高橋豊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ノンシリーズ。
植民地帰りの元警官・ルークは、列車内で偶々同席した老婦人から彼女の住む村で連続殺人が行われていると聞かされます。翌日、その老婦人が車に引き殺され、さらに彼女が“次に殺されるかもしれない”と危惧していた医師が死亡したニュースを見たルークは、真相解明の為、件のウィッチウッド村に赴き、独自に調査を開始しますが・・・。
“THE・英国の田舎の村”といった感じの、村人同士が互いを監視し合っているような閉塞感や、村人たちのクセの強さ等、小さい村ならではの“一筋縄ではいかない感”を書かせたら達人級のクリスティーですが、いかんせん登場人物が多くて、ルークの地道な聞き込み場面では何度も巻頭の -
-
Posted by ブクログ
ネタバレウィリアム・アイリッシュ作品。 3作品目。
「その望みが達せられるなら、どんな運命でも、たとえそれがスペードのエースでも、甘んじて受けましょう」ルイスは祈る。破滅の合言葉です。
「あたし、いちかばちかってことをやる男が大好き」刹那に生きるギャンブラーの言葉が、加速させる。
ただなぜこうなってしまったのでしょうか? 何度読み直しても、破滅した理由が、よくわからなかった。
違和感があるとすれば、きっと金銭感覚。物語は、1880年に始まる。日本では、鹿鳴館ができた頃。具体的な金銭感覚は不明ですが、当時の$1は、現在の価値で考えると、1-2万円相当。(仮に1万円として)、ルイスがジュリアに持ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレほとんど手慰みのつもりで読んでいたのが、いつの間にか物語に引き込まれるパターン。アガサ・クリスティー読んでるといつもこうなる。さすがミステリーの女王!って毎回思う。
学生寮の小さな窃盗事件が殺人に繋がり、どうせ人間関係のいざこざなんでしょって思ってたら、まさかの麻薬や宝石の密輸組織に繋がるというスケールのデカさ。ポアロの推理や警察の捜査の仕方は、いやそれでええんかい!みたいなとこあるけど、まあミステリーって大体そういうもん。それより隙のない物語のプロットの立て方に感心。これぞ王道。そして質の良い王道は当たり前に面白い。
何作か読んでるけど、有名なのもそうじゃないのも安定して楽しめるっていう -
Posted by ブクログ
ネタバレ殺人は容易だ。誰にも疑われない人物ならば。
ルークがたまたま同席した老婦人は、ロンドンの警視庁に連続殺人を訴えに行くと言った。その老婦人が事故で亡くなったと聞いたルークは、殺人犯に口封じされた可能性を考え、老婦人の村に調査に乗り込む。
クリスティーのアイテムが散りばめられた作品。事件の犯人を察する老婦人、人間関係の濃密な村、勝気な女性、新旧の価値観の対立、戦後の変化、もちろん殺人を犯しそうにない意外な犯人も。面白いけど、どこか別の作品で読んだ気がしてきてしまう。特に犯人に関しては、意外といえばあの人かな、と思ったら当たってしまう。他のクリスティー作品にもこのポジション(しっかりして一目置か -
Posted by ブクログ
実にウールリッチらしい佳作。
結婚を間際に控えた花婿が一夜の情事から他の女と遊んでしまう。これが彼にとって破局の始まりだった。その後彼女は彼をゆすり続け、とうとう彼は逆上し、首を締めてしまう。そしてそれから見えない警察の魔の手を恐れるようになり、辺鄙な街へ移り住んでは新たに現れる彼を取巻く不信な人物達に彼を捕まえに来た警察の一派だという見えない恐怖の手に絡まれていく。
この恐怖は私にも判る。何も事なきを得て人生を重ねてきた者や犯罪めいたことが日常茶飯事として起きている者にとってはわからないかもしれない。
人は何がしか社会の中で匿名性を求める。それで安心を得ているのだが、一度普通人のレールを外 -
-
-
-
-