【感想・ネタバレ】喪服のランデヴーのレビュー

あらすじ

旅客機の乗客が心なく落した壜が、すべての不幸を巻きおこした。壜はジョニーの愛する娘の生命を一瞬のうちに奪いさってしまった。永遠にいやされぬ悲しみを心に秘めて、ジョニーは復讐の鬼となった。その日その機に乗り合せた男たちの妻や恋人を、ひとりずつ誘惑し、のこらず殺そうと計画したのだ! 一方、狂った殺人鬼を捕えようと、警察は酬われぬ努力をつづけていた。早く行動しなければならない。死はすでに4人の無辜の人の生命を奪い、いま5人めに予告を発しているのだ。比類なきサスペンスと、独特な抒情にみちた傑作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

残るのは無だけなんだよね…
飛行機から落ちてきたものによって
愛しい人を失う羽目になった男。

やがて彼は姿を消し、
その狼藉に関わったものたちを
不幸に貶める復讐鬼へと変貌したのです。

1人を除いては巻き添えですね。
なぜ一人を除いたかって?
こいつがバカをやったために
鬼を目覚めさせたから。

彼だけは相応しい最悪の復讐を
受けることになっています。

もちろんこの復讐は許されるわけもなく
最後はね…

本当マナー守れよマジで。

0
2024年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。
ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間に同場所を通過した飛行機に乗り合わせた乗客全てに同じ苦痛を事件の起こった5/31に味わわせるのだった。

この設定を読んだだけでもう早く読みたいと思うのは当然ではないだろうか?
しかも唄う詩のような美文は健在で今回も陰惨な内容ながら幻想的な衣装を纏いながら物語は流れていく。
しかも成される復讐は5つあり、それら全てが極上の短編小説のようにスパイスが効いているのだ。
顔の見えない主人公ジョニー・マー。彼のした事は非道で許されないことだが、彼のされた事もまた同じである。深く哀しみを湛えて復讐を成す彼が到達する最後は恋人ドロシーに扮した警察見習い生。その再会で彼は至上の悦びを発散する。
最後死ぬ前に救われたのか?
私は救われたと思う。いやそう信じたい。

0
2021年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それは本当に悲しい偶然だった―
ある夜、ひとつの街角で愛する人を待っていた可憐な少女は理由もわからぬまま命を落とす。

原因は遥か上空を飛ぶ飛行機から赤の他人が投げた1本の空き瓶だった。
不幸にも恋人を失った青年は妄執の鬼と化し、原因を作り出した見知らぬ他人の命を一人ずつ狙っていく―


サスペンスの名手、ウールリッチが手がけた血も凍る西洋版仇討ち物語。
ウールリッチらしい無慈悲な結末も相まって、青年の虚しさや悲しみがひときわ浮かび上がっている。

0
2011年08月30日

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