マーガレット・ミッチェルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の戦争の記憶は太平洋戦争だが、アメリカの戦争の記憶は南北戦争である。アメリカの災厄の時代の物語。
あいかわらずスカーレットは性格が悪い。でも、体裁はきちんと取り繕っているんだから、実に気高い。
この巻でスカーレットの良さに気付き始める。子供の頃はただのわがままに見えたけれど、大人になって力や責任を持つようになって、自由になって、その本領を発揮してきたという感じ。
なにより、この巻の軸はレット・バトラーである。
スカーレットと名前も似ているが、思想の根源も似ている。女性だから本心を出せていないスカーレットと、自分を自由に表現できている男のレットが良い対比構造になっている。
スカーレットは自分の鏡であるレットを見て、頭では拒否するが、心が惹かれてしょうがない。合理的な物の考え方は、まさに自分のやりたいことなのである。
そして、彼の存在がこれからの彼女の在り方に大きな変化を与えるのだろう。
スカーレットは解放される。
______
どんどん物語に引き込まれていく。
あと、レットバトラーの戦争観が日本人の共感を呼ぶよね。
世界のどこでも太平洋戦争時代の日本みたいなことやっていたんだね。ただ、欧米はそういうの近代に終わらせていて、後進国の日本は技術の進んだ20世紀にやっちまったから大惨事になったんだな。南北戦争の時代に核兵器があったらアメリカ南部は焦土と化していたね。 -
Posted by ブクログ
数えてみたら高校生で読んで以来、ほぼ30年ぶりの再読である。数回読んではいるし、映画も観ているし、と思いつつ新訳で読み始め、旧訳・映画から受けていた印象がどんどんずれていくことに驚いた。
とはいえ、スカーレット像はそのままである。なぜか。スカーレットの心情は包み隠さず、あけっぴろげに語られるからである。誰かが何か示唆的なことを語り、読者も神妙な気持ちになったとたんに、スカーレットは心の中で”何の話をしているのか、さっぱりわからない”とばっさり切り捨てるものだから、私も、小賢しく頷いちゃっていた自分が恥ずかしくなったりもする。
ということで、高校生にも主人公の(単純な)心情は余すところなく理解できたのだろう。
スカーレットのお向かいにいるのが「影の主人公」メラニー。対して彼女が本当は何を思い、どう考えていたのかは最後までベールに包まれたままだ。ただし、その行動には嘘がないので、読者もメラニーの人間性を理解し愛する(スカーレットは全く理解してなかったけど)。
旧訳ではいかにも古い小説を読んでいる”ありがたさ”もあり、それも面白かったのだが、新訳は文章のリズムで読者の心を一気にその場に引っ張り込む。旧訳ではあまり印象に残らなかったスカーレットの「ダサさ」(敢えて言おう!)が際立ったのも非常によかった。
ところで、映画の印象に引っ張られて当時は気づかなかったが、これは「戦争小説」でもある。最初は絵空ごとのように思えていた戦争が、やがて間近に迫り、わが身のこととして降りかかり、一般の市民すら、戦場でもないのに人を殺めることにもなる。
背後に多くの物語を含む小説。訳者解説によると作者は「映画化は無理」と言っていたそう。映画はあくまで小説の一部分しか切り取っていない、だからこその傑作となりえたのだろう。語られていない部分を誰かと語り合いたいくなる(しかも熱を込めて)のは、各々の人物造形がしっかりとしているから。わたしが誰かと語り合いたいのはメラニーを後継者とする「聖母」の母、エレンである。 -
Posted by ブクログ
スカーレットはいつも前向きで凄い!それがこの本の最大の魅力だと思った。
前向き(ポジティブ)は楽観的ではなくて、彼女は実際現実主義者でもある。ただ、どんな不幸な人生でも前を向くことができると教えてくれるのがスカーレットだった。それも周囲のおかげだと最後の最後に気づくんだけどね。。その2人もいなくなったらどうなるのと思うけど、それでもやっぱり前を向くスカーレットは(周りの心は折れていく中笑)心が折れることを知らないよねえ改めて凄すぎる
そしてこの本を読んで思ったこともう1つは、人間そんなに変わらないのかもと笑
多少成長はするけど、生き方は変えられない
それが環境とマッチしないとほんとに生きるのが辛いだろうなと思った。今はいい時代だ(私にとって)
物語は終わっちゃったけど、どうかこの先スカーレットが誰かのために行動する人になってほしいと心から願わずにはいられない
-
Posted by ブクログ
ネタバレ初めはすごく好きだったスカーレット、戦争の中メラニーの出産を助け、その後のヤンキーたちからタラを守る姿はカッコ良すぎて痺れた。だが、そこからのスカーレットには感情移入できる部分が少なかった。特にレットと結婚した後のスカーレットに対しては作中で最も嫌いなキャラになってしまった。
ラストシーンではレットのスカーレットへの愛情とレッド以外を失ったスカーレットの対話は素晴らしかった。
最後の1日はメラニーとアシュリ、レットの最愛の人3人を失ってもまだ明日にはなんとかなると考える。
スカーレットはきっとこれからも自分を支えてくれた人や自分が愛した人がどんどんいなくなってもそれに気づくことなく人生を歩んでいくのだろう。
ずっと違和感みたいなのがあって、スカーレットの他者の死への感覚が薄れすぎている。レットのように最愛の娘が死んだ時は酒を飲んで忘れようとしたり、するのが普通なのでは?メラニーが死んだ後もすぐにレットのことを考えている。母親や父親が死んだ時もフランクが死んだ時も、立ち直るのが早すぎる。ヤンキーを1人殺したことが死への考えを薄めてしまったのか?これは戦争の影響も大きい。
誰よりも大人のようでいつまで経っても子供のままのスカーレットの恐ろしさのようなものを感じてとっても面白かった。 -
Posted by ブクログ
2度目の結婚の理由がお金のためということには驚かされた。しかも相手は妹の婚約者。そこまでしてでも守りたいものを守ろうとする必死さは、いかにもスカーレット。
南北戦争が終わり、南部側から見た北部の人々の様子が描かれている点も印象的だった。歴史の授業では「北軍が勝利し、奴隷解放が実現した」という流れで学んだが、解放後も北部の人々が黒人を見下していたり、自分たちの都合のよいように利用しようとしていたりする姿が描かれ、単純に「よかった」とは言い切れない。さまざまなことを考えさせられる。
戦争によって飢えや貧困を経験し、「もう二度とあんな思いはしたくない」という強い思いを原動力に生きるスカーレット。そのエネルギーが、スカーレットを突き動かしている。
物語を通して改めて感じたのは、やはり戦争は決して良いものではないと思う。
-
Posted by ブクログ
ネタバレかなり主観的な考えではあるけど、アシュリに振られて、自暴自棄になったスカーレット自身がチャールズと結婚してて決めたのに、未亡人となり、ダンス行けず、チヤホヤもされず、の状態になったのはチャールズの責任であると考えるのは勿体無いなと思った。母親にも早すぎる結婚は考え直せと言われてわけだし。
反面、そう考えるのも人間らしいスカーレットの魅力が現れたところでもあるなと思った。スカーレットはいっさいチャールズのことを見ていない。それに気づかずに逝けたチャールズは幸せだったのかもしれない。
そのほかのところはスカーレットが魅力的な女性すぎて、読者である私まで魅了されてしまっているる。スカーレットの彼氏10番目くらいに私もいるかもしれない。
レットバトラーとスカーレットとの関係がこれからどうなるのか、続きも気になる。