高橋豊のレビュー一覧
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「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ・・・」エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?ポアロの思いが現実となったように殺人は起こった。謎に包まれた死海を舞台に、ポアロの並外れた慧眼が真実を暴く。
どう考えても怪しい会話が冒頭で繰り広げられ、犯人としか思えない展開から始まるところが本当に上手いなあと思う。読者はどうしてもそっちに意識がいってしまうので。誰かが嘘をついている中で、時間のアリバイを順序立ててポアロが謎解きする場面はやっぱりかっこいい。ボイントン家の家族と彼らにそれぞれいろんな関係者が絡んできて、訳が分からない。自分ではさっぱり解けませんでした(笑)しかしクリスティは歪んだ精神を描く筆力がすごい。普通に被害者に全く同情できなかった。 -
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学生寮で働くハバート夫人から、寮で頻出する盗難事件の相談を受けたポアロ。ほどなく寮生の一人が名乗りでるが、皆の前で罪を告白した翌日にモルヒネを飲んで死んでいるのが発見される。連続盗難事件のなかで彼女が「自分のしわざではない」と否定したいくつかの品が謎を解くカギになるとポアロは捜査をはじめる。
移民というか留学生に対する世間のイメージがテーマになっていて、誇張されたキャラクターがたくさんでてくる。でもクリスティはセリフから性格を読み取らせるのが抜群にうまいので、自然と寮生たちのキャラをおぼえてしまうのがテクニシャンだ。学生同士の会話が昔の少女漫画のようだった。 -
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「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『動く指(原題:The Moving Finger)』を読みました。
『書斎の死体』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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傷痍軍人の「バートン」が療養のために妹とその村に居を構えてまもなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。
陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。
不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは?
「ミス・マープル」が若い二人の探偵指南役を務める。
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1943年に発表された「ミス・マープル」シリーズの長篇3作目となる作品、、、
『書斎の死体』に続き「ミス・マープル」シリーズ作品です… 1年くらい前にドラマ化された作品(『ミス・マープル2 動く指』)を観ていたので、イメージは掴みやすかったですね。
戦時中の飛行機事故により重傷を負った「ジェリー・バートン」は、医者の勧めにより、静養のために妹の「ジョアナ」とリムストックの町へとやって来た… 二人がリムストックに居を構えてまもなく、差出人不明の手紙が届けられる、、、
それは、「ジェリー」と「ジョアナ」が本当の兄妹ではない」という内容を下品な表現で文にした誹謗中傷の手紙だった… 「ジェリー」はバカバカしいと思い手紙を破り捨てるも、地元の医師「グリフィス」に手紙のことを打ち明けるが、「グリフィス」は、リムストックでは以前から人々を誹謗中傷する怪文書が出回っていると話す。
そしてこの怪文書事件は新たな悲劇を引き起こした… 事務弁護士「ディック・シミントン」の妻である「モナ」が服毒自殺を遂げてしまったのだ、、、
手紙には、現夫の「ディック」との間に生まれた次男の「コリン」が、「ディック」ではなく別の男との間に生まれた子供であるという内容が下品な表現で綴られていた… 「モナ」の遺体のそばには「生きていけなくなりました」というメモが残されていたことや、彼女が以前から神経衰弱気味だったことから、「モナ」の死はこの手紙を苦にしての自殺と思われた。
さらに事件は続き、今度は「シミントン家」のお手伝いである「アグネス」が行方不明になる… 彼女は行方不明になる少し前に、リトル・ファーズ邸のメイドである「パトリッジ」に相談したいことがあると電話をしていたのだった、、、
「パトリッジ」は「アグネス」とお茶を一緒にという約束をしていたが、現れなかったのだという。
翌朝、「ジェリー」は「ミーガン」からの電話で目を覚ました… 「シミントン」の妻「モナ」が前の夫との間に儲(もう)けた娘であった、、、
「ミーガン」は慌てた口調で「ジェリー」に「すぐに来て!」と話し、「ジェリー」は悪い予感を感じつつ「シミントン家」へと向かう… その悪い予感は的中した。
行方不明になっていた「アグネス」は、階段の下の戸棚で他殺死体となって発見されたのだった… この事態に牧師夫人は、知人の「ミス・マープル」を呼び寄せた、、、
「ミス・マープル」は事件の真相を探るべく、リムストックを散策することとなった… ということで、残りページ数が少なくなった280ページ(トータル391ページ)で、ようやく「ミス・マープル」が登場します。
全編「ジェリー・バートン」の視点で物語が進むのですが… 「ジェリー・バートン」は、終盤になって登場した不思議な老夫人「ミス・マープル」の不可解なコメントや行動に困惑しながらも、徐々に真実に近付いていきます、、、
先に推理を始めていた「ジェリー」でしたが、いつの間にか「ミス・マープル」に先を越されてしまった感じでしたね… 怪文書事件等により、読者も「ミス・マープル」以外の登場人物たちもミスリードしてしまう仕掛けが巧く織り込んであり、まんまと騙されましたね。
登場人物が多く、相関関係が分かり難いこともあり、複雑な推理をしていまいます… それが「アガサ・クリスティ」の仕掛けた巧みな罠なんですよねぇ、、、
実はシンプル… 殺人の動機があり、最も犯罪者らしい人物が真犯人でしたね。
愉しめる作品でしたが… 「ミス・マープル」の登場シーンが少ないので、ファンにとっては少し物足りないかも、、、
あと、登場人物が多いので、時々、誰が誰やら混乱気味… ドラマを先に観ていなかったら、もっと混乱したと思います。
以下、主な登場人物です。
「ジェーン・マープル」
詮索好きな独身の老婦人。
「ジェリー・バートン」
本作の語り手。
傷痍軍人で、療養のためにリムストックから半マイル離れたリトル・ファーズ邸に移住。
「ジョアナ(ジョー)・バートン」
ジェリーの妹。兄ジェリーとともにリトル・ファーズ邸に移住。
「リチャード(ディック)・シミントン」
ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務所の事務弁護士。
「モナ・シミントン」
ディックの妻。
「ミーガン・ハンター」
モナの先夫の娘。
「エルジー・ホーランド」
シミントン家の家庭教師。
「アグネス・ウォデル」
シミントン家のお手伝い。
「ローズ」
シミントン家のコック。
「オーエン・グリフィス」
医師。
「エメ・グリフィス」
オーエンの妹。
「エミリー・バートン」
リトル・ファーズ邸の持主で、オールドミスの姉妹の最後の1人。
「パトリッジ」
リトル・ファーズ邸のお手伝い。
「ケイレブ・デイン・カルスロップ」
教区牧師。
「モード・デイン・カルスロップ」
教区牧師夫人。
「ナッシュ」
郡警察の警視。
「ミス・ギンチ」
ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務。
「ジョージ」
ベアトリスの恋人。
「パイ」
プライアーズ・エンドの修道院長。
「クリート夫人」
植木屋の妻。‘賢者の一族’の出身。
「ベアトリス」
リトル・ファーズ邸のお手伝い。 -
購入済み
なるほどね
証人尋問だけで解決させるポアロのお手並みは見事なものだけど
それを推理小説にするとこうなるのかという感じで
ミスリードといったら良いのか肩透かしといったら良いのか
私にとってはスッキリしなかった。 -
Posted by ブクログ
ノンシリーズ。
植民地帰りの元警官・ルークは、列車内で偶々同席した老婦人から彼女の住む村で連続殺人が行われていると聞かされます。翌日、その老婦人が車に引き殺され、さらに彼女が“次に殺されるかもしれない”と危惧していた医師が死亡したニュースを見たルークは、真相解明の為、件のウィッチウッド村に赴き、独自に調査を開始しますが・・・。
“THE・英国の田舎の村”といった感じの、村人同士が互いを監視し合っているような閉塞感や、村人たちのクセの強さ等、小さい村ならではの“一筋縄ではいかない感”を書かせたら達人級のクリスティーですが、いかんせん登場人物が多くて、ルークの地道な聞き込み場面では何度も巻頭の登場人物紹介ページを見直してしまいました(汗)。
そして、謎だった被害者同士を繋ぐ共通点・・所謂ミッシングリンクが明らかになったかと思いきや、巧妙なミスリードにまんまと騙されてしまい、後半のサスペンス的展開にはハラハラさせられました。
それにしても、真犯人のサイコっぷりにはゾッとするものがありますね。
因みに、クリスティー作品にちょいちょい登場するバトル警視が本書の終盤にちょっとだけ登場するのが何気に嬉しかったです。本当にちょっとだけですが(笑)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレウィリアム・アイリッシュ作品。 3作品目。
「その望みが達せられるなら、どんな運命でも、たとえそれがスペードのエースでも、甘んじて受けましょう」ルイスは祈る。破滅の合言葉です。
「あたし、いちかばちかってことをやる男が大好き」刹那に生きるギャンブラーの言葉が、加速させる。
ただなぜこうなってしまったのでしょうか? 何度読み直しても、破滅した理由が、よくわからなかった。
違和感があるとすれば、きっと金銭感覚。物語は、1880年に始まる。日本では、鹿鳴館ができた頃。具体的な金銭感覚は不明ですが、当時の$1は、現在の価値で考えると、1-2万円相当。(仮に1万円として)、ルイスがジュリアに持っていかれた金額は、5万ドル(5億円)。ルイスの全資産は10万ドルだから、その後、お金が無くなるエンディングまでに、同等の金額を使い切った換算。
ボニーが浪費癖があるとはいえ、逃避行のホテル暮らしとはいえ、豪華な家&家政婦とはいえ、にわかに信じられないお金の使い方としか思えません。えっと、5億円あれば……。私だったら、指輪や宝石を買っても、ドレスをオーダーしても、ホテルで食事をしても、とても、使い切れない。
破滅に向かう二人のコントラストが面白い。ギャンブラーと鴨・小心者。ただ、働き通しだったルイスも、ボニーとの逃避行は、希望こそ持てなく、単に浪費(お金と時間の)だけど、きっと、それまでの生き方よりも、幸せだったに違いない。だから、最後に、「あれ」を飲もうとしたのでしょう。
一方、ボニーについて、最後はなんかルイスとワルツを踊って、愛?いや同情?したような感じでしたが、最後まで、小悪女を貫いてこと、と思うのは、私だけ? -
Posted by ブクログ
ネタバレほとんど手慰みのつもりで読んでいたのが、いつの間にか物語に引き込まれるパターン。アガサ・クリスティー読んでるといつもこうなる。さすがミステリーの女王!って毎回思う。
学生寮の小さな窃盗事件が殺人に繋がり、どうせ人間関係のいざこざなんでしょって思ってたら、まさかの麻薬や宝石の密輸組織に繋がるというスケールのデカさ。ポアロの推理や警察の捜査の仕方は、いやそれでええんかい!みたいなとこあるけど、まあミステリーって大体そういうもん。それより隙のない物語のプロットの立て方に感心。これぞ王道。そして質の良い王道は当たり前に面白い。
何作か読んでるけど、有名なのもそうじゃないのも安定して楽しめるっていうのは本当に凄いことだと思う。当時のファンの熱狂ぶりが窺えるな。ファンじゃなくても全作読破してみたいと思わせるんだから相当な魅力です。また手が空いたときに読む。