あらすじ
「健診を受けていれば健康になれる」「テレビを見せると子どもの学力が下がる」「偏差値の高い大学に行けば収入は上がる」はなぜ間違いなのか? 世界中の経済学者がこぞって用いる最新手法「因果推論」を数式なしで徹底的にわかりやすく解説。世のなかにあふれる「根拠のない通説」にだまされなくなる!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
メモ
相関関係なのかは因果関係なのか。如何に因果関係を見抜くか。
因果関係を読み解く5ステップ
1.原因は何か
2.結果は何か
3.3つのチェックポイント
①まったくの偶然ではないか②交絡因子(第三因子)が存在しないか③逆の因果関係は存在しないか
4.反事実を作り出そう
反事実を作り出せない場合が多いので、「最もらしいデータ」で置き換える必要がある。
(本書の見直しポイント...実験か、手元のデータを用いた実験のような状況を再現(自然実験)、実験をまねる擬似実験、前後比較を改良した差の差分析、操作変数法(第三の変数を利用)、回帰不連続デザイン(ジャンプに注目)、
5.比較可能になるよう調整しよう、マッチング法(複数の共変量をひとまとめにするプロペンシティ・スコア・マッチング)、回帰分析&重回帰分析)
Posted by ブクログ
「因果関係」と「相関関係」を混同しないようにしましょう、という本。
それを明らかにするために必要になるのが「因果推論」
本書は個別具体的な因果推論の方法について、数式などは用いずに説明をしてくれている。
○因果関係を確認するための3つのチェックポイント
1 「まったくの偶然」ではないか
2 「第3の変数」は存在していないか
3 「逆の因果関係」は存在していないか
○因果推論の方法
ランダム化比較試験、自然実験、差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法、回帰分析
○因果推論の5ステップ
1 「原因」は何か
2 「結果」は何か
3 3つのチェックポイントを確認しよう
4 反事実を作り出そう
⇒「もっともらしいデータ」で置き換える必要がある
5 比較可能になるよう調整しよう
Posted by ブクログ
因果関係か相関関係か。
全くの偶然ではないか、第3の変数(交絡因子)が存在していないか、逆の因果関係(原因と結果が逆方向ではないか)。
反事実を証明できればいいが、実験できなければ不可能。
回帰分析で交絡因子の影響を取り除く=重回帰分析
事前実験と類似実験=偶然の出来事で生じた数値を活かす
ランダム化比較試験=対象をランダムに割り当てて実験する。
メタアナリシス=複数のランダム化実験を結果を統合する。メタとは、高次の、という意味。
統計的に有意=95%以上の確率で。表が4~5回連続で出る程度の確率。
健診に長生きとの因果関係はない。特定の検診は別。国立がん研究センターの「科学的根拠に基づくがん検診推進」
ホスピタリスト=外来患者を診療せず入院患者に専念する。ランダムに割り当てられる。内科医は女性のほうが基本治療に忠実なため長生きできる。
出生時体重は重いほうが健康状態はいい。小さく産んで大きく育てるは母体のため。
胎児起源説「オリジンズ」
認可保育所を増やしても母親の就業率は上がらない。祖父母、民間保育所の代替えになるだけ。
なだらかに最低賃金を上げても雇用は減らない。企業は価格を上げる。
母親が大卒だと子供の健康状態はいい。(健康に気を使う)
無理して高偏差値の学校に行っても学力に差はない。
高齢者の医療費の自己負担を増やしても死亡率は変わらないが、病院に行く回数は減る。
女性取締役を法令で無理やり増やすと企業価値が減る。
A/Bテスト=広告の文字を変更する、写真を変える、など。女性の写真と、簡素な広告、が効果がある。
ルービンの因果推論モデル。「因果推論」
政策評価、疫学に応用された。
分析の内的妥当性と外的妥当性。
再読記録ーーーーー
因果関係をチェックするポイント=全くの偶然ではないか、第三因子はないか、逆の因果関係ではないか。
反事実における結果が必要=原因がなかった場合に結果がないこと。
回帰分析<自然実験と疑似実験<ランダム化比較試験<メタアナリシスの順。
チョコレートの消費量とノーベル賞の受賞者数は、裕福度合いが第三因子になっている。
医療費を高くすると受診を控える。貧困層以外の健康状態は変わらない。
外生的なショックを利用して、ランダム化比較試験を行ったような状況を利用する。
女性医師が担当すると死亡率が低くなる。
疑似実験=差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法。
年が違うと広告の有無は正しく測定できない=景気がtoshiによって違う=差の差分析。
認可保育所を増やしても就業率はあがらない。私的保育サービスを代替しただけ。
最低賃金の上昇が雇用に与えた影響=州ごとに最低賃金が違うことを利用した自然実験。最低賃金を上げても雇用には影響しない。差の差分析。
操作変数法
結果には直接影響を与えないが、原因に影響を与えることで間接的に結果に影響を与える。広告料の割引があれば広告を出すお店が増える可能性がある。
テレビを見るから学力が低くなる、か学力の引き子どもは良くテレビを見ている、か。貧困家庭では、テレビを見ると成績が上がる効果がある。
教育は株式や債券よりも利回りが良く次の世代まで影響する。
回帰不連続デザイン
友人の学力と自分の学力の間に因果関係があるか。連続した学力の子どもが、進学した学校によって違いがでるか。ほとんど関係はなかった。
高齢者の医療費の自己負担割合が増えても、死亡率は変わらない。外来受診は減る。
マッチング法
同じような店舗を比較する。よく似た対照群を選ぶ。何を似たものとするか=共変数はなにか。いくつかの共変量をひとまとめにするプロペンシティスコアマッチング。
偏差値の高い大学に入っても収入は上がらない。
簡素で情報が少ないDMのほうが顧客を増やす効果があった。
交絡因子の影響を取り除く重回帰分析。
内的妥当性と外的妥当性。同じ集団で同じ結果が再現されるか、アメリカの結果が日本でも同じか。
因果推論のステップ=原因は何か、結果は何か、反事実はどうか、比較可能なグループか確かめる。
メキシコのプログレッサ計画。ランダム化比較試験で政策効果を示した。マサチューセッツ工科大学の貧困アクションラボ。