【感想・ネタバレ】他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑のレビュー

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Posted by ブクログ

他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑。岩波明先生の著書。他人のちょっとした過ちや失言をことさらに大きな問題に取り上げて、傲慢な上から目線で非難したり、バッシングしたり、いじめ・ネット私刑と思われるようなことをしたりするのは、多くの人が嫉妬感情や欲求不満を抱えているから。岩波明先生によると、それは日本社会特有の問題。ではそのような不寛容な日本社会に渦巻いている嫉妬感情や欲求不満を少しでも減らすためにはどうすればいいのかについても知りたくなりました。

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2019年06月16日

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201607/

国連児童基金(ユニセフ)は、2008年に先進国に住む子供達の「幸福度」に関する調査報告を発表した。
子供の「主観的な幸福度」に関する項目の中で、「孤独を感じる」と答えた日本の15歳の子供の割合は29.8%と、対象国の中で第一位で、ずば抜けて高かった。日本に続くのはアイスランド(10.3%)とポーランド(8.4%)だった。もっとも低いのはオランダの2.9%だった。
このように、日本の子供における「孤独さ」は、先進国の中で際立って高い。この点は、これまでに述べてきた社会的な「まなざしの欠如」と関連している現象であろう。つまり、子供達を見守り、同時に縛ることにもなる、目に見えない社会的なルールや、インフォーマルなコミュニティが、希薄となっていることを示している。その一方で、子供達を縛る「規則」は多い。けれどもそれらは管理的なきまりであり、あるいは学校社会のルールやネット上での約束事であり、子供達の本質的な内面と結びつくものではない。/

内閣府は、2013年度において、わが国と諸外国の若者の意識に関する調査を行った。その結果の一部であるが、「自分自身に満足している」という問いにイエスと答えたのは、日本の若者の45.8%にすぎず、欧米の若者の80%以上という回答と比較すると極端に低かった。
このように、多くの調査の結果は共通性が大きい。具体的に言えば、他の先進国と比較して、日本の若者は、「孤独で、将来への希望がなく、自己評価が低い」のである。/

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2016年07月18日

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■日本と欧米の顕著な差は「宗教」が社会の規範になっているか否か
■日本社会や日本人の特性である孤立化やアノミー化は実は先進性の表れ
■日本社会の様々な特徴は独自性の大きい日本文化の基礎となってる

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2015年11月06日

Za

購入済み

不寛容な国 日本

たった数人のクレーマーによって仕事が滞り、何人もの職員が不愉快でやるせなく屈辱的な思いをさせられる。
しかもクレーマーに対して感情的になってはいけないと我慢を強いられる。泣き寝入りするしかない。

そんな状況を変える方法はないかと期待してこの本を読んでみたが、そう言う解決策を述べる内容ではなかった。

それでも、いかに日本が生きづらい不寛容な国かがよく分かった。
寛容さを持った人間であり続けるには意識して努力していかないと、あっという間に自分も不寛容な人間に成り下がってしまいそうだ。

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2020年07月11日

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精神科医である著者が、閉塞感からくるネットの炎上やマスコミの加熱するバッシング報道について、日本人の特性や現在に至る社会変革なども交えて考察する。
頷けることばかりで、うーむとなるのだが、明確な解決策があるわけでもない…ついこの前も吉本興業のお家騒動が加熱報道されたばかりだが、暫く日本の社会はこういった息苦しさを抱えたまま進んでいくのだろう。
10代〜20代の若い世代が抱く、未来に対する希望も自己肯定感も低いという事実。先進国の中で最下層に位置するというのは、この状況を写す鏡であるのだろう。2019.8.9

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2019年08月09日

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ネタバレ

こないだの青森の市議の一件で、市議会の議長辺りが「めっ!」と怒れば済む程度のことwを、正義の味方面したテレビが鬼の首を取ったようにバッシングしまくっていたのを見ていて、なんだか無性に読んでみたくなった本。

で、読んだのは読んだんですけー。
読んでいて、なんだか文革時の密告社会のようでウンザリでした
あと、連合赤軍の「総括」も思い出して、嫌ぁーな気分に。
この本に出てくるようなことって、たぶんそれらと全く同じ構造で起こっているんでしょうね。

「義」は確かに大事だけど、「仁」はもっと大事なわけでー。
「仁」を忘れた「義」ばっかりが横行している世の中なんて、息苦しいだけ。
つまり、今の日本人にある閉塞感って、それこそが根本の原因なんじゃないの?

憂さ晴らしに面白がってした私たちのバッシングを、マスコミやマスコミに出ている専門家と称する人たちが耳ざわりよく、かつ正しいことのように新たなマナーやルールにして。
それを情報として、“これは正しいんだから知らなきゃ時代遅れ/非常識なんだぜ”と流す。
その情報の耳ざわりの良さに私たちはそれを喜んで、あるいはカッコつけて受け入れる。
やがて、それはスタンダードになり、スタンダードになったことで、今度は世間から強要されるようになる。
気づけば、私たちはそんな新たなマナーやルールでがんじがらめになっている。
そんな大人たちを見て、子供は自分の未来を感じとって、絶望していく…
いや、そんなことは書いてないですよ(笑) 
書いてないけど、ふとそんなことを思いました。

とはいえ。
そういえば、「オカルトクロニクル」というサイトに“現代においては一部の芸能人の方々が、『天狗』になったせいで神隠しになる”みたいな一文があったんですけどw、この本で紹介されていた例の中には神隠しにあってもしょうがないんじゃないのぉ~みたいな人もいるとも思っちゃったり(笑)
つまり、この本に書いてあることを必要以上に「正解」としてしまうと、また新たなバッシングの根拠を作ってしまうことになるんじゃないかと…。
ていうか、アイドルと芸人の顔見るのにウンザリで、最近テレビをめっきり見なくなったなぁ~。


感想からは離れますけど、TVもネットも。最近はバッシング(の程度)の基準が、もはや全然デタラメになっているような気がしますね。
タレントだか放送作家だか知りませんけど、彼ら/彼女らも叩かれるのが怖くて、何を良い/何を悪いと言ったらいいのか全く判断が出来なくなっているのではないでしょうか。
つまり、ルール(法律)を犯した人(犯罪者)全くバッシングしないけど、マナー違反程度の人(気に障った人)は徹底的に叩きまくる、みたいなあの風潮ですよ。
それこそ、仕事上で上司が部下を叱るのと、仕事外で上司が部下に明らかな暴力行為をするのを、どちらも等しく「パワハラ」という言葉を安直に使って済ませている、と言ったらいいんですかね。

これも全然関係ないようですけど、堀江貴文って、個人的には、頭が良すぎて無責任にしか生きれない人というイメージしかなかったんです。
でも、こんな世の中になっちゃったんなら、人なんて無責任にしか生きれないみたいな考え方も必要なのかなーと思いましたね。
一冊、読んでみようかな。

って、今回もほとんど本の感想なってない(笑)

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2018年11月25日

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みのもんた。
朝青龍。
沢尻エリカ。

一世を風靡した有名人が、一つの出来事をきっかけに日本中から情け容赦のないバッシングを受け姿を消していく。

その攻撃には、マスコミだけでなくインターネットやSNSなどの発展に伴い、誰でも参加が出来てしまう。

攻撃対象を見つけては炎上を繰り返していく。

最近では攻撃の対象は有名人だけでなく、一般人にまで広がっている。

そして改めて思う。
自分もその参加者の一員なのだと。


人を攻撃している時に感じる、正義感による陶酔。

指先一つで裁判官に、場合によっては神にすらなったように錯覚できる時代。

ある日突然、誰もが被害者になり、加害者にもな
る。

大事な時間を費やし、「好き嫌い」で一時の憂さ晴らしをする。

ちょっとした差異から生まれるジェラシー。
攻撃することそのものが目的となる。


不寛容で、再チャレンジがしにくい社会。
若者が悲観的で希望が持てない日本。

著者は、統計と精神科医としての経験から分析する。

「日本ほど物質的に豊かな上に、便利で安全な場所は他にはない。文化的にも豊かだ。現代の日本に欠けているものがあるとすれば、それは『智慧』であり、『教養』である」

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2017年11月13日

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 最近の、どうにも挙げ足取りな風潮に心底、嫌気がさしています。
 どうでも良いことに、イチイチクレームつけたり、炎上したり。
 例えば、ベッキーの不倫。当人たちで解決させればいいのに、全く迷惑もかかっていない人たちが、面白く盛り上げて。

 そんな事をイチイチ、ネット記事にする記者もいますね。(そんなのは記者じゃないけど)msnも最近ヒドイ。
ブログで誰が何と言ったことで炎上→謝罪とか。誰々のSNS発言に誰々がSNSで応酬とか。
 
そう言うのに、うんざりしてました。
 
そんな所で、本書を知り読んでみた。
精神科医の視点から、色々な考察が書かれています。

読んで、「解決。スッキリした。」とはなりませんが、なるほどです。

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2016年11月23日

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パッシングする個々の心理、社会環境、歴史から分析されていた。
この類を本を読んだことがない人にはおすすめ。
重要な内容はそれ程多くなく、ある程度想像していた内容であった。
全体的に一般的で優しく、ページ稼ぐために話をのばしている節がある。
少し流しながら読んでも十分内容を理解できる内容。

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2023年07月01日

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日本人の特性、ネット社会、SNS、メディアの取り上げ方、興味があることは人の不幸、炎上、等々、現代社会での現状を語る。匿名性の中で他人を吊し上げることで溜飲を下げることが一般化しているのか。著名人や公の立場の人はうっかり本音など言えたものではない。

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

☆☆☆【他人を非難してばかりいる人たち】(岩波 明)
私たちの身の回りで起こっている個人に向けたバッシングの例を引き合いに出しながら、社会ことに、日本社会の特殊性を、精神科医の立場から説明しています。

もう忘れてしまった近い過去の例が多かったのですが、あらためて目の前に並べられると、この異常さは同じ日本人でありながら気味悪く映ります。

常にバッシングの対象となる者を探し、ちょっとしたことでいきり立ち、必要以上にその対象を痛めつける状況に対して著書は
〜〜「バカでヒマ」なわれわれは、自らの現実に不満足になりやすい傾向を持ち、不寛容な心持ちで他人のアラ探しにセイを出しては、いっときのウサを晴らしている〜〜
と描写する。

以前、オーストラリアに一年間滞在して、成田の地を踏んだ時に感じた、言葉に表せなかった感覚を著者の文章は朧げに思い出させてくれた。
〜〜日本人の大部分は、小児期から成人まで、好むと好まざるとにかかわらず、比較的同質の集団の中で生きていかなければならない。これは、多様な民族や宗教的背景を内部に持つ米国などとは、まったく異なる環境であり、「安心感」は大きいものの、様々な弊害も存在している。〜〜

そして、日本社会の閉塞性がもたらすものとして
〜〜近代化、都市化を進めてきた戦後の日本の歩みは、一方では、伝統的な社会を解体する試みでもあった。その作業は成功し、日本社会は先進国の中でもっとも現代的に変化することに成功した。
しかし、それは当然ながら副作用を伴うものであり、社会のアノミー化(=無規範化、無秩序化)をもたらした。伝統的な規範を意味する「強いまなざし」は失われ、従来からの宗教的感覚の希薄さは、規範の喪失をもたらした。
人生の選択肢は無数に存在し、それを妨げるものはごくわずかしかないのに、日本人は自分の人生を自分で考える訓練を受けていないため、何をしたらよいのかまるでわからない。〜〜
このような社会の空気感が、バッシング・いじめ・ネットリンチの背景にあるという意見には納得をするが、新書という枠のため、分析が一方向に偏ってしまった感がある。
今私がこの本を読み終わった時の、日本国のバッシングの標的は都知事舛添要一氏に当てられている。報道機関も、街角のインタビューも、誰もこの流れに棹さすことができないかのようだ。
ベトナム徴兵を拒否し、チャンピオンの座を剥奪されたモハメド・アリが亡くなってから一週間。日本という国を操っているのは、何なのだろう。

2016/06/09

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2016年06月11日

Posted by ブクログ

インターネットとSNSの普及により、バッシングが特に過激になった。その理由として
現代の日本社会は、伝統的なつながりを切り捨てた、無機質な規範のない社会であるが欧米は宗教が社会の規範となっている点で顕著な差があることを指摘している。やり直しがきかず、同質さを
求める窮屈な社会の日本。ではどうすればいいのか解決策は示されていない。

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2015年12月19日

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