高橋豊のレビュー一覧
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ポアロの秘書レモンの姉ハバード夫人が寮母をするヒッコリー・ロードで、リュクサックやスカーフがズタズタになったり、インクがぶちまけられたりという事件が発生。その中のいくつかをやったと自供したシーリアは次の日コリンと婚約すると発表。発表後すぐに寮で服毒される。
シーリアが殺害されるまでに細かい事件がたくさん起きて深い意味があるのかと思えばそんなでもなかった。誤魔化し的な意味で木を隠すなら森みたいなもんで。
家宅調査から密輸疑惑が出て、麻薬、偽装パスポート、知りすぎた人達が殺されてくる展開でそんなにひねりがあるわけではなく、人格不適合者がそのまま捕まる。 -
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「クリスマスにはクリスティーを!」
……ということで、この時期になるとなぜか赤い背表紙の本を手に取ってしまう。私にとって、年末といえば「第九」よりもクリスティーですねぇ。
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」
というスリリングな台詞で始まる本作。
彼女とは誰なのか?この会話の主は一体?
謎は深まるものの、中近東シリーズの『ナイルに死す』と同じくなかなか事件は起こりません。
そもそもこの作品、被害者は一人だし捜査の展開としても、ただ淡々と関係者との「会話」で進んでいきます。
だけれども、「この中に確実に嘘をついている人がいる」という視点で読むとこれが面白い!
なぜその供述を?誰かをかばっている?誰を?
お決まりの解決シーンでも、あらゆる「可能性」が挙げられ、「それで真犯人は誰なの〜?!」とやきもきしながら読み終えました。
今作のヒロイン枠であるサラ・キングはクリスティー作品にたまに出てくる”だめんず製造機”ですし、ちょっと刺激が足りない気もしましたが、やっぱりクリスティーは面白い(あと何回この台詞を言うことになるでしょうか……)。
そうそう、「オリエント急行」に触れられて苦笑気味のポアロさんも印象的でした。あれを引き合いに出されちゃうとねぇ……。
ポアロシリーズは残り9作。
じっくり堪能していきたいと思います。
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ネタバレ一家を財力で支配するサディスティックな未亡人。ボイントン一家の人間が自由を手にするためには、専制君主気取りの女王を死に追いやらなければならない。「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という一文から始まるのが魅力的。ただ、一家の人間は被害者以外は薄味というか、あまり記憶に残らないキャラクター造形でレノックスとレイモンドがややこしくて何度冒頭を振り返ったか。部外者サラが一家の人間を救い出そうと奮闘するも、君主にすべて気取られて釘を刺される展開は一種のディストピアもののような趣向で面白い。実はこの出来事が事件の謎を解く鍵となっている…
誰からも憎まれる被害者の設定が、登場人物たちの行動・証言をより複雑にして、不可思議な状況が出来上がるという趣向もいい。あのクリスティーの名作の亜種みたいな印象だ。 -
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【ノンシリーズ】
1939年クリスティー49歳。
元警官のルークは、列車内で同席した老婦人から「自分の村で起こっている連続殺人事件の犯人を知っている」と聞かされる。
その直後にその老女が死亡したことを知る…。
「殺人はとても容易なんですよ」と話す老女のセリフが印象的。やっぱりクリスティーは引き込むセリフが上手い。
元警官のルークが素人探偵役。
読んでる時にド素人の私でさえ気が付くぐらい色々とわかりやすかった。
もしポアロやマープルがいたら秒で解決しそうな気がする。
素人探偵ものを読んでると、やっぱりポアロとマープルの観察力と洞察力はすごいよなと改めて感じる。
面白かったけど、他の作品と比べて驚きが少なかったのと、全体的にキャラクターの印象が弱く感じた。 -
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死との約束ってなんだろ、
と思いながら読み始めた。
毎回クリスティーの小説を読み始める時は「伏線1個1個ぜんぶ拾う気持ちで行くぞ!」と気合を入れる。
しかし、必ず裏切られる!
え~そっちなの??????と思わされる。
それなのに納得がいく。
遠い昔のページに書いてあった一文を思い出して、
やられた…と膝から崩れ落ちそうにはならないが、そのくらい良い意味で期待を裏返される。
アクロイド殺しの時と同じような感覚というか、
あ~そんな情報あったなと。
最高。
ただ、亡くなったボイントン夫人のサディズムについて、もう少しだけ作中で彼女の人生を濃く教えてもらえたら、更に更に大好きな作品になっただろう。
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小数点があれば3.5点ぐらい。
登場人物紹介を見て、今作は語り手がいるのでマープルは要所要所で出てくるタイプかな?とは思っていたけど、なかなか出てこなくて何度もこれマープルシリーズであってる?と確認した。
マープルが大好きなので活躍が少なめでやきもきしたけど、語り手兄妹のラブストーリーが面白かった。
急に求婚しにいくのが日本では考えられなくて流石だなぁと笑った。
私が読んだクリスティー作品は今のところ全て2回以上事件があるので、山場が多くて面白いな〜と思った。
あとほぼ毎回この人が犯人!?と思うのと、犯人を捕まえるのにまぁまぁ危険な真似をするのがすごい。
理詰めの探偵じゃないからこそ、証拠が不十分でほぼ現行犯逮捕になるという面白さ。 -
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ポアロもの。
ポアロの秘書ミス・レモンの姉であるハバード夫人が寮母を務める学生寮で、盗難騒動が次々と発生。
件の寮を訪れたポアロは、学生たちの前で警察を呼ぶべきだと主張します。
そしてその直後、盗難の一部は自分がした旨を打ち明けた寮生が謎の死を遂げてしまい・・・。
今回の舞台は外国人留学生の多い学生寮(学生だけでなく社会人も寄宿)ということもあって、登場人物が多く、誰が誰なのかを一致させる為、冒頭の登場人物一覧をいつも以上に行ったり来たりしながら読みました。
多種多様な寮生というだけでも大変なのに、寮の経営者・ニコレティス夫人は異常にヒステリックだわ、料理人のイタリア人夫婦もイマイチ鈍いわで、唯一まともなハバード夫人の激務っぷりに同情しつつ、試しに妹のミス・レモンに“一日寮母”をさせたらどうなるのかな・・なんて思ってしまいました(特にミス・レモンVSニコレティス夫人は見てみたいかもw)。
で、盗品&破損品と人物を結びつけたり、寮生たちの関係性を洗ったりしていくうちに、第二第三の殺人が起こり、さらには思わぬ組織犯罪が浮かび上がってくる展開です。
今回もポアロは“いい仕事”をしてくれるのですが、いつもに比べて前面に出てこず、“整理と紐づけ作業”に徹している印象です。
そして一緒に捜査をするシャープ警部も、ニコレティス夫人にブチギレされながらも、辛抱強く関係者たちへのヒアリングをしたりと地道に頑張っておりました。
余談ですが、西アフリカ人のアキボンボ君の「(被害者が殺されたのは)部族間の血の恨みだったのでは・・」という証言には、“大喜利の回答か!”とツッコミたくなりました・・勿論、彼は大真面目なんですけどねw
犯人に関しては、“一周廻ってそこですか!”という感じでしたが、“あの人”と“あの人”が母娘だったというのは驚きで、見抜いたポアロは流石です。
事件解決後は、急にカップルが誕生するなどほっこりしたラストで、ミス・レモンもノーミスになり、めでたしめでたしでございました。
ところで、前述したようにこの話には多種多様な人種のキャラが登場するのですが、今だったらポリコレ的にマズイんでねーの?という程差別表現満載で、これも時代なんかなー・・と思った次第です~。 -
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スーシェ版ポワロさんに合わせて手に取りました。
しばらくはドラマのエピソードに先駆けて読むタイトルが決まりそうですが……この次は『ゴルフ場殺人事件』。じゃあいいか笑。そしてその次が『もの言えぬ証人』。おおこれは気になります。
さて今作は、ポワロさんの優秀な秘書ミス・レモンが仕事上のミスを犯すところから始まります。
それにしても、ドラマ版ではあんなにチャーミングなミス・レモンですが、原作では「実務的な観点から見れば、彼女は女ではなくて、機械だった――完璧な秘書だった」と表現されているのがちょっと面白い。良い改変だ。
そんなミス・レモンの気が散ってしまっていたのは、お姉さんの悩み事のせい。
ということで、彼女が管理を任されている学生寮が今作の舞台となります。
「学生寮」といっても、暮らしているのは学生だけでなく社会人も。様々な国籍の人物が出てくるので、当時のアメリカやアフリカの人々がどう見られていたかも垣間見られて興味深いです。
いつものごとく、国籍と専門(職業)と性格を一致させるのに苦労したのですが……今回それより気になったのがポワロさんの口調!
年配の訳者さんだったので予想はしていましたが、ミス・レモンや学生相手に「あんた」と呼びかけるのはなんだかなんだか〜!ドラマではどんな表現になっているのか、よくチェックしたいと思います。
そんな引っ掛かりはありつつも、中盤からするするとページを繰る手が進んでしまうのはやっぱりいつものクリスティー。
「いかにも怪しい人物はシロ」「いかにも怪しい人物がクロ」、両方のパターンがありますがさて今作は。私は裏をかいて見破れませんでした笑。
たくさんの人物が出てきますが、読み終える頃にはすっかり認識できるのがクリスティー作品のすごさですよね。アキボンボ、いいひとだなぁ。