【感想・ネタバレ】喪服のランデヴーのレビュー

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Posted by ブクログ

詩情あふれる、それでいて抑制された文体でつづられる切ない復讐の物語。
とってもよかったです。
よかったことが、記憶に残る。

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2010年07月12日

Posted by ブクログ

飛行機から投げ捨てられた空き瓶によって、ひとりの娘の命が奪われた。彼女の恋人だった青年はその飛行機と乗客5名をつきとめ、…やがて、その乗客たちの妻や恋人に、次々と死が訪れる。
『幻の女』や『暁の死線』ほど知られていないように思うが、個人的には最も好きな作品のひとつ。全編にウールリッチ/アイリッシュ独特の空気が濃く漂う。これは、失われた愛を悼む物語。5つのエピソードは、それぞれが完成された短篇小説のようで、何度でも読み返したくなる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

残るのは無だけなんだよね…
飛行機から落ちてきたものによって
愛しい人を失う羽目になった男。

やがて彼は姿を消し、
その狼藉に関わったものたちを
不幸に貶める復讐鬼へと変貌したのです。

1人を除いては巻き添えですね。
なぜ一人を除いたかって?
こいつがバカをやったために
鬼を目覚めさせたから。

彼だけは相応しい最悪の復讐を
受けることになっています。

もちろんこの復讐は許されるわけもなく
最後はね…

本当マナー守れよマジで。

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2024年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。
ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間に同場所を通過した飛行機に乗り合わせた乗客全てに同じ苦痛を事件の起こった5/31に味わわせるのだった。

この設定を読んだだけでもう早く読みたいと思うのは当然ではないだろうか?
しかも唄う詩のような美文は健在で今回も陰惨な内容ながら幻想的な衣装を纏いながら物語は流れていく。
しかも成される復讐は5つあり、それら全てが極上の短編小説のようにスパイスが効いているのだ。
顔の見えない主人公ジョニー・マー。彼のした事は非道で許されないことだが、彼のされた事もまた同じである。深く哀しみを湛えて復讐を成す彼が到達する最後は恋人ドロシーに扮した警察見習い生。その再会で彼は至上の悦びを発散する。
最後死ぬ前に救われたのか?
私は救われたと思う。いやそう信じたい。

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2021年02月02日

Posted by ブクログ

飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行を食い止めようとする。哀切な思いの果てに繰り返される理不尽な復讐劇はどのような結末を迎えるのか。

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2019年02月27日

Posted by ブクログ

翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読む価値がある。上空を通過した飛行機の乗客が投げ捨てた瓶の直撃を受け、逢瀬の待ち合わせ場所にいた恋人を殺された男。その無残で凍てついた心象風景を綴っていくプロローグは、ウールリッチならではの世界観を形作っている。
本作は凄まじい怒りによって復讐の鬼と化し、狂気の淵へと墜ちた若者ジョニー・マーが、真犯人を特定できないままに対象となる5人の男を探り出し、躊躇うことなく地獄の底へと突き落としていく物語だ。脈略無き不可解な連続殺人を嗅覚鋭く追う刑事も登場させるが、メインで描くのは、緻密な計算のもとに遺恨を晴らすべくジョニーが対象5人に加えていく報復の顛末である。推定する加害者を単に殺すのではなく、ジョニー自身が味わった悲劇と同様の苦悩へと陥らせる。その非道/冷酷ぶりは極まっており、罪のない人々までも犠牲にしていく若者には、いつしか同情よりも畏怖感の方が強まっていくだろう。
捻りを施した構成の妙とサスペンスフルな展開で読ませる秀作であり、ウールリッチの魅力が存分に溢れている。ノワールの先駆であり、ラストシーンにおいて自らも暗黒へと堕ちていくジョニーの絶叫が重い余韻を残していく。

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2017年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それは本当に悲しい偶然だった―
ある夜、ひとつの街角で愛する人を待っていた可憐な少女は理由もわからぬまま命を落とす。

原因は遥か上空を飛ぶ飛行機から赤の他人が投げた1本の空き瓶だった。
不幸にも恋人を失った青年は妄執の鬼と化し、原因を作り出した見知らぬ他人の命を一人ずつ狙っていく―


サスペンスの名手、ウールリッチが手がけた血も凍る西洋版仇討ち物語。
ウールリッチらしい無慈悲な結末も相まって、青年の虚しさや悲しみがひときわ浮かび上がっている。

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2011年08月30日

Posted by ブクログ

ドラマ版の方をお薦めしたくて紹介。原作は未見です(おい)。
自分の地位を守るために1人の女性を殺害してしまった4人の権力者。毎年、彼女の命日に1人ずつ4人の愛する人が殺されてゆく。そこには女性の婚約者であった青年の影があった・・・。まぁ復讐劇ですわ。物凄い切ない。ドラマは全5話で、ちょっと淡白で説明不足ですが、良く纏まってて面白いと思います。DVDにならないのかなー・・・。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 飛行機に乗っていた誰かの、ふとした行動から、一瞬のうちに愛する女性を失ってしまったジョニー。数日後、彼の手にはそのとき飛行機に乗っていた客の名簿が握られていた。彼はその名簿に載っている男の妻や恋人たちを残らず殺そうと計画したのだ。―どんな気持ちかね―というカードを添えて・・・。
 ウールリッチのロマンス全開の作品。プロットには「黒衣の花嫁」に似たところがあります。

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2009年10月27日

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