【感想・ネタバレ】「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法のレビュー

あらすじ

「健診を受けていれば健康になれる」「テレビを見せると子どもの学力が下がる」「偏差値の高い大学に行けば収入は上がる」はなぜ間違いなのか? 世界中の経済学者がこぞって用いる最新手法「因果推論」を数式なしで徹底的にわかりやすく解説。世のなかにあふれる「根拠のない通説」にだまされなくなる!

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因果と相関についてこれほどわかりやすい本が他にあるだろうか

誰もが混同しがちな因果関係と相関関係について分かりやすい具体例を挙げて説明してくれる金字塔ともいえる一冊。各メディアで様々な情報があふれかえる現代、適切な認識と判断をしていくためにもすべての人に読んでほしい名著。

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2025年08月03日

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数年前に読んでたのを再読。
因果関係と相関関係が混同されるケースが多いので、再確認のために。
裏を返せば、これらは恣意的に混同出来てしまうということ。
著者曰く、因果関係のはっきりしない根拠のない通説は、教育と医療の分野で特に多いようです。
因果推論をきちんと理解し、きちんと物事を分析していくことが大事ですね。

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2025年06月03日

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因果推論の初級の書ということで読んだ。計算式なく読める。豊富な実例、因果と相関、交絡因子、回帰分析、重回帰分析の入口になっている。

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2025年05月04日

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全体的にテンポよく書かれていて、開くたびに"そうなのか"とタメになる事が書かれていて、とても面白い。世の中の当たり前をデータに基づいた正しい結果でぶった斬っていく感じや、その中でデータ分析手法を教えてくれるところなど、総合的にとても読みやすく勉強になった。

そして読み進めていくと、いかに世の中に出回っている情報が根拠に乏しく、いかに我々がそれに踊らされているかを痛感させてくれる。

ただし、根気やとして書かれる論文の元ネタは海外での実験結果であることが多いため、全ての結論を日本にも当てはまるかと言うとそうでもなさそうのスタンスで読む必要あり。

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2025年04月27日

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教育や経済、医療について因果関係を推測・評価する方法がわかりやすく解説されています。専門的な知識が欲しい人には物足りないかもしれませんが、初心者や素人にはちょうど良い難易度になっていると思います。それぞれの解析法に具体例と引用文献がきちんとついているのも評価高いです。
著者の中室牧子さんは、この本(2017)以外には「『学力』の経済学(2015)」しか著作がなく、少ないのが残念です。いずれも出版から年数が経っているので、そろそろ新刊が欲しいところです。

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2025年02月05日

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ネタバレ

メモ
相関関係なのかは因果関係なのか。如何に因果関係を見抜くか。

因果関係を読み解く5ステップ
1.原因は何か
2.結果は何か
3.3つのチェックポイント
①まったくの偶然ではないか②交絡因子(第三因子)が存在しないか③逆の因果関係は存在しないか
4.反事実を作り出そう
反事実を作り出せない場合が多いので、「最もらしいデータ」で置き換える必要がある。
(本書の見直しポイント...実験か、手元のデータを用いた実験のような状況を再現(自然実験)、実験をまねる擬似実験、前後比較を改良した差の差分析、操作変数法(第三の変数を利用)、回帰不連続デザイン(ジャンプに注目)、
5.比較可能になるよう調整しよう、マッチング法(複数の共変量をひとまとめにするプロペンシティ・スコア・マッチング)、回帰分析&重回帰分析)

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2024年01月04日

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因果関係と相関関係の違いを、どうしたら因果関係があると言えるのか
いろいろなパターンで観測する方法が優しく例をもとに書かれている。
なにか研究分析をするならまず初めに読むべき本

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2023年09月26日

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経済学を学ぶ人だけではなく、日常でも大切な「因果関係と相関関係の違いとは何か」という基本中の基本から、ある原因と結果が因果関係なのかそれとも相関関係なのかを正しく見極めるための方法論としての「因果推論」の幾つかの方法を実際の研究結果を例に著した一冊です。難しい話は、専門書を読むことで補うように出来ている入門中の入門書なので、どなたでも読むことが出来ます。「因果推論」をさらに学びたい方と統計ソフトの使い方を知りたい方のために巻末には専門書のブックガイドが付いています。

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2023年03月23日

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因果推論と分析の基本概念を理解できる1冊。
データサイエンスを学びたいけど何から始めればいいのか分からない社会人向け。根底にある概念を学べる。
章が分かれているが、一貫して同じ型で書かれてありすごく読みやすい。
因果関係と相関関係の区別がつくようになる。
【学んだこと】
因果関係のチェックポイント3
①まったくの偶然ではないか
②第3の変数は存在していないか
③逆の因果関係は存在していないか
反事実→もっともらしい値を用いる
メタアナリシス
ランダム化比較実験(介入群と対照群)
自然実験
擬似実験
-差の差分析
-操作変数法
-回帰不連続デザイン
-マッチング法
回帰分析
内的妥当性と外的妥当性
因果推論の5ステップ
①「原因」は何か
②「結果」は何か
③3つのチェックポイントを確認
④反事実を作り出す
⑤比較可能になるよう調整

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2022年10月06日

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統計学・計量経済学分野の入門本は非常に難解である場合が多いため、
初学者や学部生向けの本としては決定版といえる

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2023年10月07日

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原因と結果の関係性を正確に把握できないと、間違った情報により、間違ったことを行い、自身の損失となる。今の時代、様々な要因がありすぎで、原因と結果の関係性が見えなくなっている。そこを明確にする術がかかれている。難易度は高いが、まずは因果関係を意識する事。

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2025年07月27日

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ネタバレ

「因果関係」と「相関関係」を混同しないようにしましょう、という本。
それを明らかにするために必要になるのが「因果推論」

本書は個別具体的な因果推論の方法について、数式などは用いずに説明をしてくれている。

○因果関係を確認するための3つのチェックポイント
1 「まったくの偶然」ではないか
2 「第3の変数」は存在していないか
3 「逆の因果関係」は存在していないか

○因果推論の方法
ランダム化比較試験、自然実験、差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法、回帰分析

○因果推論の5ステップ
1 「原因」は何か
2 「結果」は何か
3 3つのチェックポイントを確認しよう
4 反事実を作り出そう
 ⇒「もっともらしいデータ」で置き換える必要がある
5 比較可能になるよう調整しよう

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2024年08月31日

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「データを利用して分析する」なんて誰でも思いつく発想ですが、その「分析」とはの部分を深く考えるきっかけになれる良い本だと思います。

この本でも紹介されましたが、因果関係と相関関係をごっちゃにしている事例は多々ありますね。
それがテレビとかのちょっとした話題で取り上げるならまだ良いですが、政策を打ち出す時、企業が事業としてお金を使う時にこの2つの関係を理解せずに動くと大きな損失になることを学びました。

反事実というのが個人的には興味深かったです。
今はマーケティングのような部署に所属しているのですが、「もし」をたくさん考える機会が多く、この本を読んでいて非常に楽しかったです。

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2024年07月29日

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行動経済学の入門本としてどこかでおすすめされていたので、行動経済学とはなにか?を求めて読んでみた。
ちょっと違った。
後半は統計解析手法の羅列だった。
統計ってなに?を知れる本かも。

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2024年06月24日

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こんな表現の仕方もあるんだ と新たに学んだものもあった。内容は経験からくるものか、普段から理解し使っている。
『相関関係があっても、因果関係かあるとは限らない』そやな。1.全くの偶然ではないか、2.交絡因子が存在しないか、3.逆の因果関係は存在しないか 確認だ

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2024年11月02日

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数式とかは一切出てこない。非常にわかりやすく基礎的な分析方法について学べる。扱っているテーマも面白い。

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2023年06月26日

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『イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学』でのオススメもあり(あと、たしか『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』でも)、読みました。確かにわかりやすい。読んでよかったです。
ピアエフェクトについて書かれた、第6章の "学力の高い友人に囲まれても自分の学力は上がらない" のところが面白かったです。

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2022年08月18日

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ネタバレ

因果関係か相関関係か。
全くの偶然ではないか、第3の変数(交絡因子)が存在していないか、逆の因果関係(原因と結果が逆方向ではないか)。

反事実を証明できればいいが、実験できなければ不可能。

回帰分析で交絡因子の影響を取り除く=重回帰分析
事前実験と類似実験=偶然の出来事で生じた数値を活かす
ランダム化比較試験=対象をランダムに割り当てて実験する。
メタアナリシス=複数のランダム化実験を結果を統合する。メタとは、高次の、という意味。

統計的に有意=95%以上の確率で。表が4~5回連続で出る程度の確率。

健診に長生きとの因果関係はない。特定の検診は別。国立がん研究センターの「科学的根拠に基づくがん検診推進」

ホスピタリスト=外来患者を診療せず入院患者に専念する。ランダムに割り当てられる。内科医は女性のほうが基本治療に忠実なため長生きできる。

出生時体重は重いほうが健康状態はいい。小さく産んで大きく育てるは母体のため。
胎児起源説「オリジンズ」

認可保育所を増やしても母親の就業率は上がらない。祖父母、民間保育所の代替えになるだけ。

なだらかに最低賃金を上げても雇用は減らない。企業は価格を上げる。

母親が大卒だと子供の健康状態はいい。(健康に気を使う)

無理して高偏差値の学校に行っても学力に差はない。

高齢者の医療費の自己負担を増やしても死亡率は変わらないが、病院に行く回数は減る。

女性取締役を法令で無理やり増やすと企業価値が減る。

A/Bテスト=広告の文字を変更する、写真を変える、など。女性の写真と、簡素な広告、が効果がある。

ルービンの因果推論モデル。「因果推論」
政策評価、疫学に応用された。

分析の内的妥当性と外的妥当性。


再読記録ーーーーー
因果関係をチェックするポイント=全くの偶然ではないか、第三因子はないか、逆の因果関係ではないか。
反事実における結果が必要=原因がなかった場合に結果がないこと。
回帰分析<自然実験と疑似実験<ランダム化比較試験<メタアナリシスの順。

チョコレートの消費量とノーベル賞の受賞者数は、裕福度合いが第三因子になっている。
医療費を高くすると受診を控える。貧困層以外の健康状態は変わらない。
外生的なショックを利用して、ランダム化比較試験を行ったような状況を利用する。
女性医師が担当すると死亡率が低くなる。

疑似実験=差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法。
年が違うと広告の有無は正しく測定できない=景気がtoshiによって違う=差の差分析。
認可保育所を増やしても就業率はあがらない。私的保育サービスを代替しただけ。
最低賃金の上昇が雇用に与えた影響=州ごとに最低賃金が違うことを利用した自然実験。最低賃金を上げても雇用には影響しない。差の差分析。

操作変数法
結果には直接影響を与えないが、原因に影響を与えることで間接的に結果に影響を与える。広告料の割引があれば広告を出すお店が増える可能性がある。

テレビを見るから学力が低くなる、か学力の引き子どもは良くテレビを見ている、か。貧困家庭では、テレビを見ると成績が上がる効果がある。
教育は株式や債券よりも利回りが良く次の世代まで影響する。

回帰不連続デザイン
友人の学力と自分の学力の間に因果関係があるか。連続した学力の子どもが、進学した学校によって違いがでるか。ほとんど関係はなかった。
高齢者の医療費の自己負担割合が増えても、死亡率は変わらない。外来受診は減る。

マッチング法
同じような店舗を比較する。よく似た対照群を選ぶ。何を似たものとするか=共変数はなにか。いくつかの共変量をひとまとめにするプロペンシティスコアマッチング。
偏差値の高い大学に入っても収入は上がらない。

簡素で情報が少ないDMのほうが顧客を増やす効果があった。
交絡因子の影響を取り除く重回帰分析。

内的妥当性と外的妥当性。同じ集団で同じ結果が再現されるか、アメリカの結果が日本でも同じか。
因果推論のステップ=原因は何か、結果は何か、反事実はどうか、比較可能なグループか確かめる。

メキシコのプログレッサ計画。ランダム化比較試験で政策効果を示した。マサチューセッツ工科大学の貧困アクションラボ。

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2024年05月27日

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原因と結果の間の誤謬など挙げながら、相関などとの関係を説明する。その中で簡単な統計的な概念を入れることで「経済学」としているようだが、必ずしも「経済学」的に深い説明があるわけではない。
よって、原因と結果の誤謬とそれを避けるようなアプローチ、手法について学びたい入門者にとって良い本だと思うが、経済額としての深みを期待して読むと期待外れだろう。

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2025年11月30日

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因果推論のベースになる考え方をザックリ提示する読み物。雑学レベルだが、アウトラインがわかっているかどうかは勉強を始める際には大事。ここから少しずつ別の入門書で掘っていけばいいんじゃないでしょうか。

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2024年12月26日

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因果関係と相関関係は違うのだよ、っていう本。事例が多くて面白い。統計とか回帰分析とか学びたい方向けかな。

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2024年07月16日

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二つの事柄の関係について、普段は深く考えず、直観や印象に従っているように思う。
正しい行動を選択するために、因果関係と相関関係の違いを理解して、直面する事柄の間の関係がどちらなのか正しく判定するように気を付けたいと思った。

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2024年04月16日

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経済学の研究に参考になればと思って読んだ。
自分は分析で自分の理想とする相関関係を追い求めたが、因果関係について、この本を読んで気付くことができた。
因果関係を考えるそれぞれの分析方法については、まだまだ勉強が必要なことを痛感できました。

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2024年02月15日

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因果関係と相関関係をきちんと見分ける。因果推論の5ステップ: 「原因」を定義し「結果」を定義し3点(偶然・交絡因子・逆の因果関係)を確認する。「反事実」を作り出し、比較可能になるよう調整する。

特に政策については、常識や直感や根拠のない推論ではなく、正しいデータに基づくことは非常に重要だし価値があります。なぜもっと導入されないのかが不思議。

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2024年01月02日

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わかりやすい簡単な説明を旨とする本。引用されている例は、そこそこ面白いのだが、さらっと説明されているので、仕組みを理解するのには定義や数の扱いが詳しい方が良いと思う。

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2023年06月11日

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ネタバレ

因果関係があるのか、単なる相関関係なのかの見極めをメインテーマに可能な限り簡素化して説明してくれるのが本書。一見シンプルで理解出来た気になるが、読めば読むほど深みを感じる。因果と相関の境界は抽象的で難しい。同じテーマのもう少し専門的な本にチャレンジしたくなった。

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2023年01月31日

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因果関係にあるのか、相関関係にあるのかを見極めることは、データを見る上でとても大切だと感じた。

メタボ健診を受けているか、長生きできる(因果関係)
のか
メタボ健診を受けるぐらい健康に対する意識が高い人ほど長生きする(相関関係)
のか。

この二つを間違えないようにしていきたいと思った

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2022年10月19日

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データ分析の力 因果関係に迫る方で紹介されていたので手に取った1冊。ランダム化比較試験や自然実験等、"データ分析〜"と重なる部分も多かったので手法については新たな知見は少ない印象。

ただ、各々の手法で紹介される事実(偏差値の高い大学に行けば収入は上がるのか、認可保育園を増やせば母親は就業するのかなど)は、意外な事実となるものが多かった。

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2022年10月09日

Posted by ブクログ

データに見られる相関関係を因果関係を示す根拠とするためにはどのような注意が必要かを説く入門書。

最も重要なことをわかりやすく述べている点で評価する。

初めてでない人にとって内容は退屈かもしれないが、基礎的なデータとの向き合い方に関するコモンセンスを築く上で「このように説明すればよいのか!」という気付きが得られる。目を通しておくのも悪くないだろう。

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2022年08月17日

Posted by ブクログ

データから世の中で言われていることの事実を見抜く方法やマーケティングにおいて有効となるデータの解析方法を因果推論を用いて、多くのデータとともに解析した一冊。

教育と医療の分野において根拠のない通説を、多くの研究から得られたデータを用いて解析するとともに差の差分析やランダム化比較試験など研究から得られた分析法を用いて明かしていくところが非常に勉強になり、また知識も得ることができました。
また、条件などは図解を用いて解説されており、理解も捗りました。

世の中で正しいとされている通説やそこから派生した政策など事実を用いると間違いであるというものがあるということが本書で理解することができました。
因果関係と相関関係を意識して世間の流れに向き合っていくことが大切だと感じた一冊でした。

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2023年03月11日

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