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スカーレットとレットの間にボニーが生まれる。娘を溺愛するレット。だがスカーレットはいまだにアシュリーへの想いを絶ち切れず、二人の関係は次第に冷えていく。やがて決定的な出来ごとが起きて…。すれ違う愛の行方は? 敗戦後長くつづいた共和党支配が終焉し、南部もまた新しい時代を迎えようとしていた。(全六冊完結)
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Posted by ブクログ
レットが娘のボニーを溺愛し、甘やかしすぎてわがままになってしまったのは、スカーレットがレットと結婚した後もなお、アシュレーへの未練が残っていることが筒抜けだったことが原因であると思う。 最終巻である本書は、スカーレットがレットとの過去を懐かしむ描写、「今までレットは自分を愛していなかったと思ってい...続きを読むたが、実は愛していたのでは?」と思う瞬間、盲目的に肯定していたアシュレーへの不満が募るシーンが目立つ。 また、スカーレットはここに来てようやくメラニーの大切さに気づくのが、グッとくる。メラニーが「もしかしたらスカーレットとアシュレーの関係性、気持ちに気づいていながら優しくしてくれていたら」と妄想してみるのも楽しい。ただ、スカーレットがメラニーの大切さに気づくのがあまりにも遅すぎた。 『風と共に去りぬ』の続編が望まれていた理由は最後のレットとの別れのシーンにある。スカーレットはレットを取り戻せると信じていて、一方レットはスカーレットへの愛が完全に枯れてしまっている。その後の2人のストーリーが気になるからであろう。 私個人の意見としては、レットとスカーレットは再び結ばれることはないと思っている。 風と共に去ってしまったのは、一体なんなのか。南北戦争によって去ったのは旧南部文化。アシュリーへの幻想。レットそのもの。
「風と共に去りぬ」が長い間愛され続けているのが分かります。 知らぬ間にこの物語に感情移入していたことが読み終わって気づきました。この一冊の中にたくさんの出来事があり、私自身がアトランタでスカーレットたちと暮らしているかのように感じました。読み終わった余韻もすばらしく、また苦みもあります。 これで物語...続きを読むは完結ですが、これからのスカーレットの人生やレットとの関係がもっと読みたいです。 これはほんとうに素晴らしい壮大なロマンス作品です!
荒このみさんには時代背景の理解が必要で今の言葉で翻訳すべき作品を手掛けて欲しい、フォークナーやヘミングウェイやスタインベックや......
出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。 「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」 スカーレットは行動する。摂理にかな...続きを読むう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。 よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前後のアメリカ社会を知ることができる。 また一方で2つの比較、豊かなタラ農場の土の匂いと、興っては滅びそしてまた復興する人工的なアトランタの街との、対照が鮮やか。たしかなものは大地のみであり、スカーレットの生きた証である直線運動も、俯瞰してみれば円運動なのだという気がしてくる。 本書は荒このみさんの訳が小気味良い。また各巻の解説が充実しており、これを読むためだけでも、岩波文庫を選択する価値があると思う。
映画が有名なので読んでみました。 アメリカの南北戦争が起こっているときに、南側に住むスカーレットが古い風習に縛られず心のままに自由に生きようとする話。恋愛に関してはめちゃめちゃにすれ違ってしまう。最後はすれ違いが戻ることなく別れてしまったけれどそれもリアル。 話が丁寧な分、長いのでそのあたりがちょ...続きを読むっとだれるかなという感想です。でも面白かった。映画はたぶんだれる部分をカットして面白いところを抜粋したんだろうなと思います。
出産後、ウエスト20インチ(約50cm)で太いだなんて(笑) スカーレットは考えなければならないことでいっぱい。 その場で感情で言葉を発すると相手を傷つけたり。 「明日考えよう」今考えると潰れそうになるから。 そして、ちゃんとその時その時で反省して考えなかったからこんなことに…感情に任せて突っ走り...続きを読むすぎた。 自分のための行動だと行動力があるのに、周囲の人たちのことについては無視して行動しない。 メアリーが感謝していることについても、表面は助けていたように見えるが、結局スカーレットは自分のためにしたことだ。 (それでも大変な目にあってたのだからスカーレットはよく頑張った。メアリー以外の人にはわかってもらえてないのはかわいそう) 気付くのが遅すぎる。 トマス・ハーディの『テス』で「もう遅すぎる」手遅れとテスが言うけど、その言葉を思い出した。 メアリーの死。泣きました、この場面は。 メアリーが死ぬ時、スカーレットはやっと真実に気付いた。 遅すぎる。 メアリーが大好きだった。 アシュリーを理想化して恋していただけ。愛してはなかった。 レットはスカーレットを愛していて、自分も愛していたのだと。 自分の周りから誰もいなくなる。自業自得。 続編を熱望されていたらしいが、ここで終わっているからこの小説に価値が上乗せされていると思う。 読者のいくつもの想像にお任せでいい。 私がレットの立場なら、もう無理かな。 冷めたものは戻らない。失望だもの。 年寄りになって記憶が遠く薄れた頃に再開したらまた違うかなあ。 そんな感じでいろいろ想像が膨らむ。 簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。
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