あらすじ
世に髪切り魔が横行した。妖の者の仕わざだった。冴子はせん司と弥峨によって、髪を切られ、かろうじて牙に助けられた。だが諒は全身に強い妖気を浴びて、痙攣の発作が起きるほどのダメージを受けており、夏江の手厚い看護でなんとか生命を保っている。一方、忍の住むマンションには強固な結界が張ってあって、十九郎たちと連絡をとらせない。十九郎は結界を破るため亮介を説得した……。
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Posted by ブクログ
それぞれの想いが痛い本。重傷を負った諒。行方不明の冴子と忍。十九郎は、忍の代理を果たそうと奔走する。なんだかんだ言いつつ、術者を守る希沙良。自らの意志で中和を起こそうとする亮介。
みんな立場が違う。妖者との戦いの本なのに、前半は特に、そう言った術者の内幕の話が書かれていて、それが妙にリアルで、切ない。十九郎と冴子の、「冴子の正体」について語るシーンとか、後の「烈光の女神」とかを読んでから再読すると、またもう一段意味が深まったり。
キャラそれぞれがどうしようもなく本気で、読んでいるこっちも亮介と同じように「みんな幸せに」と願うから、尚更この、なんとも苦いラストは哀しい。
「最後にはみんな幸せに」と、私も願いたくなった話。
Posted by ブクログ
誰もが幸せになれるって。信じるって。って話。正に「それぞれの思いが交錯する」本。前編とはうって変わってまた内輪の人間しか出てこん。しかしまぁ内輪の人間の数がそもそも多いからいいのか。