あらすじ
「うつ病には○○の摂取が有効」「脳トレで認知症は治る」……精神疾患の治療と称してまかり通る妄説の数々。しかしそのまやかしが、取り返しのつかない重篤な患者を生み出す。食事療法は健康食品やサプリを売りつける方便だ。うつ病を「心のかぜ」と呼ぶのは製薬会社と医療行政の欺瞞だ。薬物やカウンセリングの罠から診断基準の陥穽まで、精神医学の世界に蔓延する不実と虚偽を暴く。
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Posted by ブクログ
タイトルはちょっと衝撃的だけど中身は精神医療を軸にした医療に関する問題提議。誠実な立場から、代替医療の危うさ確信犯といえる悪質な医療的行為さして害悪はないけれど根拠薄弱な話医療の裾野を広げたがる業界の思惑と結果生み出される、実質病人ではない病人。ひとことでいうと「難しい」大切な人をあきらめないことはできても医者として多くの人をあきらめることなく救うというのは大変だと思った。
Posted by ブクログ
食事療法、フロイトなどを大上段から斬りまくる爽快感のある論旨。ケースの紹介も交えながら説得力のある展開に頁を捲る手が止まらない...。ただ、残念なのは反論のデータの詳細が記載されていないこと。他の著作にはあるのかな...。他作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
S.シンの「代替医療解剖」やロルフ・デーゲンの「フロイトの先生のウソ」が著作の動機だったのかと疑うほど、虚偽、不正への憤懣と読者への注意喚起が延々と続く。しかし、シンと違って現役の臨床医なのだ。表現が医療への反省にはなっても批判は後味が悪い。前作「心に狂いが生じるとき」が良かっただけに期待外れ。器質性障害だけでない診断を要する精神科ほど、医師により診断がまちまちになり易い分野はないだろう。それだけにすがる思いで受診する患者が期待外れの結果になることも多いだろうし、病状を悪化させうることを思うと誤診は大問題。本書でも触れていた評点法による標準化は必要だろう。14.5.6