あらすじ
幻将皓は、現在随一の側近硝乃と高級シティホテルのスイートルームにいた。色鮮やかな唇で皓はひとり笑む。炎将せん司の最期を思いおこしての、静かな微笑だった。そこに雷将勝呂が、九那妃の温情を伝えるために現れた。「蘭を遣わす。幻将の手足として用いられよ」空者九那妃の分身ともいえる<使>の蘭を陣中に加えるということは、すなわち九那妃の剣を預かるに等しいことを意味したが……。
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Posted by ブクログ
正直に言えば十九郎周りの話は読んでいて苦しくなるばかりだ。
彼の気持ちを思えばどれだけ辛いかとも思う反面
いつかこういう日が来ることは分かっていたことであり
道者四人衆からすれば贅沢な悩みとも言えると思ってしまう。
周りからすれば術力があろうがなかろうが、十九郎の価値がそれで変わるわけではないのに
信用されていないような気持ちにもなってしまう。
「助けてくれ」ではなく「助けに行けない」と言われてしまう希沙良もまた
気の毒だと思うのだ。
西城敦が出てくると安心するし、彼といるなら大丈夫、と希沙良が信用しているのは
なんだか心温まるところだった。
Posted by ブクログ
出版当時以来の再読。新刊が出たので復習に。
一読して、こ、こんなところで終わっていたのだっけ…と呆然としました。むごすぎる。たぶんこの苦しさを覚えたまま新刊を待つことに堪えきれずに忘れたんだろうな…当分出ないだろうことなんてわかりきっていたし…。思い返してみればこのシリーズを読んでいて苦しい思いをしなかったことがありませんが、思春期に読んだものというのは自分の血肉になっていて、容易には切り捨てられないですね。
オーラバではずっと里見十九郎が好きなので、この人がメインの話が回ってくるといつもうれしいけどつらかったのだということもまざまざと思い出しました。『星を堕とすもの』とかね…。縁側でいとこづきあいしている十九郎と希沙良にはほのぼのしてしまうけれど、まだこの二人のバランスは完全には戻っていないのだとわかるのでそれもつらい。つらいばっかりだな!
それにしても修学旅行の朝の冴子ちゃんかわいい。冴子ちゃんと亜衣ちゃんの揺るぎない女子力(こんな言葉は2004年当時はなかった気がするけど)のおかげで、頼りないやら暴走するやらの男どもをなんとか見守っていられる、そんなシリーズ。
Posted by ブクログ
読み始めた頃は、まさか十九郎氏の歳を追い越すとは思わなんだ(笑)
今や忍様とて遙か年下なのだなあ。
どうでもいいが、私は西城氏がとても好きだ。
Posted by ブクログ
もう12年の付き合いになりますね…。結末を見ないと死ねない作品のうちのひとつ。(またか)彼本人はそんなこと望んじゃいないだろうけれど、しかしどうか…救われますように。