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三人の堕落者たちの優雅(?)な怪奇事件帳――時は明治末期、ハリー彗星騒動におののく横浜。役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂は定職にもつかず周囲を呆れさせている「堕落者(=フリーター)」たち。「富国強兵」もなんのその、お国の役に立たない夢野望に邁進している三人だったが、行きがかり上首を突っ込んでしまったハリー彗星退治をきっかけに、横浜に蠢く面妖怪奇な陰謀に巻き込まれることに…!?
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Posted by ブクログ
明治時代の雰囲気とかファッションとかが好きで買いました。 横浜を舞台にしてそれぞれ役者、発明家、画家を目指すも定職につかない3人の若者が活躍する話。 ミステリー要素はそんなに深くはないのですがテンポがよくサクサク読めました。 それに出て来るキャラクターに嫌味がないという意味で癖があってそこが楽しめ...続きを読むる点かな。 しかもいいとこのボンボンで跡継ぎ争いなどとは無関係な様子。 最初はどうして寅太郎は演技力はあるみたいなのにそこまで上がり症なんだろう?って思ったら最後まで読んでようやくわかりました。 あんな兄妹いたらそりゃそーなるわ(苦笑) それにしても洋菓子屋の愛さんは飄々としすぎているくらいだけれど一体何者・・・?
おもしろかったです。寅ちゃんのあの性格は兄姉たちが猫かわいがりした結果だろうなあwww バックが心強いから堕落者できるんだなあ( ̄▽ ̄;)
面白かったー。 役者志望で演技力抜群なのにあがり症、精密画ならお手の物なのにシューリズムに拘って売れない画家、頭脳明晰なのに浪漫発明家、すごい才能の持ち主なのに何処か駄目な3人組が事件を解決する。 面白かった、けど天空が黒幕って言うのは残念だった…。 4人組でちぐはぐ頑張って行くのかと思ってたので。...続きを読む 西さん親子は阿片中毒から抜け出したのかな。 佐治さんも一緒にやり直して欲しいな。 2巻も出てるらしいのでそれも読みたい
役者、絵師、学者と非常にその時代における華やかな(?)職業のようで、けれどただの無職とは惹きつける要素がてんこ盛りで面白かったです。 疾走感があって読んでいて飽きさせなかったですね。大正の頃の横浜は知らないけれど非常に詳しく魅力的に書いているのがよいと思いました。 ミステリとしてはやはり、です...続きを読むよねーという展開でしたが主人公の家族構成があれなので他の二人も予想だにしない何かを秘めているのかなという楽しみがあって次巻が気になります。 個人的なポイントとしては、上がり症な主人公が、舞台以外ではガラスの仮面ばりに役に入り込むところがギャップがあって最高でした。
明治末期の横浜を舞台に、上がり症の役者の寅太郎、腕はあるのに描きたいのは売れない絵の画家の谷、浪漫研究家として発明を繰り返す有坂が、定職に就かずにフリーター的な堕落者として邁進する。ハリー彗星の噂に慄いた自殺者が増えた影の破壊僧と阿片騒動。わいわいがやがやした三人や周囲の人たちの有り様が楽しい。
ハリー彗星がやってきて、世界は滅亡、という騒動が。 その片隅で、やりたい事だけをやり続ける3人+1人。 自分のしたい事だけをする、という発想が出てくる時点で いい所のお坊ちゃんだろう、とは思ってました。 周囲に集まってきてしまった人達も、変人とはいえ 同じ事を言っているという事は…でしたし。 こう...続きを読むいう場合、一人真面目なのが迷惑を被るという現実。 一応手に職(?)を付けている人も出てきますが まさかの展開、でした。 そこに繋がるのか! というのもありましたが 温和そうに笑っているのが一番…という 分かりやすい図式。 確かに、救いはあるやもしれません。
近代にも夢を志すフリーターはいたのだろうか?という質問を具現化したような作品。 明治末期、第一次世界大戦前の社会情勢を忠実に表現していると思う。 舞台は明治、1910年5月19日にハレー彗星の尾の中を地球が通過する噂が広まる横浜から始まる。 当時は彗星の正体は小型の天体であることは分かっていたが成...続きを読む分は不明で、尾には毒ガスが含まれているらしいという噂で「この世の終わりになる」のではという社会不安が広がっていた。 (2000年のノストラダムスの予言の噂話みたいw) そんな中、前島寅太郎は、大勢にみられると緊張して演技できなくなるという致命的な欠点をもちつつ役者を目指し、東京から横浜まで身一つでやってきた。 そんな中で出会った同じ長屋の面子と共にハレー彗星をめぐる横浜の事件に巻き込まれる。 堕落者(命名:水谷巡査部長)の背景 西洋演劇役者を目指す前島(政治界で活躍する華族の年の離れた四男) キュビズムに影響され画家を目指す谷(有名老舗呉服店の若旦那) 浪漫研究家を名乗る有坂(海軍大御所の三男で帝大卒) フリーターだけどバッググラウンドがすごい。。。 無職になったばかりなのに、役者の仕事以外はやりたくない、でもどうしよう~彗星の毒ガス怖いとめそめそする主人公にイラつく水谷巡査の気持ちがちょっとわかる。 でもその夢に一途なところがかわいいかもと思わなくもない。 水谷巡査も融通が利かなさそうな堅物だけど、喫茶の女主人にしどろもどろするあたりがかわいい。 堕落者を保護する喫茶店の主、愛の正体はまったく不明だが、今後明らかになるのかなぁ。特に年齢が気になる(笑)
気弱なおぼっちゃんをとりまく変人たち、できのいい兄弟に甘やかされてうんざり、などよくある設定だけど芝居がうまいところが独特か。気楽に読める。
良くも悪くも素直な、まさしくキャラクター文芸です。 表紙や帯に書かれている「三人のフリーター」のキャラが際立っているし、それぞれ特徴が異なり、台詞も特に説明を要することなく誰がどのことばを発しているかわかるあたり、キャラクターの造形は魅力的。個人的には浪漫研究家の有坂さんがすごく好きです。若い子から...続きを読む大人まで楽しめそうな、わりと王道のお話。 ただ、ミステリとして読むのなら、内容・展開はわりとありきたりだと感じます。のっけの登場からこいつクソ怪しいな~~と思っていたらその通りの黒幕で、それが冒頭の良くも「悪くも」素直な話だと感じた理由です。もっとも、ミステリという枠組みで無かったら申し訳ないのですが……。予想や「こうなるだろう」という期待を裏切ったりはしないので、最後まで楽しく読める作品かと。 ただ、これは作者さんというより出版社サイドへの疑問なのですが……一度ルビを振った単語にまた何度もルビが振られていたり、わりと一般の小説にはルビなしで登場するような単語にもルビが振られていたりして、見難かったりしたページが幾つかありました。時代が題のとおり明治期なので、ある程度地名や国名などルビを振らなければならないところがあることは分かるのですが、すごく謎基準だなと気になりました。
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明治横浜れとろ奇譚
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相川真
あめのん
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