浅井晶子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
前作から3年後、実家処分のためにスカボローへ戻ってきたケイト。
滞在したB&Bの一人娘アメリーが行方不明となり、同時期に過去誘拐された少女サスキアが遺体で発見されるという事件が起こった。
結局アメリーは海で発見されるが事件の事を決して話さず捜査は難航する。
また機能不全家族のもとから逃げだし行方不明となったマンディ。
それぞれの少女行方不明事件には関連があるのかケイトは独自に調査を始める。
・感想
相変わらず孤独に苦しむケイトとアルコール依存症に苦しむケイレブがいて更に出てくる登場人物皆が病んで歪んでる。
特にマンディの攻撃性が強すぎてそりゃ生き難いだろうなって感想。
あれほど他人を拒絶してハリネズミの様に攻撃してたら誰も助けてくれなくなるのは当たり前なんだけど、でもそうすることでしか自分を守れないという矛盾というか思い込みはああいう環境に育った人なら持たざるを得ない殻なんだろうな。
ケイトの孤独感や低すぎる自己肯定感による卑屈さは個人的には共感出来ないしイラッとするけど、終盤の吹っ切れたケイトは良かった。
みんなそれぞれに何かに依存してる登場人物ばかりだったな。
事件については無関係と思われていた事件が終盤で収束していく系で、前回同様中盤までは停滞感があるけど後半は一気読みした!面白かった。 -
Posted by ブクログ
上巻の感想で「サミーが可愛くない」と書いたけど下巻では思わず涙がにじむほど頑張っていて愛しく思えた。けれどやはりそこまで心に残る話ではなかった。
真犯人は私が考えてたひとと違った。
上巻のはじめに事件の場面は書かれているが、かなり終盤にならないとその事実はほとんど出てこないので、考えてもまずわからないようになってる。
真相はよくできているけれど、それまでの前置きやミスリードが多すぎる。そして登場人物のほぼ全員がそれぞれ問題を抱えているけれどそれについては何も解決してないような…
全てしっかり明かされたのに、気分的にはいまいちすっきりしない。現地でこれがそこまで売れた理由もわからなかった。翻訳のせいなのかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレCL 2022.8.21-2022.8.22
主人公のケイトのみならず誰もが皆それぞれに苦しい事情を抱えていて、生きていくのが簡単ではない人ばかり。その人物描写も、後半の怒涛の展開も秀逸。
ただ、どうしてもメリッサ•クーパーの息子に引っかかる。事件と大筋では関係がないとは言え。
メリッサ•クーパーの息子が、不倫相手が奥さんと別れなかったからと言って恨むのは筋違いでは?そもそも悪いのはそっちなのに。しかもその娘に恨み言を吐き、惨殺されたことを気分が良かったと言うなんて、この息子、バカか。相手の家庭を壊して自分の母親さえ幸せになれればそれでよかったわけ?なんと身勝手なと思っていたらこの真相。諸悪の根源が自分たちの母親だとわかってどう思うんだろうね。いくつもの家庭、命を犠牲にした。一度殺されただけでは追いつかないくらいなんじゃないの?二人の息子は一生ディランの面倒見ろよ、と思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
ドイツのベストセラー、後半。
5年前に行方不明になったエレインはどうなったのか?
ロザンナは5年前に結婚して、ジブラルタルで暮らしていました。
義理の息子を育て、幸せもあったが、結婚後も仕事はするはずだったのに何のかのと家庭に縛りつけたがる夫に阻まれ、ついにイギリスでの仕事の依頼を引き受けることを決めたのです。
自分の結婚式に招待したのにその途上で失踪した幼馴染のエレインの追跡取材だから、他人事ではない。
もしかしたらどこかで生きているのか、どんな事情が隠されているのか、それとも‥?
エレインは障害のある兄の世話に縛られていたため、それで家出したという説もあった。
当初疑われた弁護士のマークに会ったロザンナは、マークに惹かれ始めるが‥?
一方、エレインのパスポートが発見される。
身元を隠して生きている女性の描写が書き込まれ、それがエレインなのかそうでないのかという謎もあり、引き込まれました。
普通の人が多いところにリアリティがあり、その人なりの必死さと愚かさに複雑な気持ちに。
犯罪者も出てくるので、これは‥普通の人にはなかなか歯がたたないところ。
ロザンナは基本は正直で前向きな人で、だからこそ悩みもします。10代の義理の息子にちゃんと信頼されているけど、次々に起こる出来事に目をくらまされるあたり。
エレインもなんか感じのいい人でもなかったり。
読後感にいまいちなところがあったので、すぐ感想を書けなかったのですが~
このリーダビリティとインパクト、読まずにいられないだけでなく、1年以上たってもずっと話を覚えているのは‥
人の心に突きつけてくる何かがあったのだと。
力のこもった作品だったと思いますね。 -
Posted by ブクログ
ストーリーとしては非常にシンプル。元ジャーナリストの女性が、5年前の失踪事件を取材するというもの。幼馴染が失踪したのは自分の結婚式に出席する道中だったため、主人公はある種の責任を感じながらの取材となる。
複雑なトリックも、凄惨な描写も、奇抜な設定もなく、日常生活がそのまま事件につながっていく展開にも関わらず、ページを繰る手が止まらない。その要因は巧みな人物造形だと思う。主人公に関わらず、「モヤモヤ」を抱えたキャラクターが次々登場するのだが、彼らの描写は表層的に終わらず、人間の持つ多面性、迷いなどが重層的に描き出されるので、どうにもこうにも目が離せない。ドイツで売れっ子作家というのも納得。普遍的なずるさや弱さが巧いという点では、宮部みゆきと似たタイプなのかもしれない。
二転三転する巧みなストーリーテリングと丁寧な心理描写で、物語に説得力と厚みが出ているが、ミステリとしては弱いかも。期待していただけに、若干の強引さが目立ってしまいただただ残念でした。謎解きは二の次で、人物に注目して読むならば、久々に期待できる作家を見つけたなー、という感じ。