高橋豊のレビュー一覧

  • 殺人は容易だ

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    ネタバレ

     ミステリーにおいて物語の導入はとても大事な要素で、冒頭から惹き込まれると終盤まで一気に魅せられて怒涛の様に読み終えてしまう。そして、クリスティは冒頭の構成がとても上手で、終盤まで圧倒的なインパクトで読者に驚きを与える。
     今作では警察を引退している主人公ルークが、ロンドンに帰郷する列車の中で、とある老婦人と一緒になる。彼女は地元で連続殺人が起きており、それをロンドンの警察まで伝えにいく途中だと告げる。ルークは全く信じていなかったが、後日、その老婦人が車に轢かれて亡くなった事を知り、また、別の日には老婦人が次の被害者になり得ると心配していた医者が死亡した事を知る。ルークは事実を確かめる為に舞台となるウィッチウッドに向かう。
     サスペンス要素も多く、しかししっかりとミステリーとして読む事が出来る。クリスティの大量殺人は少ないが、彼女が大量殺人モノを描いたらこうなるというお手本の様な作品だ(そして誰もいなくなったは全く別のテーマだと思っている)。現代ではサイコパスや狂人等サスペンスやホラーによった作品も多いが、読み易さとバランス感は今作が頭抜けて面白いと思う。
     登場人物達は当然ながら怪しい人ばかりで、ルークはまるでおどろおどろしいウィッチウッドに生贄に向かった様な印象だ。今作でヒロインの役回りであるブリジェットについても、冒頭から信用せずに疑ってかかってしまう程、どんよりとした雰囲気をもつ作品だ。

     ルークは探偵役として行動力はとても高いが推理力は乏しい。読者と同じ目線という作品も多いが、どうやら僕は探偵が読者を置き去りにして、"ワトソン"が読者に寄り添うスタイルの方が好きなようだ。今作ではルークがほとんど全ての人物を疑ってかかる為、犯人に迫っていくスリリングなやり取りは感じられず、更には終盤にブリジェットがいきなり推理を覚醒させて、少し大雑把な印象だった。それであっても物語の始まり方、終盤のどんでん返し含めとても面白い作品だ。作中、様々な殺人事件があるわけだが、クリスティは作中よく、殺害方法の型の話をするが、今回、殺害方法が実は共通性がある事に感心してしまった。ピンカートンの事故から物語はスタートするが、実は彼女の死も共通性をきちんと持った殺人の一つだった。(バトルはおいしい所を調整する役目だった(笑))
     
     残念ながら、翻訳が機会的に思えてしまう部分があり、定型文の様なやり取りに見えた部分がある。余り翻訳を気にした事はないが、こういった影響があると学んだ。原文であれば更に面白いのであろう。
     

    0
    2024年01月06日
  • 動く指

    A

    購入済み

    面白かった

    物語として面白かった。
    めでたしめでたし。
    このみによるけど私には面白かった。
    ミステリとしては、それほどでもないかもしれない。
    もちろん謎解きは鮮やかでなるほどと思ったけど、
    なんとなく犯人の目星はつくので。

    0
    2023年11月10日
  • 動く指

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    ミス・マープル・シリーズを何冊か読んでそろそろ読み飽きた頃だったのだが、これは良かった。といっても、ミス・マープルは主要登場人物一覧にも登場しないくらいの端役で、チラっと出てきて、事件を解決して帰っていく謎の老嬢としてしか描かれない。しかし古き英国の田舎の雰囲気を大いに湛えた描写は楽しめる。

    解説の久美沙織が書いている「大好きになってしまったキャラたちが犯人だったらどうしようと、ハラハラさせられる」という表現がまさに的確。推理小説にこういう楽しみがあるとは!

    0
    2023年11月03日
  • 動く指

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    ミス・マープルの長編3作目。ミス・マープルが終盤まで出てこない。出てきたら一気に謎が解けるんだけど、こういう主役っぽくない名探偵は珍しいかも。
    ミス・マープルはなかなか出てこないけど、語り手の青年ジェリーと妹のジョアナがいいキャラで、ロマンス要素もあって楽しく読んだ。
    久美沙織さんの解説も面白かった。

    0
    2024年01月27日
  • 死との約束

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     登場人物の魅力、キャラクター性は様々な物語になくてはならない要素だ。クリスティは描写力に定評があり、人物描写、風景描写は本当にその人達がその場所で生きている様な、そんなイメージを読者に与える。当然、時代のギャップや違和感は出てしまうが、それはあくまで古典としてのギャップであり、反対にそれらも魅力として捉えると、とてもノスタルジックな世界観の中ミステリーが展開されていき、何か壮大なストーリーを経験している様な、そんな気持ちになる。
     今回、いきなり「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という二人の人間の会話をポアロが偶然耳にするところから始まる。舞台はエルサレム、そして死海を中心に展開されていき、ポアロの海外旅行物の一つにあたる。イラクやエジプト等、考古学者のパートナーを持つクリスティらしい場所から、今回はイスラエル周辺が舞台となり、砂漠や岩だらけの場所、洞窟等現実離れした設定が魅力的だ。
     物語の中心はサラ・キングという若い女医とボイントン家の人々が担う。家長のボイントン夫人はとても嫌な人であり(クリスティは嫌な年寄りを描かせたら世界一だろう(笑))、ボイントン家の人々は彼女に支配され、洗脳され、外界での生活を遮断されて暮らしている。今回、偶然、家族旅行に来ているが、周りからすれば異常な家族に見られている(全員が夫人の悪意に敵意を持っているが、批難の言葉は辛辣、余りにも酷い表現が昔からクリスティ作品の魅力の一つでもある。)
    舞台はホテルから場所を移し、ヨルダンのペトラに移動するが、そこでボイントン一族を巻き込む殺人事件が発生する。物語は第二部に進み、ポアロのが本格的に参戦し、事件の真実に迫る。
     メロドラマ的な要素と二転三転するストーリー。誰かが誰かの為に真実を偽り嘘をつき、全てを隠そうとしていくが、ポアロは真相を見抜き、心理の中に真実を見つけ、組み合わせていく。全てを正しく配置するポアロの手法が巧みな作品で、僅かの時間で真相に辿り着いてしまう。
     クリスティ作品を読み慣れていた事と、遥か昔に読み終えていた作品の為、何となく犯人を推理できたが、やはり一筋縄ではいかない、意外性のある展開は面白い。また、個人的には「オリエント急行事件」についてポアロが問われ、言及している様子もあり、あの事件の結末とポアロの対応にはとても感動していた為、作中ではどの様に思われていたのかが不思議であった(やはりあの結末を世間が納得していない事は明白な様だが、真実は一族とポアロしか知らない)
     長い間クリスティの作品に浸かり、そもそも僕の読書の土台を形成した作家であり、また改めて作品を手に取るようになると、過去作との関連や言及が以外に散りばめられている事に気づき、面白さのベースが改善されていく。今作は当然、過去作なしでも楽しめるのだが、雰囲気を更に楽しむ為に「ナイルに死す」や「メソポタミアの殺人」「白昼の悪魔」等と関連して読むと旅行気分を味わいながらとても楽しめるだろう。

    0
    2023年10月05日
  • 死との約束

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    ネタバレ

    殺人が起きるまでの第一部は「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃならないんだよ」という興味を引く一文から始まるわりに大したことも起こらないようにみえて焦らされた
    中東の風景に詳しくないのもあって想像しづらかった
    うってかわって謎解きに入ってからはボイントン家の人々の行動や犯人にかなり意外性があって想像以上におもしろかった
    自分が母親に会ってみたら死んでて、それを家族がやったと全員勘違いしていくところがいい
    犯人を含めて一堂に会した謎解きかと思いきや、犯人には隣の部屋で盗み聞かせておいて…というのが凝ってるなと思った

    0
    2023年09月29日
  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    学生寮で頻発する失せ物という重大事と感じるのも難しいトラブル
    一見すると何か法則性が存在するかも想像できない失せ物リスト。それを丁寧に紐解いていく事で見えてくる犯人やそれ以外の者達の思惑
    探偵エルキュール・ポアロが関わった事から事態が意外な展開を見せる流れはアガサ・クリスティーの巧みさを感じるね

    また、本作の特徴を上げるとすれば、事件に関わる者達が殆ど学生という点。それによりクリスティー作品に多い遺産や金品を巡る争いではなく、もっと単純で若々しい若者の感性が前面に出た人間関係が事件を複雑にしているね
    ただ、まあ、事件の要素を紐解いていけば最終的に別の顔を見せるのだけどね
    いや、本当に学生寮の問題というスタートから意外な着地点へ至ったと感じられる終盤だったよ


    一つだけ、難点というか困った点を上げるとすれば、最後まで誰が誰だか判別が付かなかった事だろうか……
    ドラマ版を見てればもう少しイメージを固めた上で読めたのかな…?

    0
    2023年04月27日
  • 動く指

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    探偵がこんなに長いこと出てこないミステリーも珍しい(笑)
    ストーリーはさすがの面白さ。
    キャラクターがみんな好感持てたのもクリスティー作品の中では珍しい気がした。

    0
    2022年10月29日
  • 殺人は容易だ

    A

    購入済み

    おもしろかった

    人物描写が巧みというのか
    人間の本質が表現されているというのか
    まるで実在の人物によって行われた
    本当の出来事のように思われる。
    ああ怖い。

    0
    2022年10月15日
  • 殺人は容易だ

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    田舎の社会における捜査のお話がメイン。何しろ死んでいる人数が多い。
    バトル刑事は登場するがちょっとだけ。バトル刑事って数作品で出てくるが、いつも主人公描写出ないなぁと改めて思う。

    0
    2022年09月04日
  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ヒッコリー・ロードの殺人(原題:Hickory Dickory Dock)』を読みました。

    『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』、『ポアロのクリスマス』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    外国人留学生の多いロンドンの学生寮で盗難騒動が次々と起き、靴の片方や電球など他愛のないものばかりが盗まれた。
    が、寮を訪れた「ポアロ」は即刻警察を呼ぶべきだと主張する。
    そしてその直後、寮生の一人が謎の死を遂げる。
    はたしてこれらの事件の裏には何が…マザーグースを口ずさむ「ポアロ」が名推理を披露する。
    -----------------------

    1955年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇27作目となる作品、、、

    『ポアロのクリスマス』に続き「エルキュール・ポアロ」シリーズ作品です。


    「ポアロ」の秘書「ミス・レモン」の姉「ハバード夫人」が管理人として雇われているヒッコリー・ロード二十六番地の学生向けの寮で盗難事件が多発、、、

    盗まれたモノは靴の片方や電球など他愛のないものばかり… 「ポアロ」は、探偵の理論と方法という講演をするという理由で寮に入り込み、真相を探ろうとします。


    窃盗の大半は、寮生「シーリア・オースティン」が、同じ寮生の「コリン・マックナブ」の気持ちを惹きつけるための犯行ということが判明しますが、一部の盗難について「シーリア」は犯行を否定します、、、

    「シーリア」が犯行を否定した盗難に何か意味があるのでは… と推理した「ポアロ」は真相を究明しようとしますが、そんな中「シーリア」が寮でモルヒネにより毒殺され、その後、寮の経営者「ニコレティス夫人」、寮生「パトリシア・レイン」が相次いで殺害されます。


    「シーリア」の犯行ではなかった盗品、、、

    ずたずたに裂かれたリュックサックは密輸の道具だったり、

    電球は警察の捜査時に見えにくくするための工夫だったり、

    聴診器は医者になりすます小道具に使われたり、

    と、それぞれ意味のある犯行だったんですね… そして、その背後には大規模な麻薬密輸が絡んでいたという展開でした。


    短時間に一気に多くの登場人物が出てくるので、人物の相関関係が判りにくかったなぁ… 特に寮生たちについては、名前と人物像がなかなか一致せず、ちょっと感情移入し難かったですね。


    男女の寮生による犯行… そのうちの一人は、過去に犯罪歴(家族を毒殺)があったというオチでした、、、

    途中で、ある程度、犯人が想定できる展開でしたが、なかなか面白かったです。



    以下、主な登場人物です。

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

    「ミス・レモン」
     ポアロの秘書

    「ハバード夫人」
     レモンの姉。寮母

    「ニコレティス夫人」
     寮の経営者

    「マリア」
     ヒッコリー・ロード下宿料理人

    「ジェロニモ」
     マリアの夫

    「ナイジェル・チャプマン」
     歴史学専攻の学生

    「レン(レオナード)・ベイトソン」
     医学生

    「コリン・マックナブ」
     心理学専攻の学生

    「サリー・フィンチ」
     アメリカ人の女子留学生

    「ヴァレリ・ホッブハウス」
     服飾品のバイヤー

    「エリザベス・ジョンストン」
     ジャマイカからの女子留学生

    「パトリシア(パット)・レイン」
     考古学専攻の学生

    「ジュヌビエーブ・マリコード」
     フランス人の女子留学生

    「ジーン・トムリンソン」
     セント・キャザリン病院物理療法研究生

    「アキボンボ」
     西アフリカ人の留学生

    「シーリア・オースティン」
     セント・キャザリン病院薬剤師

    「シャープ」
     ロンドン警視庁の警部

    0
    2022年08月15日
  • チムニーズ館の秘密

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    ネタバレ

    クリスティのバトル警視モノ。初めてバトル警視の登場作品を読んだのだけれども、バトル警視が思った以上に活躍していなくて笑った。探偵役は主人公じゃん。途中まで、主人公の二重人格説を疑っていたのだけれども、最後で、秘密はそっちだったか、という感じ。見事に騙されました。

    0
    2021年11月22日
  • チムニーズ館の秘密

    A

    購入済み

    面白かった

    面白かったです。
    途中までは何が起こっているのか
    良くわからないまま話が進んでいきますが
    最後になるほどとなります。
    結末もわかりやすくて
    たしかな満足です。

    0
    2021年07月02日
  • 喪服のランデヴー

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    ネタバレ

    いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。
    ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間に同場所を通過した飛行機に乗り合わせた乗客全てに同じ苦痛を事件の起こった5/31に味わわせるのだった。

    この設定を読んだだけでもう早く読みたいと思うのは当然ではないだろうか?
    しかも唄う詩のような美文は健在で今回も陰惨な内容ながら幻想的な衣装を纏いながら物語は流れていく。
    しかも成される復讐は5つあり、それら全てが極上の短編小説のようにスパイスが効いているのだ。
    顔の見えない主人公ジョニー・マー。彼のした事は非道で許されないことだが、彼のされた事もまた同じである。深く哀しみを湛えて復讐を成す彼が到達する最後は恋人ドロシーに扮した警察見習い生。その再会で彼は至上の悦びを発散する。
    最後死ぬ前に救われたのか?
    私は救われたと思う。いやそう信じたい。

    0
    2021年02月02日
  • 喪服のランデヴー

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    飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行を食い止めようとする。哀切な思いの果てに繰り返される理不尽な復讐劇はどのような結末を迎えるのか。

    0
    2019年02月27日
  • 喪服のランデヴー

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    翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読む価値がある。上空を通過した飛行機の乗客が投げ捨てた瓶の直撃を受け、逢瀬の待ち合わせ場所にいた恋人を殺された男。その無残で凍てついた心象風景を綴っていくプロローグは、ウールリッチならではの世界観を形作っている。
    本作は凄まじい怒りによって復讐の鬼と化し、狂気の淵へと墜ちた若者ジョニー・マーが、真犯人を特定できないままに対象となる5人の男を探り出し、躊躇うことなく地獄の底へと突き落としていく物語だ。脈略無き不可解な連続殺人を嗅覚鋭く追う刑事も登場させるが、メインで描くのは、緻密な計算のもとに遺恨を晴らすべくジョニーが対象5人に加えていく報復の顛末である。推定する加害者を単に殺すのではなく、ジョニー自身が味わった悲劇と同様の苦悩へと陥らせる。その非道/冷酷ぶりは極まっており、罪のない人々までも犠牲にしていく若者には、いつしか同情よりも畏怖感の方が強まっていくだろう。
    捻りを施した構成の妙とサスペンスフルな展開で読ませる秀作であり、ウールリッチの魅力が存分に溢れている。ノワールの先駆であり、ラストシーンにおいて自らも暗黒へと堕ちていくジョニーの絶叫が重い余韻を残していく。

    0
    2017年09月07日
  • ヒッコリー・ロードの殺人

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    意外や、クリスティ作品の中では人気イマイチの一作のよう。
    映像で見たのが最初でしたが、大好きな作品です。

    学生寮で発生する謎の盗難事件。
    盗まれたものは一見意味のないように見えるものばかりだが、有能な秘書ミス・レモンに依頼されたポアロは調査を開始してすぐに、一刻も早く警察を呼ぶことだと告げる。そこから始まる奇妙な事件・・・。

    いちいち癖のある学生たちの描写はステレオタイプながらも面白い。
    謎解き自体は複雑ではないですが、盗難品の繋がりを解き明かしていくところが珠玉です。

    0
    2016年12月15日
  • 殺人は容易だ

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    ネタバレ

    植民地から帰ってきたルーク・フィッツウィリアム。ロンドンに向かう汽車の中で出会ったウイッチウッド村のミス・ピンカートン。ウイッチウッド村で誰も気がつかないうちに連続殺人が起きており次に狙われるのはハンブルビー医師と気がついたとかたるミス・ピンカートン。翌日、ミス・ピンカートンが轢き殺されたと知るルーク。そして殺害されたハンブルビー医師。ウイッチウッド村へ向かうルーク。ホイットフィールド卿の秘書で婚約者のブリジェットの従兄弟として村に滞在するルーク。ブリジェットとの捜査。殺害された人々が関わるのは?被害者の一人エミリーがお手伝いをしていたミス・ウェインフリートの話。元ホイットフィールド卿と婚約していたミス・ウェインフリート。ホイットフィールド卿を怒らせた運転手の死から犯人を推理するルーク。バトル警視の登場。

    0
    2015年06月06日
  • チムニーズ館の秘密

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    ネタバレ

    友人のジェイムズ・マグラスに頼まれて南アフリカからロンドンに元ヘルツォスヴァキア首相の回想録に使用する手紙を運ぶアンソニー・ケイド。ホテルにつくなりヘルツォスヴァキア共和国の共和政派と王政復派の訪問を受けホテルの従業員のジュゼッペに手紙を盗まれる。元ヘルツォスヴァキアに駐在していた外交官の未亡人ヴァージニア・レヴェルの手紙をネタに彼女を強請ろうとするジュゼッペ。ヴァージニアの部屋で射殺されたジュゼッペあ遺体を隠すアンソニー。チムニーズ荘訪問。チムニーズ荘の主人ケイタラム卿の元に滞在する客たち。殺害されたヘルツォスヴァキアの王子ミカエル。バトル警視の捜査。ヘルツォスヴァキアの宝石を狙うフランスの盗賊キング・ヴィクター。キング・ヴィクターを追うフランスの刑事ルモワール。アンソニーが疑うケイタラム卿の子供たちの家庭教師ブラン。ミカエル王子と石油採掘権を巡り交渉していたアイザックセタイン。ケイタラム卿と古書の会話をするフィッシュ氏。アンソニーの捜査。チムニーズ荘に滞在する客達の正体。

    0
    2015年06月03日
  • 殺人は容易だ

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    話の組立方が巧み。事件パート、捜査パート、推理パート、解決パート、それに加えてロマンスパート。それぞれを良いバランスと順序で組み合わせて、どんどんのめり込んでしまう仕組み。
    事件の内容は凄惨で醜悪だけど、気持ちの良いミステリ。

    0
    2012年09月29日