マーガレット・ミッチェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタラへの税金を支払うために妹スエレンの許嫁だったフランクと結婚したスカーレット。リアリストぶりを発揮し、材木商のとしてビジネスを成功させる。南部の名誉のにしがみついて生きる男たちとの対比が印象的。特にスカーレットが思いを寄せるアシュリはタラで畑仕事をさせても、アトランタでビジネスをやらせてもダメ。そんなアシュリでもスカーレットは本来こんなことをさせるべき人ではなく文化的に生きるべきと言って庇う。この点、工業力があるが文化のないヤンキーと、豊かな文化があり、元々は上流階級であった南部の価値観の対比になっている。
第4巻では、解放奴隷やヤンキーから南部の人々(特に女性)を守るためという大義名分を掲 -
Posted by ブクログ
3巻まででも十分すぎるほど激動なのに、まだ嵐が訪れるのかと、一息もつけない展開に、読み手も心を落ち着ける暇がない。
アイルランドの血をまっすぐに受け継いだスカーレットの商売人としての才能が光る反面、人間関係の構築や世渡りの不器用さが露呈してきてしまう…ほんとうに、不器用な人だ。。
愕然としたのはメラニーの変化。あれほどお淑やかで穏やかな性格だったのに、いつからこんなに強く逞しい一面を備えたのだろう。
アシュレに襲った悲劇のシーンでは、果敢に立ち向かうメラニーの姿が必見。お人好しな優しい面を残しながら、愛する者を守ろうとする意志がしっかり見えてくる。
メラニーに関しては、本当に、読み進めるごと -
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Posted by ブクログ
2巻で大激動の戦争最中を読み、ここがピークかと思いきや、ここからが闇のスタートになるとは。
タラを襲う北軍のヤンキー、重税の圧力、帰ってきたアシュレやレットとの交わりの中で経験する絶望。とにかく世の流れもスカーレットの人生の流れもここ半年の内に目まぐるしく変化していく。
戦争を経験したことのない身としては、歴史で語られない敗者側のリアルな実態とプライドに初めて触れた気がしてならない。
打ち負かされても、打ち負かされたと認めず、毅然としていて昔の形式を忘れず誇り高き人としてなり振る舞う。微笑の仮面を身につけて…。
スカーレットの精神力や生命力の漲りは衰えないけれど、明らかに変化していく価値観 -
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Posted by ブクログ
「どうして自分がちっとも幸せに思えないのか分からなかった。でも――なんなの、わたしたち、こんな年寄りみたいな話し方して!」
このスカーレットの叫びが、この小説の全てだった。
これぞアメリカ。これぞ青春。いや、これぞ人生。
たくさんの感想より一読するのがベスト。
大人になり、発売から80年以上も経過した、そんな今、読むからこその、大きな味わい深さがありました。
個人的には、主人公はスカーレットでもなく、レットバトラーでもアシュレーでもなく、途中からメラニーだと思って読み進めている自分がいました!
他人をどこまでも信じる力と、自分の力しか信じてやまない、そんな二人が物語をグイグイと引っ張 -
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Posted by ブクログ
激動の2巻。
南北戦争が佳境に入り、読み進めるごとに事態は悪化の一途を辿る。戦争最中の人間の感情の動きやアトランタの変貌ぶりが手にとるように描かれていて、映画を一本観たかのごとくイメージされる。
アシュレとの別れのシーンではまさかスカーレットが良い意味に捉え舞い上がるシーンで、つくづく自己肯定感が強い人だとドン引きしそうになったけれど、笑 2巻最後のシーンでは、その自己肯定感と、アイルランドの血を受け継いだスカーレットの並々ならぬ覚悟と強さ、逞しさが溢れんばかりで圧倒させられる。スカーレット、がんばれーー!
「興奮と、パーティと、そして感激!万歳!ジョンストン将軍は二十二マイルのかなた -
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Posted by ブクログ
アメリカの南北戦争の時代。南部のタラやアトランタが主な舞台。
世界史で南北戦争の経緯や結果を知っていながら、スカーレットを取り巻く人生の細かな描写を読み進めていく。
歴史で取り扱う南北戦争は2行にも満たないかもしれないけれど、この作品には、今の自分と何ら変わらないほどの濃い1日1日が豊かな表現で綴られている。
とにかくスカーレットの自己肯定感の強さには多少羨ましい気持ちもあるけれど笑、メラニーの芯からの優しさや柔らかさがもっと評価されてもいいのにと思わずにはいられなかった。
5巻まであり、長旅を始める前の覚悟と同じような腹括りがなかなか出来ず、やっと読み始めたものの意外に読みやすく、面白くて -
Posted by ブクログ
ネタバレ嘘でしょ…。まさかの終わり…。
スカーレットに感情移入していたから、絶望。
全てを失ったじゃない!それでも「明日考えよう」なのね。
初期のスカーレットの世界は風と共に去ってしまったんだ。あのキラキラしていたスカーレットも。
多分彼女の変化は仕方なかった。でも、「明日考えよう」が良くなかったのかなあ。
メラニーとレットという素敵な2人に出会いながら、孤独になるなんて…。
この結末を迎えるお話が世界中で人気なの面白い。
作者とは別の方が続編を書いたみたいだけど、無い方が良くない?衝撃的だけど素晴らしい終わり方。
風と共に去りぬはフェミニズム的な観点で見ると偉大だし、黒人差別の歴史を知る上でも興味 -
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