あらすじ
幻将皓は、現在随一の側近硝乃と高級シティホテルのスイートルームにいた。色鮮やかな唇で皓はひとり笑む。炎将せん司の最期を思いおこしての、静かな微笑だった。そこに雷将勝呂が、九那妃の温情を伝えるために現れた。「蘭を遣わす。幻将の手足として用いられよ」空者九那妃の分身ともいえる<使>の蘭を陣中に加えるということは、すなわち九那妃の剣を預かるに等しいことを意味したが……。
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Posted by ブクログ
正直に言えば十九郎周りの話は読んでいて苦しくなるばかりだ。
彼の気持ちを思えばどれだけ辛いかとも思う反面
いつかこういう日が来ることは分かっていたことであり
道者四人衆からすれば贅沢な悩みとも言えると思ってしまう。
周りからすれば術力があろうがなかろうが、十九郎の価値がそれで変わるわけではないのに
信用されていないような気持ちにもなってしまう。
「助けてくれ」ではなく「助けに行けない」と言われてしまう希沙良もまた
気の毒だと思うのだ。
西城敦が出てくると安心するし、彼といるなら大丈夫、と希沙良が信用しているのは
なんだか心温まるところだった。