相川真のレビュー一覧
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ネタバレ茜ちゃんが一歩踏み出す話もあったが、メインは青藍と陽時コンビの掘り下げだったかなと。
青藍の青春時代に二人の喧嘩。
特に後者はどうなるかと思っていたら、雨降って地固まる。
寧ろ陽時にとっては自分の居場所を再確認できたいい機会だったのかも。
こういうときのすみれちゃんは無敵。
子は鎹ではないが、四人を家族にしてくれるのは、すみれちゃんの存在が本当に大きい。
茜ちゃんも今の場所を大切と胸を張って言えるようになったし、前述通り陽時は居場所を決められた。
青藍も東院流と自分なりに今回対峙できて、一つ区切りができたのでは。
少しずつだけど確実に四人が「家族」になるため、一歩高みに踏み出したなと感じた4 -
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ネタバレ今まで茜ちゃんは頑張り過ぎていたから、風邪で弱る姿に不謹慎ながら安堵してしまった。
体も心も休む時間が必要だし、甘える日があってもいい。
まだ高校生なのだから、一人で全て抱える必要はない。
今は支えてくれる大人も、お姉ちゃんのために頑張る妹もそばにいるのだから。
後は、学校の方でも安心できる居場所ができるといいのだけれど。
「正しい」と評される京都人らしい新キャラの登場。
月白さんと先代東院家当主との知られざる繋がり。
そして、青藍と珠貴のまさかの共同作業?(なお絵を描くことではない)
今回も印象的で魅力的な物語だった。
キャラの掘り下げが進み、より深みを増していく物語。
その分、青藍の桜の -
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ネタバレ月白邸に茜とすみれ姉妹が住み始めて半年が経つ頃、かつて月白邸で取引のあった扇骨屋の依頼で「鳳凰館」に障壁画を納めると、とある少年に偽物と指摘され…
青藍が苦手とする海里。正論しか言わない為に心に棘が刺さる。それでも、心地よい言葉しか言わない人の言葉より刺さりました。欲しい言葉ではないけど、前向きになれる言葉をくれる人ですね。
先代の絵が発見され、「わが息子へ」と書いてある。青藍は兄の珠貴の事だと言い、珠貴は青藍だと言う。その絵によって、ある隠し部屋へと導かれ、蒼翠と春嵐の雅号の由来が実は父の命名だったと判った時、兄弟の確執が少し氷解したのがじんわりきました。 -
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ネタバレ月白邸での生活も徐々に慣れた頃、屋敷の元主人・月白の愛用の酒器が見つかり金継ぎの依頼をしに行く事になり、以前月白邸に住んでいた陶芸家の元を訪ねる。
元主人・月白の器の大きさ、そして青藍にとっての拠り所だった人。色々な芸術家を住まわせて居たが、月白が亡くなった事で皆それぞれの道を歩み始めた。だが、青藍だけは踏み出す事ができずにいて…
青藍も茜も大切な人を失い自暴気味になっていたけど、本当の家族になろうと歩み寄っていくのが前巻よりも進めた気がします。
茜が16にしてあれだけの料理と気配りが出来るのが凄すぎる。大切に育てられたからこそ、真っ直ぐに成長したんだと思います。
個人的にすみ -
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ネタバレ母も幼い時に亡くなり、そして父までも亡くなった。茜達の父親が実は名門の分家筋だった為、叔父の家に引き取られたが、母が天涯孤独だったのを気に入らない家の者達は茜達を邪険に扱う。そんな中、久我青藍と言う天才画家が茜達を引き取ってくれる。だが、人嫌いの青藍は人を寄せ付けずにいて…
茜とすみれ姉妹が不憫でしたが、持ち前の好奇心でするっと懐に入り込む妹のすみれと、しっかり者の茜と青藍の関係性が徐々に優しい色になっていく過程がじんわりと沁みました。早く大人になろうと頑張る茜が見てて切なかったです。それでも、少しずつ不器用ながらに心を開いて家族になろうとする3人と、画材屋の人たらしな陽時の月白邸での生 -
ネタバレ 無料版購入済み
恋愛と妖関係。
京都に帰ったひろに、待っていたのは過保護な幼なじみの拓己。と、あともう1人?水神様。シロと言う名を持つ、この水神は以前ヒロが助けた白蛇で。こういう妖?霊現象?を素早く察知するヒロと拓己、水神シロと共にこれから起きる怪奇現象を解決するストーリーなのかな?なにやら幼なじみの拓巳とシロに思いを寄せられてるようですが。ヒロは今のところ、気づいてない様子。2話の無料版の試読なのですが、絵も綺麗だし、ヒロは最終的に誰と心を寄せ合う様になるのか、これから先の展開に期待。
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ネタバレ前作のレビューに「彼が描き出したその絵に、またどんどん色が仲間が増えていってほしいと思う」と書いたが、それが現実になってくれた2巻。
表紙にもそれが描かれている。
読み終わってから改めて表紙を見ると意味が分かるものがあって感慨深い。
性格も立場もバラバラな4人のほっこり家族物語。
すみれちゃんを甘やかす大人二人は今回も健在。
特に青藍さんは他のものにも懐かれて、表紙のように不機嫌顔。
それでも突き放さないのは、やはり彼の生来の優しさだと再認識した。
前回登場した青藍さんの絵も感嘆ものの美しさだったが、今回も本当に美しい。
舞えば降る雪が見えるという扇が特に描写も巧みだったので、本当に本当に -
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ネタバレ確かに人嫌いではあるけれど、本来は面倒見のいい優しい人物なのだろう。
ただ彼の置かれていた環境や境遇が、それを素直に許してくれなかっただけで。
ここで舞台が「京都」ということが非常に活きてくるなと感じた。
偏見かもしれないが、京都の芸術系を嗜む旧家となると、それだけで血縁者がどのような境遇でいるのか、言われなくてもある程度想像できるのではないだろうか。
特に絵師の元に集う人々は、そんな旧家の出ながら彼らとは相容れない立場の人たちだったから。
実家から駆け落ちで飛び出した父に先立たれ、叔父の家で肩身を狭くして暮らしていた姉妹。
旧家から逃げ出そうとした従姉を救えなかった青年。
そして、その家 -
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日本酒を共通点にしたアンソロジー
他にも、日本酒をきっかけに自分の気質の気づきと、そこを改善するというのも共通点かも
ま、例外はあるんだけれども(笑)
・月に桂の花をみる
鋼鉄女子と呼ばれるほどキッチリした女性が、学内に設置された目安箱の変な投書に対応する話
日本酒の名前って由来が雅なもの多いよなぁ
飲む状況にしても風流な環境なら多分もっと美味しく感じるんだろうね
ただまぁ、作中で描かれている描写に関してはちょっと疑問に思うところも少々
他の人に手伝ってもらう事を前提にした仕事量を割り振っておいて、誰に頼むかは本人任せというのも上司としてはあと一歩足りないかな
仕事量を把握しているんだ -
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明治横浜れとろ奇譚シリーズ第2弾。
今回は菓子店ルゥ・ド・アムルの女主人の愛の過去に関わる話。
今回は水谷巡査はあまり出てこなかった。残念。
まぁ舞台が女学校じゃ仕方ないか。
人身売買でかどわかされる少女達が、SNSで犯罪に巻き込まれる子供達に重なる。
ほんの好奇心と、息苦しい環境から自由になるという思いで行動したのに、こんなことになるなんて…。
花田先生は、最初はこういう被害や不幸な結婚から守ってあげたいという気持ちから、私の言うとおりにしなさいという意識に変わっていったのだろうか。
しきたりや昔の慣習、子女たるもの、を押し付けて、成り上がりの美都を嘲る女学校の人間たちに息苦しさと不快