岩波明のレビュー一覧
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野口英世、南方熊楠、モーツアルト、マーク・トウェイン、ヴィトゲンシュタイン、山下清、大村益次郎、ダーウィン、アインシュタイン、ドイル、サティ、ヘミングウェイ、チャーチル、ルーズベルト、夏目漱石、芥川龍之介、サリンジャー、中原中也、エリック・クラプトン、フレディ・マーキュリー。。。
本書で、ADHD, ASD、うつ病、統合失調症として紹介された人々のエピソードが満載でした。人類の歴史や科学、芸術の発展に寄与したこれらの人々が、平均的性格傾向から、程度の差はあれ解離していたという事実に、大きな業績を生むにはある意味、その心的風景も並外れていることが求められているのか、という印象も持ちました。
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ネタバレそもそもなぜこの本を購入しようと思ったか、まずはそこから思い出すべきなのだろうが、いかんせん2年くらい前のため思い出せない。
ポイントとしては、一部の人はその症状を抱えていたとしても「場数」をこなすことによって、どのタイミングでどう振る舞えば良いか学習ができること。一方、そこまで本人や周囲にも理解を持って接してもらう必要があることから、やはり幼少期にこの傾向に気付くかどうか、その上で対策を取れるかどうかに依るところが多いと感じる。
特定のレッテル貼りや一部の天才を取り上げて肯定をすることが、昨今の流行りのようにも見える。曖昧であるがために、そういった用途には適してしまっている。(ある種の特 -
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精神鑑定はすべて本人の訴えであり客観的な評価がそもそもできない。また、医師が何か精神状態に異変があったに違いないという態度で面接に臨むと一定の割合で、患者側もこれに応えようと医師が望むような症状に話してしまうという。ときには精神科医の誘導により偽の記憶が無自覚に捏造されることさえある。残念ながら精神科医がこれに気付くことはほとんどない。あまつさえ検察側が提供する資料は検察に都合の良いものばかり。被告に有利な資料は秘匿されてしまう。結果として検察側のシナリオどおりの鑑定となってしまう。鑑定書は矯めつ眇めつあらゆる角度から眺めなければならないということ。精神鑑定には自ずと限界があり、そういうことを
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ネタバレこれまで大きな議論となった池田小事件、新宿バラバラ殺人事件、池袋通り魔事件、永山則夫、帝銀事件が扱われている。
改めてこれらの事件を概観してみると、永山則夫のように情状で論じる必要はあるものの、責任能力には問題がないと思われるケースでも鑑定人の気持ちの持ちようでは(裁判では採用されなかったが)心神耗弱という鑑定結果になったり、池袋の事件のように明らかに責任能力の問題があっても世論におもねって(?)問題なし、という結論になっていたり、時代の空気のようなものも感じられる。
帝銀事件も容疑者の死亡についてニュースで見たぐらいの知識しかなかったが、内村ー秋元の対立とか、被疑者が犯行自体を認めていな -
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精神科医が広い知見から作家や作品の登場人物に病状を見て、それをもとに解説をするという試み。外観としては面白そうに思うもこの切り口そのものに違和感のようなものがあり確かに、中に挙げられている作品は有名でない作品が多いのでこじつけ感はあまりない。作家そのものについても言及されているがこれも資料などで事実に基いていると思うのだけれど、えてして作家は頭がオカシイとか作品内の登場人物は狂っているということになったら嫌だなと。そういう風に見ることが出来る。という留保や慎重な姿勢で眺める必要があると思う。まぁもちろん、あきらかに異常な犯罪者を分析していたりしてなるほどということもある。医者に診断されるとどう
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仕事で必要に迫られて読む。
精神障害者に関する歴史、法律や法律の考え方が整理されており、精神保健福祉法や医療観察法を理解する入門書としてとても役に立った。
著者の考えが保安処分を許容する傾向にあることは少しきになるが、精神科医と弁護士との考え方の違いは否めない。
また、歴史や制度の説明が主題なので、自分や家族に精神障害が認められた場合や被害者になってしまった場合にどうすべきか、将来制度をどう改善すべきかについてまでには議論が及んでない。
他方で、現在の(出版当時の)精神医学の水準についての説明(多少抽象的ではあるが)や具体的事例における精神鑑定結果の批判的検討が分かりやすく参考になる。
最 -
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心の病は目に見えるものではない。
だから診断も治療方法も担当する医師の裁量に任され、それが正しいのか間違っているのかは他からはわかりづらい。
一見治療のように見えるカウンセリングが、逆に人格を破壊しありもしない過去を作り上げてしまうこともある。
カウンセリング治療による逆効果によって、アメリカでは多くの被害者が出たこともわかっている。
「偽りの記憶」を誘発したカウンセラー、病院は賠償請求を受けているのも事実だ。
犯罪加害者、特に大量殺人や猟奇殺人を犯すものの一部には脳に萎縮が見られるらしい。
MRIによって脳の側頭部を検査した結果、萎縮所見が出されたのだ。
ウゥルス性脳炎の後遺症ではないかと言 -
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ADHD、うつ病、アスペルガー等々。色々な精神病があって、専門家でも誤診してしまうケースがあるとか。
本書はADHDについて、その症状、特徴から治療法までを詳しくまとめているものです。
職場で色々な方に接する都合上、勉強しておいても損は無いなと思って手に取りました。
読みながら思ったのは、自分の小さい時ってこんな感じだったよなぁ。。ということ。ひょっとすると今でも完全には抜けてないような。あまり変な先入観を持たないためにも、正しい知識を持っておくのは大事かと。
治療法の段の、具体的な薬物例が並んでいるくだりは自分には不要でしたが、実際に治療を受けていたり、これから受ける方には大事なのでしょ -
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☆☆☆【他人を非難してばかりいる人たち】(岩波 明)
私たちの身の回りで起こっている個人に向けたバッシングの例を引き合いに出しながら、社会ことに、日本社会の特殊性を、精神科医の立場から説明しています。
もう忘れてしまった近い過去の例が多かったのですが、あらためて目の前に並べられると、この異常さは同じ日本人でありながら気味悪く映ります。
常にバッシングの対象となる者を探し、ちょっとしたことでいきり立ち、必要以上にその対象を痛めつける状況に対して著書は
〜〜「バカでヒマ」なわれわれは、自らの現実に不満足になりやすい傾向を持ち、不寛容な心持ちで他人のアラ探しにセイを出しては、いっときのウサを晴