あらすじ
大学進学か就職か。夏休みに入り、茜は進路に悩み始めていた。いつでも「他人が優先」の茜は、妹のすみれと自立して暮らすためには就職するべきと思いつつ、どこかで踏み切れない自分もいた。そんな折り、近所の児童館で地蔵盆の手伝いをすることになった茜たちは、奇妙な足跡を児童館のあちこちで見つけて……。変わらないもの、変わっていくもの、見えるもの、見えないもの。晩夏の地蔵盆で、秋の文化祭で、正月訪れる父の実家の笹庵で、それぞれの人が持つ「誰かを想う気持ち」に触れつつ、自らのやりたいこと、役割に気づきはじめた茜は? 季節巡る京都岡崎、青春物語第5弾!
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Posted by ブクログ
青藍さん、キャラ、変わってきましたねーー
まぁ、いいことです。
登場人物がみな、何かにとり憑かれている感じです。
茜がやっと自分自身と向き合うことができたなぁ…というお話でした。
しかし。やはり、青藍さんの絵がみたい!黒板の絵もーーっ笑
Posted by ブクログ
夏休みになり、進路を決め兼ねていた茜。妹と一緒に自立する為には就職なんだろうけれど、どこか踏ん切りがつかなかった。
そんな時、学園祭の仕事を通して学校生活を楽しむ、ただの高校生の茜の姿に不安を感じるすみれ。果たして、茜が決めた進路とは…
ずっと、姉としての立場や委員長としての役割とか、何かにつけて自分を出さなかった茜が、少しずつ本来の高校生として謳歌している姿にエールを送りたくなりました。まだまだ子供の年齢なのに、誰かに頼る事を遠慮してきた茜。それをみてきたすみれ。ようやく、自分のやりたい事を見つけられてホッとしました。
いつまでも家族ごっこはしてられないのかもしれないけれど、それでも本当の家族になりつつある月白邸のメンバーが幸せになる事を願っています。
Posted by ブクログ
今回は進路をそろそろ気にしないといけなくなってきた茜ちゃんの掘り下げ話がメイン。
いつも人のことばかりで自分のことを後回しにしてきた茜ちゃん。
後回しというか、考えの範疇から追い出していたというか。
だからいざ「自分の本当にしたいこと」を聞かれた場合に即答できないという。
高校卒業後は就職希望だけど、それは妹のすみれのため。
果たしてそれは本当に自分のしたいことなのか。
そんな自分の気持ちに夏から秋にかけてのイベントで初めて真正面から向き合ってみるという。
また見所は叔父さんと茜ちゃんたちの父親との話。
どうしてもいい印象を持てない叔父さんだが、彼の掘り下げもされたことで一方的に嫌えなくなってくるという。
ただだからといって茜ちゃんたちに対する仕打ちを許す気はないけれども。
作中でも青藍たちが言っていた通りに。
許す必要はない。
それが免罪符にはならないのだから。
ただフィクションの世界であっても勧善懲悪で判断できることばかりではない。
それによるもどかしさを感じる話だった。