相川真のレビュー一覧
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購入済み
日本酒がもっと好きになる
日本酒にまつわる短編集。
日本酒のことをもっと知りたくて、選びました。
銘柄や蘊蓄を得る内容ではなかったけれど、人と人を取り持つアイテムとしての日本酒に、温かい気持ちになりました。
最後のお話は、カフェで涙ぐんでしまいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ近代にも夢を志すフリーターはいたのだろうか?という質問を具現化したような作品。
明治末期、第一次世界大戦前の社会情勢を忠実に表現していると思う。
舞台は明治、1910年5月19日にハレー彗星の尾の中を地球が通過する噂が広まる横浜から始まる。
当時は彗星の正体は小型の天体であることは分かっていたが成分は不明で、尾には毒ガスが含まれているらしいという噂で「この世の終わりになる」のではという社会不安が広がっていた。
(2000年のノストラダムスの予言の噂話みたいw)
そんな中、前島寅太郎は、大勢にみられると緊張して演技できなくなるという致命的な欠点をもちつつ役者を目指し、東京から横浜まで身一つで -
Posted by ブクログ
ハリー彗星がやってきて、世界は滅亡、という騒動が。
その片隅で、やりたい事だけをやり続ける3人+1人。
自分のしたい事だけをする、という発想が出てくる時点で
いい所のお坊ちゃんだろう、とは思ってました。
周囲に集まってきてしまった人達も、変人とはいえ
同じ事を言っているという事は…でしたし。
こういう場合、一人真面目なのが迷惑を被るという現実。
一応手に職(?)を付けている人も出てきますが
まさかの展開、でした。
そこに繋がるのか! というのもありましたが
温和そうに笑っているのが一番…という
分かりやすい図式。
確かに、救いはあるやもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良くも悪くも素直な、まさしくキャラクター文芸です。
表紙や帯に書かれている「三人のフリーター」のキャラが際立っているし、それぞれ特徴が異なり、台詞も特に説明を要することなく誰がどのことばを発しているかわかるあたり、キャラクターの造形は魅力的。個人的には浪漫研究家の有坂さんがすごく好きです。若い子から大人まで楽しめそうな、わりと王道のお話。
ただ、ミステリとして読むのなら、内容・展開はわりとありきたりだと感じます。のっけの登場からこいつクソ怪しいな~~と思っていたらその通りの黒幕で、それが冒頭の良くも「悪くも」素直な話だと感じた理由です。もっとも、ミステリという枠組みで無かったら申し訳ないのです