マーガレット・ミッチェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。
「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」
スカーレットは行動する。摂理にかなう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。
よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ名作を読む。器の小さい人間が何もうまくいかないだけの小説。別にざまーみろって感じじゃあない。むしろ美しいんだよなぁ、スカーレット=オハラ
人間味が溢れていてすごくいいなぁ。人は自分を押し殺して生きていくけれど、それを割り切れないのがいい。スカーレットの器の小ささがちょうどいい。
周囲にいる主体性のない当時のスイーツ女子たちはきっと可愛い女たちで、スカーレットは可愛くない女なんだろう。でも、スカーレットには美しさがある。
世の中の縛りに疑問を持って、主体的に自分の考えを持って、まぁ思いを実行はできないまだ弱いけれど、
まっとうに生きている感じがする!!
そう、それが -
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Posted by ブクログ
昔からそのタイトルだけはすごく有名だったので知っていたが、今になってようやく読むことになった『風と共に去りぬ』。韓国ではこの小説の最後の紋章である「tomorrow is another day」を訳した「明日は明日の太陽が昇る」がとても有名だ。この小説を読んだことがない人でも、このフレーズだけは大体知っている。
日本ではこのフレーズが「明日は明日の風が吹く」と訳されているようで、同じ意味をおたがい異なって表現している点は面白いが個人的には韓国語の訳の方が好みである。比喩的に語りながらもいいし原文の意味をありのまま含んでいるところが良かった。
小説は、わがままなスカーレット・オハラが南北戦 -
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Posted by ブクログ
タイトルがあまりにも有名かつ、カッコいい、その上全5巻の長編なので「高尚な文学作品なんだろうな」などと思い読んでこなかった作品ですが、読んでみると、予想以上にとっつきやすい作品でした。
何よりヒロイン、スカーレット・オハラのキャラクターに、いい意味で予想を裏切られました。
言ってしまえば、貴族階級で男子からモテるスカーレットが、自信満々に自分が思いを寄せる男子に告白したら、思いっきりフラれる、というのが話の書き出しになります。
現代的な翻訳の妙味というのもあると思うけど、スカーレットの生意気さ、傲慢さ、勘違い、一方でのフラれてからの現実逃避であったり、周りの見る目を気にしたり、八つ当たり気 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦争がかくも人の考え方や生き方を変えてしまうのか。主人公マーガレットのような、狡賢い女でさえも、戦争さえなければ。
ただ一方で、戦争でマーガレット自身の根本が変わったかというと、そうでもないと思う。ひもじい思いをしていた時代以外、相変わらず自分のことしか考えていない。最終盤で、メアリーやレットの有難さを知り、アシュリに対する思いはただの自分の妄想に近いものだと悟るが、彼女は果たして本当に心から自省したかというと、してないと思う。結局自分の為になってくれた人、自身の損得勘定でその時プラスだと感じた人の為に好きと言えたり泣けたりするだけであって、彼女は本当に冷たく心の貧しい人だと思った。
現代日本 -
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