ダグラス・アダムスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
サンリオSF文庫のような表紙に心惹かれて手に取ってみたが、果たして本書はSFであった。しかも世界中探しても同類の作品は見当たらないであろう珍品だった。
大森望が「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」と評価した本作だが、紛れもなくバカSFである。ただ、薬漬けかそもそも底抜けのアホな奴が吹っ切れて自由奔放に書いたような荒唐無稽さはなく、『空飛ぶモンティパイソン』のような知的なアホさが随所に散りばめられていて、読み進めていくごとに深みが増してくるのである。気づけばこう呟いているだろう、「これを書いた男は只者じゃないな...」と。
パイパス建設のために主人公の家が潰されたと思ったら、更に -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近まで未読で知っていたのは「答は42」という事ぐらいだったのだが、どっかのAIが「答は42」という回答を出してこの本が売れているというニュースを聞いてちゃんと読んでみようという気になった。
ちょうど家の近所でなんだか分からない工事をやっていて、しかもその業者の誠意を欠く対応に激怒していたから冒頭で家をぶっ壊される主人公にいたく同情した。
まぁ作中では家どころか地球そのものまでぶっ壊されるのだが、そんなとんでもない事態でさえ作中においては微震に過ぎない。
ところで「答は42」の件だが、答え云々よりも質問の仕方がそもそも悪いと思う。
生命の、宇宙の、その他あらゆる事象に対する究極的回答…だ -
Posted by ブクログ
前作より好きかもしれない。
冒頭はあらすじから始まるが、前作を読んでしばらく経っているもののすぐこの本のノリを思い出すことが出来た。
前作は1作目だからどうゆう世界観かまだ読み慣れていなかったのもあるかもしれないが、今作は皮肉のきいたイギリスジョークが色々あって、毎回声を出して笑ってしまった。
特に、品種改良されて喋るようになった牛型生物の話が印象的で、この話が地上波で放送されでもしたらヴィーガンにとてつもなく叩かれそう笑
食べないで!と訴える生き物を食べるか、どうぞ食べてくださいと言う生き物を食べるかというゼイフォードの話に、なんとも反論しかねるアーサー。
ドラえもんの道具みたいなものも登 -
Posted by ブクログ
「銀河ヒッチハイクガイド」のダグラスアダムスによる、絶滅危惧種を訪ねる本。
ダグラスアダムスなので、期待して読んだ。そして期待通りだった。さすがダグラスアダムス、ユーモアが素晴らしすぎる。生息地に行くまでのドタバタとか、熱心すぎる研究者の先生たちとのやりとりとか。何度読んでいてクスッとしたことか。このユーモアのおかげで、「絶滅危惧種を守ろう」というメッセージがお説教くさくならずに、人々の心にスッと響く。
でもこの本を読んでて強く感じたのは、「人間って愚かだ」ということ。自慢したい、暇つぶししたい、邪魔だ…そんな理由で動物を絶滅に追いやってきたんだな。野生のコーヒーノキっていう植物は、絶滅し -
Posted by ブクログ
ネタバレ「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ二作目
英国ジョークてんこ盛り
■シリーズの並びはこうらしい
正篇
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『宇宙の果てのレストラン』【これです】
『宇宙クリケット大戦争』
続篇
『さようなら、いままで魚をありがとう』
『ほとんど無害』
●名台詞
“はじめに宇宙が創造された。これには多くの人がたいへん立腹したし、よけいなことをしてくれたというのがおおかたの意見だった。
“説明しよう。宇宙のありとあらゆる物質は、宇宙のありとあらゆる物質から何らかの影響を受けている
“トリン・トラギュラ(というのがその男の名前だった)は夢想家だった。思索家にして思弁哲学者だ -
Posted by ブクログ
ふざけ倒した英国ジョーク
でも知的でもある
●名場面
「宇宙のありとあらゆる知的生命体のみなさんこんにちは。そして、知的でない生命体のみなさんもこんにちは」
●古き良き時代
時のかなたにかすむ太古の時代、先の銀河帝国の大いなる栄光の日々、世界は荒々しく、豊かで、そしておおむね非課税であった。
勇猛果敢な時代、賭け金は高く、男は真の男であり、女は真の女であり、アルファ・ケンタウリの小さい毛玉生物は真のアルファ・ケンタウリの毛玉生物であった。
●
「ちょっとだけあなたのエゴをわきに置いとけない? 大事なことなのよ」
「おれのエゴより大事なものがあるんなら、いますぐひっつかまえて -
Posted by ブクログ
銀河ヒッチハイクガイドの作者が書いたミステリ。なんと1987年の作品。30年も経っているけれど、古びていない。主人公がコンピュータのプログラマなのに、やっていることは、それほど古ぼけてはいない。強いて言えば「ロータス」という社名が出てきたときに、そんな会社があったなぁと不思議な気分になったくらい。
ハチャメチャ小説だろう、行き当たりばったりな冒険譚だろうと思っていたら、そんなことはない。ちゃんと然るべきところに収まっている。訳者が親切にも前書きと後書きで、日本人にはわかりにくいコールリッジという英国の詩人の詩を解説してくれているのが、ありがたい。これがなければ、収まっていることにも気づかなかっ -
Posted by ブクログ
『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズの5冊目にして最終刊。
映画版のDVDを観て、惚れ込んじゃってノベライズを読み進めていた訳ですが、4冊目の『いままで魚をありがとう』を読み終わった時点でまだ発売しておらず、ちょっと間をおいてしまったわけです。
それでも、読み始めると、独特の語り口に、口の端を上げながらざくざく読みまくってしまいました。
うう、しかし、すごいラスト。。。。。(呆然)。
1作目で地球を破壊したヴォゴン人が、最後まで絡んでくるとは……。。。
しばらく呆然としてしまいましたが…。。
それでも、「終わったんだなぁ…」と妙に納得してしまいました。◎
5冊読んで、私はやっぱり『銀河ヒッ