若木未生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ディアーナ」での苦しい結末が重く尾を引く巻。六本木を中心に「吸血鬼殺人」が起きたり、工藤かおるなど新しい登場人物が出てきたり、大きな動きはほとんどないけれど、「天冥」編の始まり、新たな謎を感じさせる巻。術者それぞれの立ち位置とか関係性が違って、それが魅力的でもあり、苦しくもある。
アクション・ファンタジーと銘打ったシリーズではあるけれども、自分はむしろ、オーラバの真骨頂はこの感情のぶつかり合いだと思うのですがどうでしょうか。決して単純な図式にはならないフェンタジー。
シリーズ通しての主人公・亮介の望み「みんなが幸せに」を、私も願わずにはいられない、剥き出しの青春のくるしみが詰まった -
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Posted by ブクログ
青春そのものと言っても過言ではない、私にとって大切な小説。
当然当時発行の文庫は持っているけれど購入。
イラストは羽海野チカさんのものが一番好きだったので
そのあたりは多少残念ではあるものの
2冊分がひとまとめになっている点、最終巻と同じサイズになる点は嬉しい。
再収録分について多くを語るつもりはないが
パワフルでキュートな朱音を主人公において
ライトノベルらしい軽くスピード感のあるテンポと
重く痛々しい心情のバランスが程良く
随分前の、それこそテレホンカードが普通に出てくる時代の物語なのに
違和感を然程感じない。
初めて読んだときに感じた『熱』を、今も変わらず感じることが出来る。
書 -
Posted by ブクログ
それぞれの想いが痛い本。重傷を負った諒。行方不明の冴子と忍。十九郎は、忍の代理を果たそうと奔走する。なんだかんだ言いつつ、術者を守る希沙良。自らの意志で中和を起こそうとする亮介。
みんな立場が違う。妖者との戦いの本なのに、前半は特に、そう言った術者の内幕の話が書かれていて、それが妙にリアルで、切ない。十九郎と冴子の、「冴子の正体」について語るシーンとか、後の「烈光の女神」とかを読んでから再読すると、またもう一段意味が深まったり。
キャラそれぞれがどうしようもなく本気で、読んでいるこっちも亮介と同じように「みんな幸せに」と願うから、尚更この、なんとも苦いラストは哀しい。
「最後には -
Posted by ブクログ
かつて家庭の問題から妖者を呼び込んでしまった諒。彼の家族は、諒が引き起こした発火によって喪われてしまうが、妹の彩だけはなんとか助かっていた。しかし、彼女には事故の後遺症が…。
彩と軽井沢で合宿をすることになった諒、亮介達。前作までのアクション路線から一変、過去の罪に足掻き、鬱屈した諒と、それを忸怩たる思いで見守る亮介の心情が物語の中心を占める作品です。
単なるサイキック・アクションに留まらない、ヒリヒリして、デリケートで、それでもなんとか希望を探そうと足掻く登場人物の描写の深さが、若木作品の最大の魅力だと思う。
好みの分かれそうな巻ですが、自分は好きだな~。今読むと、牙が冴子を忍と間違 -
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Posted by ブクログ
小6くらいのカブれやすい時期に出逢ってしまったのがいけなかったのかもしれません。私の人生を決めた作品と言っていいと思います。
思い入れがありすぎて上手く感想をかくことがまだできないでいますが、オーラバを読んだのがこれが初めてだったので、どうしても希沙良が好きで里見が嫌いです。いや、十戒の頃は里見は好きだった。セイレーンですね、嫌いになったのは…。
サイキック系というか超能力モノというか、とにかく現代の高校生が普通に学校とか行きながら悪(?)と戦う、っていう、そういう「自分ももしかしたら」的な波に飲まれてしまい、それから本当にこういう話が好きすぎます。今はあんまりみなくなってしまいましたが -
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