぶには時間がかかる
目の前の問題を解決 -
Posted by ブクログ
「知識の幅が最強の武器になる」というキャッチコピーに惹かれて手にした本。幅広いあらゆる経験が自分の中で消化される、経験値を貯めていくような感覚の裏付けになるような論旨であり、まさに期待していた内容だった。スポーツ選手や芸術家から色んな分野の研究まで、根拠としてあげるエピソードの多種多様さにも驚いた。
できるだけ早期に狭い領域に専門特化すべきという考え方は、過大評価されている。より複雑化した現代社会では、従来のパターンに頼らず新たなパターンを導き出して変化に対応することが求められ、1つの問題や領域の概念的な知識を全く別の問題や領域に適用する、「知識移転」の能力が求められる。多くの文脈で学べば