水上悟志のレビュー一覧
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絶妙な『重量感』を読み手に与えてくる漫画
固くなりすぎず、かと言って、ふざけすぎもせず
画は荒削り、テンポも軽快で、乱暴だったり下品な台詞もあったりする
だけど、そこに緻密な計算があって、絶妙なバランスを生み出しているのだろう
水上先生の作品を全て読んでいる訳ではないので、軽はずみな事は言えないが、私はこの『重量感』に一番の魅力を感じるからこそ、先生の作品が好きなのだ、と思う
カルトな作品を生み出す描き手と言われがちで、それは確かだと納得する部分はあるものの、そこがイイ
生にも死にも、真正面からぶつかって、生半可な形では描かず、読み手の頭をカチ割ってくるような勢いで訴えてきている
この作品は『 -
Posted by ブクログ
「生くるを楽しめ!何かを極めるには楽しむことを忘れてはいかん。しかめっ面して努力だ根性だ言ってるうちは真髄はこちらを向いてくれぬものだ。」
水上先生の書く大人の様になりたい。東雲半月のように生きたいとなんど思ったことだろう。
戦国妖狐の足利義輝は半月に通ずるところがありますね。「大人は楽しいぞって笑っていられる」大人です。笑うことで人生を肯定するのが水上先生の描くキャラクター。力強く笑って生きている大人はどんな心の闇を抱えた複雑な境遇の子でも前向きになる。
まさに理想の大人像、私もこうなりたい。笑おう。就活辛いけど笑って楽しむんだ
と思わせてくれる。戦国妖狐九巻。これまででいちばん -
Posted by ブクログ
すごい、本当にすごい。心にズガーンときた。これまでも所々で涙するシーンはあったけど、最終巻では始まって数ページから読み終えるまで本当に泣きっぱなしだった。
この漫画の何がここまで心に響いたのだろう。話自体は超々王道。ヒロインであり姫であるさみだれとそれを救い出そうとするヒーローであり騎士である夕日の話である。
まずこの漫画は誤魔化すということがない。それはどういうことかというというとキャラクターの成長、葛藤、苦しみ、悲しみ、人が死ぬということ、行動の理由、etcetc………作中に出てくる要素、その全てを余すところなく描き切っているということだ。この漫画には12人の騎士と一人の姫、そしてそれ -
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惑星を砕く物語、いよいよ本当の最終決戦、そしてその後。
とにかく最初から最後まで全てがよかったと思う。正直5つ星では足りないくらい。読む前に自分が予想していた全ての結末に裏切られ、最高のラストが用意されていていて涙が止まらず。
最終巻では特に獣の騎士団の皆や夕日、さみだれたちが愛おしく思えてしょうがなかった。たくましく成長した夕日が本当にかっこいい。自分も少しでもかっこいい「大人」になりたいと強く思った。
後日譚はボリュームたっぷりで全くもやもやを残さない内容。こんなに作品を通して一人一人を丁寧に描いた作品は他にないと思う。本当にすっきりとした読後感で読み終えられた。最後の彼らの笑顔がとても印 -
Posted by ブクログ
惑星を砕く物語、アニマとアニムス・さみだれと夕日の過去編。そしてついに最終決戦開始。
二つの過去編でどんどん伏線が回収されていくのがたまらない。今読むと今までの流れが一本の線でつながっていくかのようでとても心地よい。これを読んでこそ、読者は気持ちよく最終決戦に望める、という内容なのは間違いない。
そして最終決戦。見所いっぱいだけど、個人的には獣の騎士団対アニムスが一番燃えた。個人個人が力を結集してアニムスに立ち向かっていく、その姿がめちゃくちゃかっこいい。太陽の願い事のシーンは迷いながらも決断した太陽がちょっと輝いて見えた。
10巻はいよいよ本当の最終決戦。素敵なラストを楽しみにしたい。