高橋豊のレビュー一覧
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ネタバレ殺人は容易だ。誰にも疑われない人物ならば。
ルークがたまたま同席した老婦人は、ロンドンの警視庁に連続殺人を訴えに行くと言った。その老婦人が事故で亡くなったと聞いたルークは、殺人犯に口封じされた可能性を考え、老婦人の村に調査に乗り込む。
クリスティーのアイテムが散りばめられた作品。事件の犯人を察する老婦人、人間関係の濃密な村、勝気な女性、新旧の価値観の対立、戦後の変化、もちろん殺人を犯しそうにない意外な犯人も。面白いけど、どこか別の作品で読んだ気がしてきてしまう。特に犯人に関しては、意外といえばあの人かな、と思ったら当たってしまう。他のクリスティー作品にもこのポジション(しっかりして一目置かれている独身女性)が犯人の作品があるので。
クリスティー作品の見本のような作品ではあるけど、タイトル『殺人は容易だ』があまりにもカッコよく、そしてタイトルが効いているので読んで満足。 -
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実にウールリッチらしい佳作。
結婚を間際に控えた花婿が一夜の情事から他の女と遊んでしまう。これが彼にとって破局の始まりだった。その後彼女は彼をゆすり続け、とうとう彼は逆上し、首を締めてしまう。そしてそれから見えない警察の魔の手を恐れるようになり、辺鄙な街へ移り住んでは新たに現れる彼を取巻く不信な人物達に彼を捕まえに来た警察の一派だという見えない恐怖の手に絡まれていく。
この恐怖は私にも判る。何も事なきを得て人生を重ねてきた者や犯罪めいたことが日常茶飯事として起きている者にとってはわからないかもしれない。
人は何がしか社会の中で匿名性を求める。それで安心を得ているのだが、一度普通人のレールを外れると実はもうかつてのようには戻れなくなる。その事は今後も心に澱のように溜まり、折に触れ想起されるのだ。
安定を求めるが故、侠気に走る主人公マーシャル。エリート街道を進む人間の脆さがここに描かれている。
最後のエピローグはウールリッチ特有の皮肉だ。
しかし、この物語はウールリッチでなくても誰かが紡いだ話である。
しかし題名は秀逸。
そう、誰もが何がしかの“恐怖”を抱き、生きているのだ。それに打ち勝つ者もいれば打ちひしがれる者もいる。それが人生なのだ。 -
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ポワロ作品
【ストーリー】
ヒッコリーロードにある学生寮で盗難事件が多発しているとの相談を受け、寮に赴いたポワロは直ぐに警察に相談するよう助言する。ほどなく、実行犯が名乗り出て事件は解決の兆しをみせたが、翌日その人物が殺されてしまう。
【感想】
色んな学生が出てきて、人物像を把握する前に話が展開するため、他のポワロ作品に比べて理解がし難かった。また、一人一人に状況をじっくり語らせるよりも、その場に居合わせた人物が断片的に情報をもたらす場面の方が多く、推理を組み立てづらかった。事件の背景描写は軽めで、ポワロ作品にしては重厚さが物足りないかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクリスティー女史のノンシリーズもの。
元警察官ルークは列車内で殺人犯を突き止め警視庁に訴えに行く老婦人と出逢う。妄想だと聞き流すが翌日の朝刊で老婦人が轢き殺される記事を目にする。
タイトルとあらすじに過度な期待を寄せましたが正直消化不良でした。
1番の原因は主人公ルークの立ち位置です。ポワロやマープルは小説内でイキイキしているのに対して、ルークは女史の作品では珍しく影がちらつき「操られてます感」満載です。当たり障りのない性格がさらに拍車をかけます。
さらにさらに露骨なミス・リードを連発。伏線を張られても、女史の作品に耐性のある方なら早い段階で怪しみます。鋭い方なら気付きます。
女史の作品とは相性が良かっただけに少し残念です。