野田サトルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
見開きに狂気を感じた。
感動の再会の直後にアレとは……オソマおいしいといいアシリパさんがどんどん変なプレイに目覚めていって心配。
樺太編もクライマックスとあって、凄い勢いで巻いていく。
珍獣と変態が入り乱れて氷上の大活劇、見所はたくさんあるが個人的には尾形の猿芝居がツボった。
これまでの尾形の所業の数々を知っている読者にとって、歯の浮くようなデマカセのオンパレードと、胸に手をあて嘆く芝居は面白すぎる。コイツ!!!!!!!
杉元の死を哀しみ、最期の様子を知りたがっていると見せて実は……なアシリパさんはさすが。
次代のアイヌの象徴として父に期待されるのも納得の聡明な策士っぷりに惚れ直す。
アレをぷすっとされて倒れていく時の尾形の笑みがまた……「計画通り」とアテレコしたくなる。
そしてキロランケ……
たっぷり2ページ半使った回想シーン(「いや結構無駄なこともしたな」)に、長谷川幸一とその娘がしっかり入ってたのと、ラストに家族に想いを馳せたのが泣かせる。
けれど本当に本当の最期に思い出したのは彼女……心底ソフィアに惚れぬいてたからこそウィルクの裏切りが許せなかったんだろうな……
一筋縄じゃいかない食わせ者だったが、ブレることなく信念をまっとうした生き様に清々しさを感じた。
そして月島軍曹はいい人……己の境遇と重ね合わせて娘を叱咤するシーンの熱さには、普段の鉄面皮との落差でジーンとする。
鯉登少尉もちゃんとかっこいい!相変わらず何言ってるかわからないけど、今回は面目躍如の大活躍。月島軍曹が怪我し、血相変えて敵討ちに走る義理堅さに痺れる。第七師団は一部(尾形)除いて仲間想いが多い。 -
Posted by ブクログ
今回はシリアス展開が多かったです。
尾形とロシア人スナイパーのストイックな狙撃手対決が前半の山場ですが、凄腕狙撃手と聞いててっきりシモヘイヘがモデルの新たな変態もとい変人が出てくると思ってたら、そこまでキャラ立ちはしなかったのでちょっと残念。
尾形と弟の確執の根などが掘り下げられるので、尾形ファンは必見。
日頃の言動や過去のアレコレからサイコパス扱いされる尾形ですが、もし勇作氏が違う選択をしていたら、異なる未来があったのでしょうか?話変わりますが「男兄弟は一緒に(以下略)」の尾形のエロスと爪のキレイさにドキッとしたのは私だけじゃないと思いたい。
勇作氏の殺害前夜の対話ですが、あそこで「兄さまはそんな人じゃない」と否定されず、「兄さまがそんな人でもいい」「私は許す」と受け入れられてたら、こうも屈折せずにすんのだかな……とちょっと思ったり。
尾形の思考だと「そんな人間がいるわけないなら俺はなんなんだ?」とアイデンティティを根幹から揺さぶられたのだと思います。
これは個人的にひっかかったのですが、尾形の回想で勇作氏の顔がちゃんと描かれないのにもワケがありそうですね。
同じく月島の回想でえごぐさちゃんの顔が描かれなかったのと同種のメタファーを感じます。
前者は異母弟、後者は恋人の間柄となりますが、直接的・間接的に死に追いやった(と本人が思い込んでる)共通項があります。
回想で顔が見えない=罪悪感оr劣等感が原因で向き合えない
をさすのかな……と妄想を逞しくしました。そうなると尾形に最期が訪れた時に初めて勇作氏の素顔が見れそうで怖いような楽しみなようなアレな心境。
キロランケとアシリパの父の因縁の女性も登場しました。
時代と場所的にやっぱりそっちと関係するよね……と予想はしてたんですが、この先ラスプーチンやアナスタシアも絡んでくるのでしょうか。
そして月島は兵士に連れ去られた娘の話に複雑な面持ち。自分の過去と重ねているのでしょうか、彼の今後が気になります。