ダグラス・アダムスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SF小説としては前作のSFを放棄しただらしない恋愛小説より遥かにマシでアイデアもギミックも趣向を凝らしていてよくできている。問題はよくできているだけで面白くはないというところで、確かに構成は考えて書いたのかもしれないがキツイヒステリーで物語を無理やり動かして無理やり終わらせるのがまあ独りよがり。この他に類を見ないぶん投げた結末は極北、と言いたくなる人もいるだろうけど、作者が枯れただけっすね。
マーヴィンやゼイフォードをはじめとした初期三部作を盛り上げた人気キャラクターはほとんど出ず、アーサーもトリリアンもフォードもなんかくたびれて、新キャラのランダムは哀れだが愚かな子供で読者に好きにさせる気持ちがなく、このしょぼくれた雰囲気のまま唐突に終わるのは銀河ヒッチハイク・ガイドとしては相当難物でラジオドラマによる改変は妥当。
付け加えると、「銀河ヒッチハイク・ガイドとしては駄作だが小説としてはシリーズ中最高」という意見も個人的にはかなり疑わしいと思います。作者がメランコリーな心情に引きずられて世界観を閉じるために絞る、娯楽性を削っていくようなやり方は小説技巧ではなくただの小手先と捉えるべきではないでしょうか。残念な最終作でした。 -
Posted by ブクログ
銀河ヒッチハイク・ガイドというのはちょっとページをめくるだけで時間も空間も飛び越えて宇宙の果てまで不謹慎なナンセンスを繰り広げるぶっ飛んだところが面白いと思うんだけど、なんとその面白かったところがほとんどない。これが好きな人もいるかもしれないが、個人的に言わせてもらえばシリーズの中では凡作よりです。
ほとんどアーサーと新キャラのフェンチャーチの地球での恋愛デート話で、ページをどんなにめくっても地球がまた壊れたりはしないし、奇想天外なエイリアンたちもほとんど出てこない。SFではなくマジで地球を舞台にしたただの恋愛小説で、しかも元々のヒッチハイクガイドの人を食ったような文体と恋愛小説があまりにミスマッチで冗長な悪いとこだけ出ている。
本来書く予定がなかったのに出版社に書かされたものということで、まあ作者もつまらないのがわかっていたのだろう。「マーヴィンが出てくる最終章は面白いから最終章だけでも読んで!」とわざわざ作中で語りかけてくる図太さは好きだが、なんと、驚くべきことに、マーヴィンのファイナルエピソードも、そんなに、面白くはないです。やっぱり無理やりな引き伸ばしって良くないね! -
Posted by ブクログ
◼️ ダグラス・アダムズ
「銀河ヒッチハイク・ガイド」
ハチャメチャなSFコメディ。思い切って飛ぶ先行きにお笑いと文芸的期待をする。
もはや古典ともいえる1979年の作品で、シリーズもあるとのこと。いやー寡聞にして存じませんでした。ズバン、と展開が早い。
地元ラジオ局で働いている青年、アーサー・デントは友人で地球人に身をやつしているベテルギウス系惑星人のフォード・プリーフェクトに連れられ、地球から宇宙へと脱出する。還るべき地球はヴォゴン星人の手によりほとんど瞬時に消滅させられてしまったー。
最初、アーサーはバイパス道路建設のため、住んでいる家をブルドーザーで撤去しようとする役所に対抗して家の前に座り込む。役所曰く、計画書は9カ月も前から閲覧できるでしょ、とのことだった。ボォゴン星人もスケールの違いこそあれ同様のリクツで強弁する。で、容赦なく地球を消す。いやはやこれがギャグでなくてなんだろう。
ストーリー進行はまさにヒッチハイク。絶望と希望、偶然。間に挟まれるバカバカしくくすっと笑ってしまう展開。地球人アーサーとベテルギウス系惑星人のフォードはもと銀河帝国大統領のゼイフォードらとオリオン座の馬頭星雲の中を彷徨う。もうこうなると何が基準なのか分からなくなる。
イギリスものにして、関西の直接的なお笑いと、関東のシチュエーション的な笑いとをミックスさせたような、訳も大変そうだけれども、日本人にもよく分かりそうな、壮大なコメディ。危機感を盛り上げることもなく、すげなく地球をなくし、復活するのか?を絶妙な感じでチラつかせ、結局どこへ向かうのか、うまく全体をコントロールしている感がある。
海外のSFといえば世界共通にワクワク、ゾワゾワしたり、中間的哲学的な描き方が肌に合うこともあればちょっと敬遠かもと思ったりする。名作の一。こんなのもあるんだね。 -
Posted by ブクログ
人生、宇宙、万物の究極の答えとは何なのか? この本はそうした人間の根源的な苦悩を笑い飛ばす。といっても、単に茶化しているだけではないのかも。終始続くナンセンスな文章を禅問答と捉えれば、その先にあるものは悟り、である。宇宙の真理とはナンセンスの極みなのかもしれない。
この話の元は1978年のイギリスのラジオドラマだそうで、当時は荒唐無稽な SF だったのだろうが、昨今の現実社会で AI を妄信している人たちを見ていると、妙なリアリティを感じてしまう。社会風刺としても現役だ。
難をいえば、文章がふざけ過ぎか。日本人が翻訳で読んだのでは、ブリティッシュ・ジョークは理解できないのかもしれないが…。2005年には映画化もされているらしいので、文章が合わない人そちらを観てもよいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヒッチハイクガイドに続き。
マーヴィンの扱いが酷い。
さてタイトルなのだが、英語では『The restaurant at the end of the universe』と言うことで確かに『宇宙の果てのレストラン』なのだが、日本語だと物理的な果てに思えてしまう。物語上では時間的なEndで物理的移動はしていないので、ややミスリードな気が。
前作より★が一つ少ないのは、何となく全体的にネガティブだった印象があるため。正確にいうと、ネガティブというより、マーヴィンはじめあらゆる登場人物に不幸が襲いかかって救いがない点。プライベートで嫌なことでもあったんだろうか、というくらい救いがない。
一応コメディとして成立するようになっているのが、マーヴィンは5760億年だったか放置された挙句自殺させられるし、アーサーとフォードは未開の星にたどり着いたまま救われないまま物語は終わるし、ブラックを通り越しているように感じる。
一作目で説明がなかった部分はだいたい説明が与えられ、まあ多くの点でスッキリはした。
読みやすさは健在だし、その救いのなさが気にならない人なら純粋に楽しめるのかもしれない。
自分は一冊目読後期待したよりは下回ったかな。 -
Posted by ブクログ
壜びん しゅうれん収斂進化 肩章 下生えしたばえ 真鍮のテーブルの脚の先にあるような鉤爪 いかめ厳しくも落ち着き払って大統領が見下ろすなか プランテーションを築くのに適した土地を探し回った 安易で抗し難い思い込みによって この公園を訪れる人がとても少ないのは、旧ザイール(現コンゴ共和国)を訪れた者全てを襲うあの狂気の官僚主義的悪夢の為もあると思うが、最寄りのブニア空港から陸路で三日もかかるせいもあるだろう。 気難しい老人のようにちんまり背を丸めて操縦桿を握り 巨大な岩塊と空間がまわりで軽々と旋回するのに圧倒されて この極めて競争力の高いマシンがイギリス諸島(ここでもやはり、厳しい競争を知らなかったのは島の種族だった訳だ。日本も島国なのは私も知っているが、それを認めるとアナロジー(類推)が上手く成り立たないので、ここでは軽やかに無視することにする)にやって来ると、英国のオートバイは殆ど一夜にして絶滅してしまった。 ヘリコプターのローターの耳を聾する騒音のせいで 燦々さんさん かぎ鉤だらけのぎょもう漁網に引っ掛けられ じょうらん擾乱行為 かきん家禽 れいびょう霊廟 しょうしょ詔書を発布 文化大革命の大殺戮 煤で真っ黒な平底船(ジャンク) 外来種がその間隙に飛びついてきて乗っ取ってしまうということだ かんう換羽を終えたばかりでしたが 訳者としては歓喜雀躍であるわけなのだが 遺漏や誤りのないよう確認・訂正してくださった 細長くて少し反り返った口吻をしている